大学ゴルフの国際大会、パンパシフィック大学ゴルフスーパーリーグが9月6日から8日まで札幌リージェントゴルフ倶楽部の旧コース※にて行われ、日本大学ゴルフ部男子が優勝、女子は8位で大会を終えた。
 男子個人では杉浦悠太(国際関係学部4年/福井工大附属)が3ラウンドのトータルスコア198で個人優勝、2位には隅内雅人(国際関係学部1年/水戸啓明)が入った。


※男子 7,063 Y 女子 6,337 Y(男女共にパー72)

  太平洋を囲む国々からアメリカ、中国、タイ、韓国の大学チームと日本の大学が参加したパンパシフィック大学ゴルフスーパーリーグ。各大学5名出場で、3ラウンドが行われ、各ラウンド上位4名のトータルスコアで争われる。
 日本大学ゴルフ部男子からは前週に国内男子下部のABEMAツアー、ダンロップフェニックストーナメントチャレンジでアマチュア史上8人目となる優勝を挙げた主将・杉浦悠太(国際関係学部4年/福井工大附属)、同大会1打差の2位に入った隅内雅人(国際関係学部1年/水戸啓明)、インカレ最優秀選手の出利葉太一郎(国際関係学部4年/沖学園)、北海道が地元の高橋遼羽(国際関係学部3年/札幌光星)、岩井光太(国際関係学部1年/埼玉栄)の5名でエントリー。

 初日は出利葉がアメリカ・サンノゼ州立大のC・コーパス選手と並んでトップタイとなるスコア65でチームを牽引、それに2打差で3位Tとなった杉浦らが続き、初日のチームトータルスコアを268とし2位に10打差をつけ、首位で好スタートを切った。

   試合前に杉浦が「日本大学チームの調子が良く、風も強いがどんどんスコアを伸ばしていきたい」と意気込んだ通り、2日目は隅内が8アンダーでスコア64とその日のトップスコアを叩き出すと、杉浦がそれに続き5アンダーのスコア67で回り、個人成績は初日のスコアを合わせ、隅内、杉浦、出利葉の3人がトップ3を占め、団体2位につけているライバル・東北福祉大との差は9打差でトップを維持する。 

   迎えた最終日は日本大、東北福祉大、サンノゼ州立大、明治大との上位4校が一緒の組で回る。
 この日は風が強く、安定したティーショットが求められる中、ハーフを終え杉浦の4アンダーの活躍もあり、この時点で4打差をつけ団体優勝を大きく手繰り寄せる。個人では隅内がハーフを終え3アンダー。個人優勝争いも杉浦、隅内が一打差で折り返し一騎打ちの後半へ。

  後半、INコースを回った選手のほとんどが強風に悩まされスコアを落とす中、驚異的なスコアを叩き出したのは男子最終組で回った主将の杉浦。後半も4アンダーで回り、この日トップの8アンダー、スコア64となり、隅内との2打差を逆転。日大対決を制した杉浦が個人優勝を掴んだ。隅内は前週の雪辱とはならなかったものの堂々の2位。団体では岩井が調子を上げ3アンダーのスコア69。高橋も1アンダーにまとめきり、この日のチームトータルスコアは全体トップの275。最終的に3日間のチームスコアを820とし、2位の東北福祉大との差を13まで広げ、見事団体優勝を飾った。

  女子は松永七海(国際関係学部2年/長崎日大)、平田妃希(国際関係学部4年/滝川第二)、永谷優(国際関係学部1年/日大一)、木村彩夏(国際関係学部3年/佐久長聖)、竹内麗花(国際関係学部4年/福井工大附属)の5名がエントリー。
 初日と2日目を7位につけ、巻き返しを狙ったが最終日は風に苦しみスコアを伸ばせず8位で大会を終えた。

国内の大学生にとって国際交流のまたとない機会となった大会

  大会の後援には公益財団法人日本ゴルフ協会のみならず、アメリカ大使館、タイ国政府観光庁が名を連ね、事前に行われた記者会見には全米ゴルフコーチ協会COOのダスティン・ロバーツ氏が出席。ロバーツ氏は本大会への協力と「今後アメリカ開催の大会にも日本のトップ大学を招待し大会を行いたい。今後スーパーリーグを通じ世界的な大学の試合を構築したい」と語り、プロで活躍する東北福祉大OBの蟬川泰果選手、日本大OBの堀川未来夢選手らも出席、そして東北福祉大OBの松山英樹選手がビデオメッセージを送るなど、大学からプロに行き日本ゴルフ界をけん引する選手らから歓迎の声が送られ、開催前から本大会の本気度が感じられた。

 海外勢はアメリカからサンノゼ州立大学、ハワイ・パシフィック大学、ウエスタン・カロライナ大学の3校、タイのチュラロンコン大学、中国の深圳大学、韓国の各大学に所属する選手による韓国合同チームの6チームが参加。
 慣れない環境の中、女子では初日8位だったウエスタン・カロライナ大学が追い上げ、最終日には4位まで順位を押し上げた他、女子個人でもトップ10に韓国合同チームから2選手が入った。男子でも初日にサンノゼ州立大学のC・コーパス選手がトップタイにつけるなど競技力の高さを見せた。

  また、各組4名ずつでラウンドを回る本大会はカートの使用が認められており、選手らがかわりがわりにカートを運転しコースを回る。海外勢も国内勢も一緒の組で回り、そこに通訳やチーム関係者はつかない。選手らが上手くコミュニケーションを図りながらラウンドを進めていく。
 初日は互いになれない環境のせいか、上手くコミュニケーションが取れてない印象があったが、二日目になると積極的に話しかける姿が見られた。カメラを向けられた海外選手が手を振ると、国内組もつられて笑顔で手を振り返すなど和やかな雰囲気に。最終日に至ってはホールアウト時のスキンシップや、試合後写真を撮り合うなど打ち解けあう姿が見られた。異なる国々からの大学チームが一堂に会し、ゴルフの腕前を競い合う姿は、国際的な友情とスポーツの魅力を体現するものだった。

  近年大学生が国内ツアーでも上位に入るなど、日本の大学ゴルフが目覚ましい成長を遂げている、その先にはアジア初のマスターズ優勝者である松山英樹選手(東北福祉大OB)らの姿があり、海外メジャー、オリンピック等の国際大会での活躍を見据え、「世界基準に近づけたい」と本大会運営の代表理事で日本大学ゴルフ部の和田光司監督が語る。次回大会からはNCAAディヴィジョン1の大学の参加等を見据えており、国内予選を経ての本戦出場となることが予想されることから、更なる競技レベルの向上が見込まれている。
 この大会が世界への登龍門となっていくことだろう。

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