10月14日(土)関東大学サッカーリーグ戦1部第17節の明治大学戦が日本大学アスレティックパーク稲城サッカー場にて行われた。日本大学サッカー部は、昨季リーグ戦優勝校である明治大学と打ち合いの末、3-5で敗れ、第12節ぶりの敗戦となった。順位を2つ落とし5位に後退した。(10月14日時点)

 ここ4試合、勝点を順調に積み上げ、前節では昨季総理大臣杯王者、アミノバイタル杯で大会史上初の連覇を成し遂げた国士舘大学に4-1で快勝した日本大学サッカー部。第17節の相手は、前期に0-0と引き分けている明治大学だ。第16節終了時点で明治大学との勝点差は1となっており、負ければ順位を落とす直接対決、負けられない一戦となる。

 日本大学のキックオフで試合が始まると、昨季王者を相手に果敢にゴールを目指して攻め込む。それでも最初のシュートチャンスを得たのは明治大学。DF伊達選手がゴール前に上げたボールをFW中村選手が頭で合わせるもゴール左。また、前半8分にはMF林選手が素早くボールを奪い、すぐさまミドルシュートを放つもGK有留奎斗(文理学部4年/四日市中央工業)が冷静にキャッチ。日本大学もMF植木颯(経済学部2年/日大藤沢)がゴールを狙うが、惜しくも枠外。キックオフから、お互いに探り合う時間が続く。

 前半20分、試合が動く。FW五木田季晋(スポーツ科学部1年/川崎フロンターレU18)が右サイドをドリブルで敵陣に運ぶと、相手DFを振り切りクロスを入れる。MF平賀禎大(文理学部3年/佐野日大)が反応して折り返し、最後はFW熊倉弘達(法学部3年/前橋育英)が押し込み、日本大学が先制点を奪う。

 この流れに乗って追加点を決めたい日本大学。追いつきたい明治大学もMF田中選手やMF林選手が立て続けにシュートを放つが、得点にはならず。両者譲らず試合はこのまま前半終了かと思いきや、前半39分明治大学DF伊達選手のロングボールをファジアーノ岡山加入予定のFW太田選手が抜け出すと、GK有留やDF青木駿人(法学部4年/日大藤沢)の連携ミスを逃さずゴールに流し込み、同点に追いつく。その後も明治の攻撃が続くが、日本大学はゴールを守り切り、1-1で前半が終了。

後半戦、試合は打ち合いに…

 後半は明治大学のキックオフで始まると、日本大学は積極的にボールを奪いに行き、チャンスを伺う。一瞬の隙を突かれ明治大学に攻められるが、GK有留が前に出てきてカバー。後半4分には日本大学がFKを獲得。何度かチャンスを作るものの、GK久保選手がキャッチ。その後も日本大学が攻める時間が続くが得点には繋がらない。明治大学も負けじと攻撃を仕掛けるが、4年生を中心とした日本大学の手堅い守備によってゴールを許さない。

 後半10分日本大学がCKを獲得。ここで得点し、何とか点差を開きたいところだ。
 FW熊倉(達)が蹴ったボールはニアサイドでクリアされるが、熊倉(達)が反応、DF栗田悠巨(スポーツ科学部4年/川崎フロンターレU-18)との華麗な連携プレーでゴールに迫り、再びネットを揺らし2点目を奪い2-1に。応援部員のもとに駆け寄り、喜びを爆発させた。

 ところが喜びも束の間、その5分後の後半14分、MF木内選手のシンプルなロングボールから背後に抜け出したFW中村選手からパスと繋ぎ、最後は再びFW太田選手が日本大学GK有留を冷静に見てゴールに流し込み2-2。明治大学がまたも同点に追いつく。

