剣と法典 小ナポレオン 山田顕義
山田は、生粋の軍人である。後に司法界に入り、日本の近代法の祖とうたわれ、”法典伯”といわれた。本学、國學院の学祖・創立者として今なお多くの人に敬慕されている。祖父の兄・村田清風は明治維新の原動力となった人。山田はその偉業を継ぎ、新日本の夜明けを開くことに貢献した。また一面、漢詩人として優れた才能を発揮した文化人である。
山田の死は劇的である。生野の死は今なお死因に疑問が多い。古川さんの追求は厳しい。これまでのあいまいさを鋭くえぐったのが本書である。なぜ、朝倉長官が明治26年4月、依願退職したのか。本書の舌鋒は鋭い。
維新の山田の活躍ぶりはいうまでもないが、松下村塾での松陰との対話を通した師弟のあたたかい交流ぶりが読者の胸を打つ。函館戦争、法典論争-学祖の活躍ぶりは、日大人の誇りである。
書籍名 | 剣と法典 小ナポレオン 山田顕義 |
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著者名 | 古川薫・著 |
月号 | 1998年冬季号 No.74 |
価格 | 514円(税別) |
出版社情報 | 東京都千代田区紀尾井町3-23、文芸春秋社 |