税法学原論(第五版)
財政権力側に立った租税概念ではなく、納税者の側に立脚した租税概念が本書の基調だ。著者はその法的概念を日本国憲法に求め、「人々は自分達が納付した租税が憲法の意図する福祉・平和のためにのみ使用されることを前提として、その限度で、かつ各人の能力に応じて納税の義務を負う」「日本国憲法は地方財政権については各自治体の固有権として保障している」と説いてやまない。
一九九七年四月発行の第四版に、その後の税制改正、判例・学説などを念頭に全面的に加筆。特に省庁再編、地方分権改革、法人事業税の外形標準課税、「銀行税条例」違法訴訟判決、税理士法改正などを最新の研究成果を織り込み展開している。地方税の仕事に携わる地方公務員の存在を無視した明治憲法下の遺物「税務署」を「国税署」等に改めるべき、などの主張も示唆に富む。
書籍名 | 税法学原論(第五版) |
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著者名 | 法学部名誉教授 北野弘久・著 |
月号 | 2004年春季号 No.99 |
価格 | 5,900円(税別) |
出版社情報 | 東京都文京区本郷6-4-7、青林書院 |