2022716日(土)、日本大学危機管理学部工藤聡一ゼミナール(国際航空法)は、今年度前学期の研究テーマである航空セキュリティを実際的に理解する目的で、空港研修を実施しました。

新型コロナウイルス感染症流行前に、東京税関成田税関支署、千葉県警察本部成田国際空港警備隊、日本通運株式会社の協力の下、河本志朗ゼミナール(テロ対策)と合同で実施した2017年以来となります。


 成田国際空港会社元職員で、現千葉科学大学教授の柴田伊冊氏(航空法、航空マネジメント)の解説により、日本最大を誇る成田国際空港の第一ターミナル及び第三ターミナル(千葉県成田市)を視察し、日進月歩の空港セキュリティの現状を目にした後、航空科学知識の啓発、航空科学の振興、航空思想の普及の一大拠点である航空科学博物館(千葉県芝山町)に移って、「航空セキュリティの最前線~米国Quiet Skies問題からみえるもの~」と題するディベート形式の研究報告を行いました。

 


 同報告は、2018年夏に、米国の地方紙ボストングローブ紙がリークした、同国の航空保安機関TSAによる旅客の機内監視等を目的とした極秘プログラム「Quiet Skies」をとりあげ、プライバシー保護と、9.11同時多発テロ後一層重要度をますテロ対策強化との利益衝突の局面を考察するという内容。

担当したゼミナール3年生10名は、同館館長の郡司文夫氏、そして柴田教授からの講評を通じて、社会的背景を含めた航空セキュリティの今日使命と課題とを再確認でき、また普段の座学からだけでは感じ取りにくい現場の緊張感におおいに刺激をうけて、帰路につきました。