第50回全日本大学選手権大会が9月6日から9月10日まで埼玉県戸田市の戸田ボートコースにて開催され、日本大学ボート部が3年連続29度目となる男子総合優勝を果たした。

 50回目の記念大会となる全日本大学選手権大会。前回大会では7種目中6種目で優勝し、2連覇を達成していた日本大学ボート部、今年の目標は全種目優勝での3連覇。

 今大会は台風の接近に伴い三日目の全レースが中止、これにより競漕日程が大幅に変更、準々決勝が廃止されるなど出場選手に大きな影響がでた。それでも大会二日目までにほとんどの種目で予選通過を決めた日本大学クルー。台風が過ぎ去った大会四日目から本格的な戦いが始まることとなった。

 四日目、唯一敗者復活に回っていた男子フォア、早朝のレースだったが、谷上日向(法学部3年・清風)、前田大和(スポーツ科学部3年・美方)、城戸真優(法学部4年・川内商工)、横山和輝(スポーツ科学部4年・酒田西)らが力漕しトップ通過となり、全種目準決勝進出を決める。
 その日行われた準決勝、1・2年生のみの若手メンバーで挑んだクォドルプルで松迫巧実(法学部2年・若狭東)、内角志穏(法学部1年・若狭東)、宮内陽色(法学部1年・関西)、森山煌心(経済学部1年・日田)らがスタートから力漕を続け1500mまでは3位につける。しかし、オールが乱れてしまい失速、残り500mで逆転を許し、4位で決勝進出を逃してしまう。全種目優勝という目標は叶わぬものとなったものの、他6種目では決勝進出を決め、3連覇に向け大きく前進した。

王者の意地を見せた日本大学クルー

 迎えた最終日、最初に出漕したのはシングルスカルに出場の菅原陸翔(スポーツ科学部3年・美方)。ここまで予選・準決勝とトップタイムで勝ち上がり、チームに流れをもたらしてきた。決勝、スタートから先行するのは日本体育大・北野上選手。そこに菅原が1秒差程でくらいついていく、スパートをかけた残り500mでも差は縮まらず、最後は離され、惜しくも2位となった。

 次に行われたのはダブルスカル決勝、日本大学から鷲田速人(スポーツ科学部2年・瀬田工業)、坂井洋友(法学部2年・関西)の2年生ペアが出場。準決勝では組1位で決勝進出を決めていた。スタートで遅れ500m地点で4位も、徐々にペースを上げ残り500mで2位、ラストスパートで2秒程縮めたが、届かず1秒差で2位。惜しくも優勝とはならなかった。

 続いて、同じ2人で行われる種目のペア決勝には椙山卓翔(経済学部3年・加茂)、今別府隼人(法学部3年・加茂)の3年生ペアが出場、今度はスタートから先行、そのまま2位に3秒近い差をつけ、チーム1種目目の優勝を決めた。椙山は「中学・高校と今別府とは一緒にやってきたので、二人で優勝が取れて良かった」と語る。

 舵手付きフォア決勝は氏原大舜(文理学部4年・浜松湖南)、林信壱(スポーツ科学部2年・加茂)、下重龍人(法学部2年・むつ工業)、鈴木柾希(法学部4年・浜松大平台)、八重樫弦(法学部1年・関西)らが出場、中盤まで競った展開だったものの、後半ペースを上げることが出来ず3位。敗者復活から決勝まで勝ち上がったフォアでは谷上、前田、城戸、横山が、再びの力漕を見せ後半ペースが乱れたものの4位に入った。
 唯一、決勝に上がることが出来なかったクォドルプルはB決勝(順位決定戦)に出場、決勝進出は逃したものの、B決勝トップでゴールし、最終順位は7位と意地を見せた。

 全体の最終競技となった男子エイト、出場大学の威信がかかる花形種目だ。日本大学からは4年生中心のメンバー構成で、今井東吉郎(スポーツ科学部4年・浦和商業)、中島広大(経済学部2年・日田)、田辺翔万(文理学部3年・美方)、宮口大誠(スポーツ科学部3年・瀬田工業)、総務の近藤成生(法学部4年・新田)、七野開生(経済学部4年・加茂)、西村颯介(スポーツ科学部4年・鹿屋工業)、主将の林大志朗(スポーツ科学部4年・西市)、小橋冬唯(法学部3年・関西)らが出場。スタートからペースを落とすことなく快漕、2位以下と3秒程の差を詰められることなくゴールし優勝。

 目指す全種目優勝とはならなかったものの、学校対抗得点で2位にダブルスコア近く差を付け29回目の総合優勝を決め、見事3連覇を達成した。

 台風による日程変更や、トラブルが多かった大会とチーム関係者が話すものの、終わって見れば大差をつけての総合3連覇達成。サポートに回った部員、マネージャー、スタッフと選手全員で苦難を乗り越え掴んだ優勝だった。

選手のコメント

主将・林大志朗(スポーツ科学部4年・西市)

今年の日本大学は、インカレでの全種目優勝を掲げ、この1年間日々の練習から日本一のスピードを求め、体から火の出るようなトレーニングを積んで来ました。
昨年のインカレでは、ほとんどの種目で優勝し、その大きなプレッシャーの中、選手たちはここまでよく頑張ってくれました。
結果として優勝が2種目ということで目標としていた全種目優勝には届きませんでしたが、5日間選手は最大限のパフォーマンスをし、一人ひとりがチームのために力漕してくれました。3年連続で総合優勝し、次の世代に繋げることが出来て良かったです。

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