 流れを変えたい日本大学は、前節でゴールを決めたMF永田亮輔(経済学部3年/横浜FCユース)やFW平尾勇人(文理学部1年/四日市中央工業)を交代カードとして投入。

 しかし、ここから明治大学の勢いが止まらない。後半26分にサイドチェンジから一気にカウンター、DF内田選手、FW太田選手、FW中村選手とテンポよくボールを繋ぎ、3点目のゴール。その1分後の後半27分には同様のサイドチェンジからDF内田選手に繋がりクロスボール、FW太田選手がヘディングで合わせ2-4とする。連続失点で一気に流れを持っていかれた日本大学は早いうちに追いつきたいところ。

 後半29分、日本大学にチャンスが訪れる。ペナルティエリア内で果敢に仕掛けたMF永田が倒されPKを獲得、キッカーは第7節にPKで先制点を決めたFW五木田。右足を振り抜いたボールはネット中央に突き刺さり3-4と1点差に詰め寄る。

 この流れであと1点を取って、何とか同点で終わらせたい日本大学だったが、後半32分に痛恨のファウル。絶好の位置で明治大学に直接FKを与えてしまう。しかし、FW五木田の高身長を生かしたヘディングで守りCKへ。DF青木の力強い声かけもあり危ないシーンではあったが、全員で守りきり何とか試合を立て直す。

 しかし、その直後明治大学にボールを奪われ、またもFW太田選手とFW中村選手のコンビネーションで攻め込まれると後半34分にあっさり失点(3-5)。FW太田選手はハットトリックに加え、1アシスト、FW中村選手は1アシスト2ゴールと、関東リーグ1部得点ランキング1位、2位の実力を見せつけられた。

 試合時間残り10分。後がない日本大学は積極的に前線にボールを運ぶが、FC東京加入予定のDF岡選手や主将MF井上選手に跳ね返されてしまう。
 アディショナルタイムは5分。明治大学のベンチからは、「この時間から強いのが日本大学だぞ」という声も聞こえてくる。第14節の後半アディショナルタイムで大逆転をし、劇的勝利を収めた日本大学。まだまだ希望はある。チャンスを作ろうと果敢に敵陣へ攻め込むが明治大学の堅い守備により、なかなか点差を縮めることができない。何度かCKの機会を得るも、得点には繋がらず、そのまま3-5で試合が終了。

 両校合わせて8得点の打ち合いとなった激闘は敗戦。0-0で勝点1を分け合った前期とは異なり、勝点1も譲らないという明治大学の強い意志と昨季王者の実力に圧倒される試合となった。関東1部リーグの常連組との優勝争いに加わるためには、何が必要であったか、ここで見つめ直しておきたいところだ。他会場の結果により、日本大学は順位を2つ落とし、5位に転落。優勝争いからは一歩後退したものの、全日本大学選手権出場枠をかけて、日本大学の戦いは続く。

 次節は10月21日(土)14時からホームの日本大学アスレティックパーク稲城サッカー場にて第18節、中央大学戦が行われる。リーグ戦も残り5試合と終盤に差し掛かっている。
 昇格最初のシーズンは未知の戦いが続く日本大学は、ピッチ外の取組みに力を入れており、ピッチ内外問わずサブ、サポート、応援と全部員が一丸となり勝利を目指す。残り2試合となるホーム試合、ぜひとも会場に足を運んでいただき、日本大学の素晴らしい応援を全身で感じ、共に選手へ声援を送っていただきたい。

選手のコメント

どのような想いで試合に入ったか
チームが勝つため、それだけを考えて試合に臨みました。優勝するために絶対に落とせない試合でもあり、今年1番のターニングポイントとなる試合だったからこそ、自分がゴールを守り切るという強い気持ちで試合に臨みました。

結果を振り返って
試合を振り返って、前線が3点取ってくれているにも関わらず5失点と自分の不甲斐なさを感じました。ここ1番の試合だったからこそ勝てなかったことはとても残念です。

次節に向けて
優勝のために一つも落とすことはできません。チームの勝利のために全員が次節に向けて良い準備と強い気持ちを持って1週間取り組んでいきたいと思います。



文責:土井優七(法学部新聞学科2年)
画像:日本大学サッカー部 広報班

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