バイオマスは地球環境を救えるか
今世紀、人類に与えられた最大の課題は「地球温暖化防止」ではないだろうか。今年から、京都議定書の第一約束期間(2012年まで)が始まり、6%の温室効果ガスの排出削減を実行しなければならない。その対策としてバイオマスに関するものは少なくない。そのための若い世代向けの「ジュニア新書」である。
バイオ(生物)マス(量)とはエネルギー利用を目的とした生物資源という意味に使われており、最近ではトウモロコシから作るエタノールが自動車燃料の代替として注目されている。しかし、バイオ燃料で外貨を稼ごうとすると餓死者が出かねず、「食料とバイオエネルギーの競合は絶対避けなければならない」と訴える。石油など化石資源が尽きていくなかで「バイオマスを物質として利用する技術とそのための新システムをつくっていくことが大切」と、かなりページをさいている。
書籍名 | バイオマスは地球環境を救えるか |
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著者名 | 総合科学研究科教授 木谷 収・著 |
月号 | 2008年冬季号 No.114 |
価格 | 780円(税別) |
出版社情報 | 東京都千代田区一ツ橋2-5-5、岩波新書 |