アスリートインタビュー

Vol.013 競歩 谷井 孝行Vol.013 競歩 谷井 孝行

陸上競技の中で最も過酷な競技ともいわれる50km競歩。そのトップ選手として日本の競歩界をリードし続けてきた谷井孝行選手。33歳になったいまも衰えるどころか、逆に進化を続ける競歩界の鉄人は、自身4度目となるリオ五輪の競歩で日本人初のメダルを狙っている。
谷井 孝行さん

オリンピックに初めて出場したのが2004年、日大4年生の時のアテネ五輪。その後北京、ロンドンと連続で出場することができ、リオは4度目の出場となります。年齢は33歳になりますが、昨年の世界陸上で銅メダル(世界陸上および五輪の大会で日本人初)を取れたことで自信もできましたし、今年に入ってからの練習やレースでのタイムにも手応えを感じており、今回が一番メダルに近い状態と思っています。

競歩は過酷な競技ではありますが、私は年齢を意識したことはなく、常に進化を求めて練習に取り組んできました。どうやったら美しい歩形で速く歩けるか。普段の練習からそれを考え、フォームの修正や体力づくりなど一つひとつ計画的に準備を進めていく。レースに至るまでの過程を大切にすることで、レース本番ではベストパフォーマンスを発揮することだけに集中できます。レースが終わったら新たな課題を見つけ、また次のレースに向けて準備をする。それを繰り返すことでまだまだ進化できるし、その結果として、成績はついてくるものだと思います。

オリンピックの魅力は特別。一度出場するとまた出たくなる。

学生の時に出場したアテネ五輪は出場できたことに満足してしまっていて、メダルを取ろうという強い気持ちもまだなかったように思います。でもアテネが終わってからは、次のオリンピックも出たい、という気持ちが強くなりましたし、それからは4年ごとのオリンピックを目標に計画を練るようになりました。故障したりスランプになっても続けてこられたのは、この目標があったおかげ。それだけオリンピックの魅力は大きかったということです。

残念ながらこれまではいい成績は残せていませんが、4度目のリオは本気でメダルを意識して大会に臨みます。メダルを取るためには、本番で力を出し切ることが必要で、そのためには事前の調整や、その前の強化期間の練習が大切になってきます。過去3回の五輪経験を活かしつつ、しっかりと準備を整え、本番ではメダルを狙って全力を尽くしたいと思います。

私の五輪で戦う姿を見て、学生時代の大切さを感じてほしい。

谷井 孝行さん

日大を卒業して11年になりますが、自分の学生時代を振り返ると楽しい思い出ばかりで、そういう学生生活を送らせてくれた日大にはとても感謝しています。日大で過ごした4年間が自分を大きく成長させてくれましたし、その後の自分の競技人生を大きく左右した4年間でもありました。日大の恵まれた環境の中で充実した練習ができたからこそ、学生時代にオリンピックに出場できたのだと思いますし、そこで基礎を作ったことがいまの自分につながっています。

日大を目指す高校生の皆さん。ぜひリオで歩く私の姿をテレビで(日本時間8月19日20:00〜)見てください。日大で過ごした4年間のすばらしさを感じてもらえると思います。

Profile

谷井 孝行(たにい・たかゆき) 1983年生まれ。
富山県出身。高岡向陵高校卒。文理学部教育学科卒。自衛隊体育学校所属。高校時代に競歩を始め、高校2年時にジュニアのナショナルチーム入り。日大4年時にアテネ五輪に初出場。以後、北京、ロンドン五輪と連続出場。2015年の世界陸上50km競歩で世界陸上およびオリンピックを通じて日本人初となる銅メダルを獲得し、4度目となるリオ五輪への出場を決めた。