期待の新入生

卓球との出会いは5歳の時。地元・岡山の卓球クラブを訪れ、練習場に初めて入った際に、「卓球をやりたい」と直感的に思ったという。

「最初は身体を動かす程度で楽しんでやっていましたが、次第にクラブのコーチに褒められるようになり、県大会で2位になって全国大会に出場したことで本気になりました。母が中国人ということもあり、中国の小学校に通いながら日本の大会にも出ていました」

中国で自らの卓球の基礎を作りあげ、全日本選手権のバンビ、カブ、ホープスの3クラスで優勝を果たした金光選手は、中学時代はJOCエリートアカデミーで腕を磨き、海外ツアーにも参戦。高校進学後はジュニアナショナルチームの強化選手として、日本卓球協会の海外拠点ドイツ・オクセンハウゼンに派遣され、強豪クラブのユース組織に所属してブンデスリーガの試合にも出場するなど高度な育成・強化を受けてきた。

「世界中から強い選手が集まってきますが、国によって選手のプレースタイルが違うので、日本国内での練習だけでは得られないものを学べました。日本の選手はプレーのスピードが速く、ラリーにも強いのですが、パワーがあるヨーロッパの選手たちは中陣に下がって力いっぱい打ってくるので、日本の選手より力強い球がどんどん飛んできます。自分もそれに対抗するプレースタイルになりましたが、日本流のスタイルも採り入れてバランス良いプレーをするようにしています」

2018年は、10月のITTFワールドツアー・スウェーデンオープンU21で準優勝、11月のITTFワールドツアープラチナ・オーストリアオープンはシニア大会での自己最高となるベスト16に入るなど、この1年の成長は著しく、11月に463位だった世界ランクも今年6月には155位に躍進。大学生となり、より一層のレベルアップを目指して練習に励む毎日だ。

「来夏にはオファーをもらったオーストリアのクラブへ移籍します。新しく発足したクラブですが、トップチームに入れるのでワンステップ上がった感じです。そこで、もう一度ブンデスリーガの1部リーグで戦いたいし、クラブからも勝利を求められるので、その期待に応えたい。今の課題は、コーチから“脚の筋肉が足りないので土台がない”と言われているフィジカル面で、強化のためのトレーニングメニューを継続的にやっています。大学も楽しいので、勉強とも両立していきたいですね」

東京オリンピックでのメダル獲得が期待されている卓球NIPPON。その中心は、金光選手と同世代の選手たちだが、ジュニア時代から競い合ってきた彼らの活躍は大きな刺激になっている。

「彼らを見ていて素直に“すごいなぁ”と思いますし、自分もさらに努力を重ねて追いつきたい。将来的にはプロ選手を目指していますし、パリ・オリンピックには是非とも出場したいので“3年後、4年後には自分が主役になるんだ”という強い気持ちでこれからも頑張っていきます」

Profile

金光 宏暢[かなみつ・こうよう]
2000年生まれ。岡山県出身。大原学園高校卒。
2008年、小学2年生の時に全日本選手権バンビの部で優勝したのを皮切りに、2010年にカブの部、2012年にホープスの部でも優勝して全クラスを制覇。中学はJOCエリートアカデミーで学び海外ツアーにも参戦。ITTFジュニアサーキットは2015年スロバキアジュニア準優勝、チェコ・カデット優勝を果たす。高校生になった2016年はハンガリー大会で優勝、2017年ワールドジュニアサーキットファイナル3位。シニア大会参戦の2018年、ITTFワールドツアー スウェーデンU-21で準優勝。今年の全日本卓球男子シングルスは4回戦で惜しくも敗退。戦型はシェークハンド攻撃型。世界ランク155位※。目標とするのは「とても堂々とプレーしているところに憧れる」という世界ランク1位※のファン・ジェンドン選手(中国)。
※2019年6月現在。