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や行

大和物語研究史

平安時代の歌物語の代表的作品である『伊勢物語』と『大和物語』。いつの世にも訴えるものを持ち、今日まで古典として読み継がれてきた。しかし在原業平をモデルにした『伊勢物語』に比べると、当時の「歌語り」を中心に素材を求めた『大和物語』はその陰に隠れ、注釈書や論文の数にも雲泥の差がある。ただ近年『大和物語』に対する評価がいろいろな角度から加えられつつある。

本書は昭和四十一年以降、四十年間に刊行された研究文献を年代順に区切り、十章にわたって紹介。各章では多くの文献を「伝本、注釈」「作者、構成、成立」「他の作品との関係、影響」「語法、文体」「人物」に関するものなどに分類し解説している。四十年代の研究気運の高まりから、平成に入ると、研究領域の広がりや、さまざまな視点からの考察も試みられるなど『大和物語』研究の動向をたどることができる。

書籍名 大和物語研究史
著者名 商学部教授 柳田忠則・著
月号 2007年春季号 No.111
価格 3,800円(税別)
出版社情報 東京都千代田神田神保町1-14、翰林書房