共産主義の黒書孝
フランスで出版されたシュテファン・クルトワらによる「共産主義の黒書」を、外国法の権威である著者が鋭い史眼で読み解いた力作である。クルトワの序言・結語に焦点を当て、評論を展開。「二十世紀最大の悲劇・共産主義」の項から説き起こし、「共産主義体制による死者の数は約一億人」とするクルトワの指摘を踏まえて、スターリン、毛沢東らの独裁政権下における犠牲者の数の多さと粛清の手段をつまびらかにしている。
「共産主義体制の無限定テロは政治と国家のみならず、全経済プロセスならびに個人の私的生活とすべての個人の『正しい考え』にまで至る社会全体を統制する要求から必然的に生ずる」。著者は自身の視点を示しつつ集団殺りくにかかわるナチスと共産主義の類似性、ツァーの暴力とボルシェヴィキの暴力の連関も凝視し共産主義の暗部に迫っている。
「共産主義体制の無限定テロは政治と国家のみならず、全経済プロセスならびに個人の私的生活とすべての個人の『正しい考え』にまで至る社会全体を統制する要求から必然的に生ずる」。著者は自身の視点を示しつつ集団殺りくにかかわるナチスと共産主義の類似性、ツァーの暴力とボルシェヴィキの暴力の連関も凝視し共産主義の暗部に迫っている。
書籍名 | 共産主義の黒書孝 |
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著者名 | 法学部教授 小林宏晨・著 |
月号 | 2004年夏季号 No.100 |
価格 | 2,500円(税別) |
出版社情報 | 東京都中央区入船2-7-4、政光プリプラン |