「海の森水上競技場」完成記念レガッタ 英国名門チーム撃破!

去る6月16日(日)、2020年東京五輪・パラリンピックのボート・カヌー会場となる「海の森水上競技場」の完成披露式典が行われ、式典後には完成記念レガッタが開催された。レースの最後を飾る男子エイトには、ボート大国イギリスから招いたオックスフォード大学とケンブリッジ大学のOBチームを含む、計6チームが出艇。接戦の末、本学が見事に1着でゴール。インカレ13連覇の実力を見せつけた。

「海の森水上競技場」の完成披露式典では、小池百合子東京都知事やジャンクリストフ・ローランド国際ボート連盟会長ら多数の来賓が出席。挨拶に立った小池知事は「オールジャパンの力を結集し、来年、最高の大会を作り上げたい。この競技場をアジア最高の水上競技場としていきたい」と抱負を語った。また、ローランド会長は「初めて視察に訪れた時は、こんなに立派な競技場に変身するとは想像できなかった。これを実現した日本の創造力と技術力に感銘を受けた。五輪にふさわしい競技場だと確信している」と祝辞を述べた。

式典のトークセッションには世界ボートジュニア選手権大会(8月・同会場)の日本代表に選ばれている本学の島田隼輔選手(文理・1年、右から2人目)が登壇。「ボートの魅力はスピードを出して風を切る楽しさ。また、エイトでは一体感を出さないとなかなか前に進まないので、みんなで動きを揃えていく一体感もボートならではです」とコメント。

島田選手(右から2人目)を含むU19日本代表男子クオドルプルのクルーは、単独で2000mのデモンストレーションレースを披露した。

セレモニー終了後、完成記念レガッタが始まった。ボートの魅力を世間一般に広くアピールすることを目的とした今回のレガッタには、小学生から80代の方まで幅広い年代の選手が参加した全33レースが行われた。その中でも話題となっていたのが、イギリスから招待されたオックスフォード大学とケンブリッジ大学のOBチーム。英国伝統の対抗戦を繰り広げる両校だが、OBと言えどオックスフォードのクルーにはリオ五輪の金メダリストもいて、その実力は折り紙付き。実際、第7レースの500m大学対抗エイトでは、日本の大学チームを大きく引き離して、オックスフォードとケンブリッジでワンツーフィニッシュを決めていた。

そして、スタンドを埋める観衆の最大の関心は、最終レースとなる2000m大学対抗エイト。本命と目される英国2校に対し、昨年のインカレチャンピオンとしての誇りを懸けて臨む本学をはじめ、仙台大学、一橋大学、中央大学の国内強豪チームがどんな戦いを見せるのか。その趨勢が見守られていた。

38年振りに日本でレースを行った、オックスフォード大学(手前)とケンブリッジ大学(奥)のOBチーム。

強い日差しが残る中、15時33分、いよいよレースがスタート。本学のクルーは、ストローク・江本拓斗選手(法・4年)、7番・吉田拓人選手、(経・3年)、6番・瀬戸淳也選手(法・4年)、5番・高瀬稜真選手(スポーツ科学・4年)、4番・春名祐希選手(文理・3年)、3番・福井修聡選手(法・2年)、2番・鎌田拓弥選手(法・4年)、バウ・石原晶太選手(文理・4年)、コックス・三輪拓斗選手(法・3年)の9名。ゴール付近の観客席から彼らを視認できたのはレース中盤に差し掛かった750m地点だった。当初から予想されていた通り、英国の両校が先頭争いを繰り広げていた。しかし、予想外だったのは、そこに本学のクルーが食らいついていたことだ。観衆からはどよめきが起きた。そして、ここからさらにレースは思わぬ展開を見せる。

1000m付近、何かトラブルがあったのか、ケンブリッジ大が遅れ始め、先頭集団から脱落。さらに1200mを過ぎると、今度はオックスフォード大の伸びが止まり、順位を上げてきた中央大と本学が先頭を競り合う形となった。

中央大学(奥)と接戦を繰り広げる本学クルー(手前)。

レース終盤の残り500m地点、本学と中央大の激しいデッドヒートが繰り広げられ、オックスフォード大と仙台大が競り合いながら追いすがる。ラスト200mで本学が先頭。中央大も負けじとスパートをかけ、仙台大も3位の位置から猛チャージをかけるなど、予断を許さない状況は続く。しかし、本学はあと100mというところになっても、他の追随を許さない力強いローイングでリードを譲らない。最後は中央大に半艇身の差をつけてゴールし、5分45秒05の好タイムで1着となった。オックスフォード大は4位、ケンブリッジ大は最下位に終わった。会場は日本勢の活躍に沸き上がり、喜びを分かち合っていた。

本学が見せた序盤からの安定したレース運びと終盤のアタックは、海外勢とライバル校にその強さを証明するものとなった。前人未到のインカレ14連覇に向けて、今年も「王者日大」に抜かりはない。

会心の勝利に喜ぶクルー(中央)。

【江本拓斗選手】
今日のレースは、オックスフォード大学とケンブリッジ大学が出場するということで、海外選手の実力を生で体感するチャンスだと思い臨みました。
自分たちのレースプランは、前半と後半のタイム差を無くしつつ、終盤にどんどんアタックしていくイメージでしたが、1000m辺りで中央大学とオックスフォード大学に並んでいたので、レースプラン通り終盤の追い込みでなんとか勝つことができました。
新しい競技場は、多少風が気になりましたが、競技に支障が出るほどではなく、やりにくさをあまり感じることはありませんでした。
自分たちの目標は、9月の全日本大学選手権で14連覇すること。今回の勝利はその目標達成に向けて、良い流れを作る第一歩になったと思います。