実力者が揃う日大馬術部で全日本学生のレギュラーを取ることは並大抵のことではない。競技に出場するレギュラーメンバーは部員に平等に与えられる数少ないチャンスを確実にものにした者が選出される。障害馬術でレギュラーとなった4年生の鷹見優は言う。「僕はレギュラーになったことで大きな責任感を持つようになりました。僕らは部員を代表して競技に出場します。その期待に応えたい気持ちが強いです。これまで試合に出場出来ず苦しい時もありましたが、その時間が自分を成長させてくれたと思います。」
団結の12連覇(前編)


全日本学生馬術大会2022が開催され、障害馬術、馬場馬術、総合馬術の3種目が行われた。本学馬術部は障害馬術競技で団体優勝、馬場馬術は個人優勝、総合馬術で個人と団体優勝となり、3種目総合団体12連覇を達成した。競技の模様と部員が繰り広げたドラマをレポートする。
馬術部は文字通り馬を競技パートナーとして競技を行い、ホースファースト(馬を一番に)の精神が浸透している。部員は毎日早朝から馬術部馬場に集合して飼い付け、厩舎の清掃、馬の運動や体調管理などを部員同士で行いながら学業と両立させる。馬という命と向き合いながら日々の生活を送る中で部員は多くのことを学ぶ。馬術は馬との信頼関係がなければ成立しない競技と言われる。部員と馬達は厩舎や馬場で長い時間をともに過ごしながらお互いの理解を深めていく。部員にとって馬達は競技を離れていてもよき理解者であり仲間となる。

障害馬術競技第一走行に出場した鷹見優(生物資源科学部4年)&桜魂

第一走行の吉田ことみ(スポーツ科学部4年)&桜艶
第1種目は障害馬術競技、2日間で2回走行を行い総減点を競う。日本大学馬術部からは楠本將斗(スポーツ科学部4年)&桜真、瀬川裕哉(スポーツ科学部4年)&桜望、鷹見優(生物資源科学部4年)&桜魂、吉田ことみ(スポーツ科学部4年)&桜艶、大池駿和(スポーツ科学部2年)&桜妃が出場した。

第一走行の吉田ことみ(スポーツ科学部4年)&桜艶
第1種目は障害馬術競技、2日間で2回走行を行い総減点を競う。日本大学馬術部からは楠本將斗(スポーツ科学部4年)&桜真、瀬川裕哉(スポーツ科学部4年)&桜望、鷹見優(生物資源科学部4年)&桜魂、吉田ことみ(スポーツ科学部4年)&桜艶、大池駿和(スポーツ科学部2年)&桜妃が出場した。

障害馬術競技第一走行で障害物を飛越する瀬川裕哉

障害馬術第一走行を減点0で終えた楠本將斗(スポーツ科学部4年)&桜真

第一走行で障害物を飛越する大池駿和(スポーツ科学部2年)&桜妃

鷹見優(生物資源科学部4年)&桜魂 (第二走行)

瀬川裕哉(スポーツ科学部4年)&桜望 (第二走行)

楠本將斗(スポーツ科学部4年)&桜真

第二走行を終えて愛馬を撫でる吉田ことみ(スポーツ科学部4年)&桜艶。ゴール後に馬への感謝の気持ちを表した。

待機馬場で2年生の大池駿和(スポーツ科学部2年)&桜妃に声をかける楠本。

待機馬場で出番を控える人馬を見つめる主将の中込樹(中央)。

そして「馬付き」と言われる出場人馬をサポートする役割の部員がコーチの指示を受けながら機敏に動き続ける。これらを見ると改めて学生馬術はチーム戦とあることに改めて気が付く。レギュラーとして出場する人馬と彼らを支える部員の双方が普段からお互いの役割を意識し、融合することでチームとして大きな力が発揮されるのだろう。
瀬川&桜望の馬付きである4年生の堀坂七菜子はこう言った。「人馬が笑顔でウィニングランを走っている姿を見た時や良い時も悪い時も人馬が怪我なく帰ってきてくれて選手からありがとうと言ってもらえた時が一番嬉しいです。選手と馬には感謝の気持ちでいっぱいです」。