ポルトガルの風
ポルトガルといえばやはり思い出すのは白秋の『邪宗門秘曲』。
ここで白秋が使った「紅毛の不可思議国」という言葉は、なぜかポルトガルの愛称にぴったりのような気がしてならない。遠い未知の国への強い憧憬や懐かしさを感じさせる。ポルトガルはスペインよりもさらに西で、わが国との間に直航便がない。この国にくわしい日本人も多くない。いまなおポルトガルは知られざる国である。本書は、約1年間にわたって夫婦同伴でポルトガルを旅した共同体験にもとづく楽しい日々を綴った作品といえる。
そこには、ひとに教えるのはもったいなくて、そっと胸のうちに隠しておきたい。でも、折角の珍しい体験を自分たちだけの宝物にしておくなんて、とあれこれ迷い苦心しながらの思いがこめられている。「いってみたい」の読後感に誘われる。
書籍名 | ポルトガルの風 |
---|---|
著者名 | 生物資源科学部教授 小峰和夫、小峰良子・共著 |
月号 | 1997年秋季号 No.73 |
価格 | 1,500円 |
出版社情報 | 東京都文京区関口1-44-4、東洋出版 |