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軍神

学祖・山田顕義は弘化元年(1844年)長門国阿武郡椿東に生まれた。乃木希典は毛利家の分家長府藩の馬廻士・希次第三子として嘉永2年(1849年)11月、江戸麻布日ヶ窪の同藩上屋敷内で生まれている。山田も乃木も共に維新激動の中に東奔西走し、回天の大事業を生き抜いた。山田は「用兵の妙、神の如し」とうたわれたが、山縣有朋との確執から「法の世界」に身を投じた。乃木は幾多の挫折を経ながら陸軍の最高峰(大将)に昇り、明治天皇の死に伴い、殉死した。山田、乃木の“結節点”に立つ男として長州・徳山藩、児玉源太郎(陸軍大将)があげられる。児玉は山田に愛され、下士から陸軍の最高峰に昇り、日露戦争では満州軍の名参謀長とうたわれ、作戦のミスを犯した乃木の危機を救っており、友情は深い。山田を通して本書で山口県出身の3人の姿が生き生きとして描かれている。山田、児玉、乃木の長州人はいずれも明治天皇との交情は特別だったことも興味深い。

書籍名 軍神
著者名 古川 薫・著
月号 1996年夏季号 No.68
価格 1,600円
出版社情報 東京都千代田区富士見2-13-3、角川書店