静岡発 タクシー運転手(ドライバー)のちょっといい話
伊豆で知り合ったタクシー運転手の話を軽妙でユーモアに富む筆さばきでつづった全二十四章の軽い読み物。著者の少年時代の夢はバスの運転手になりたい!だから、著者にとってタクシー運転手は夢稼業。彼らが見て、聞いて、体験した話に人間の本能と本音を見抜いて、なるほどと相づちを打ち、人生は面白い、生きることはドラマだと実感す。「吹きだまりの人生ですよ」と謙そんする話題の豊富な運転手に親しみを感じる著者自身が感性豊かで、人情味あふれる人柄であることに読者は気づく。
伊豆市に住む著者の目は、熱海、伊豆長岡、修善寺、湯ヶ島、伊東、下田…と、伊豆の観光案内的な面も見据えており、漱石、康成、清張、晶子、白秋ら文人の名も散見する。著者の専門が日英比較文化・文学研究であることを知れば、なるほど、と納得できる書き下ろしだ。
書籍名 | 静岡発 タクシー運転手(ドライバー)のちょっといい話 |
---|---|
著者名 | 国際関係学部長 佐藤三武朗・著 |
月号 | 2006年春季号 No.107 |
価格 | 1,300円(税別) |
出版社情報 | 東京都品川区東品川1-37-5、栄光出版社 |