10月22日天皇杯ファイナルラウンド進出をかけた戦いが行われた。日本大学バレーボール部男子は関東Cグループで優勝を飾り、創部初のファイナルラウンド進出を決めた。

 本学の初戦、東京ガス・エコモ戦では下級生を中心としたBチームで挑んだ。「4年生と少しでも長くバレーをやりたい」と思いが先行してしまい緊張感走る場面もあったが、応援も相まって「チーム一つになって楽しむ」という気持ちでコートを駆け巡っていた。

 試合の終盤、勝負に大手がかかった頃、BチームはAチームへとバトンを繋いだ。交代の瞬間、「ここまで繋いでくれてありがとう、あとは任せろ。」と言わんばかりのプレーで勝利の一手を決めた。

 初戦は、高い技術力と若さ溢れる強いスパイクを見せセットカウント2-0(25-23,25-20)で次の試合に駒を進めた。

 本学の2戦目である大東文化大学戦は天皇杯ファイナルラウンドの出場権を懸けた大一番。より一層、チームの応援に熱が入る。そんな中、主力選手たちが気持ちの乗ったバレーを展開し、セットカウント2-0(25-21,25-14)で危なげなく天皇杯ファイナルラウンド進出を決めた。

 A・B両チームとも「このチームでもっと長くやりたい」という気持ちを試合にぶつけ合っている姿に、コートの側にいた我々は心を震わせた。

意識の変化

 本学の強みは全員レシーブができ、トスをあげ、スパイクを打てるチームであるということである。しかし、そのように6人全員がバランスの良いプレーを特徴とするチームには落とし穴があった。それは、ボールをお見合いする場面や、誰かがやってくれるだろうという責任転嫁する場面が増えるということだ。

 この傾向を感じ始めた今年の秋季リーグ、多くの壁にぶち当たった。この状況から脱出しようと「チームのために」という考えを意識付け、練習後のハイタッチなどでコミュニケーションを取る機会を増やすなどを行った。これが功を奏したのか、今回の天皇杯関東ブロック予選ではメンバーで集まりコミュニケーションをとる機会が多く、試合中もプレーを改善・強化させていた。

 また、コートに立つ選手以外も「チームのために」という意識でいつも以上に一丸となって応援していた。そして秋季リーグでの反省点を活かした今大会、天皇杯ファイナルラウンドの切符を初めて掴み取る事ができた。

“らしく”プレーを

  天皇杯ファイナルラウンド進出は、チーム史上初である。

 V1のチームも多く出場するいつもよりレベルの高い戦いが予想される。そんな中でも日本大学バレーボール部らしいプレーを展開し、競合チームにも引けを取らない活躍を目指す。

チームの注目選手 立原佑都

 チームの主力選手であり、またエースとして今年もチームを引っ張っている立原。そんな姿を主将・森垣は「力強いサーブ、スパイクだけでなく、技術の光るプレーは一級品だ」と述べていた。

 今では攻守ともにチームの要となっている立原だが、4年間側で見ていたアナリスト・西谷は「この4年間、彼が1番大きく成長したのではないか」と我々に話してくれた。プレー面の向上はもちろん言うまでもないが、最大の成長はプレー外での姿であった。

 それはエースとしての心意気である。試合に出られない人たちの気持ちを真正面から受け取り「皆の代表として責任を持ち、そしてエースとして勝利を掴む」という気合いが毎試合、一球一球丁寧にプレーしている姿からひしひしと感じることがでる。そして、この姿を見て我々は彼をエースと呼び、信頼しているのだ。

【一問一答】
主将・森垣から注目選手に選ばれた気持ちは
― この期待をプレーで見せられたらいいと思う。

立原選手から見ての主将・森垣の姿とは
― 1番チームのために頑張ってくれた、最高のキャプテン。

自身で考える自分のいちばんの強み
― どんな場面でも冷静に試合をみること。

チーム内での自分の役割
― チームを勝たせる

チームを一言で表すなら
― 「粘り」

天皇杯関東ブロックを終えて今の気持ち
― このチームで少しでも長くできることに感謝したい。

天皇杯の目標
― 一勝でも多く勝つ


意気込みをお願いします
― 初出場ですが、自分たちが1年間取り組んできたバレーの集大成としてこの環境で試合ができることに感謝して、上のカテゴリー相手に対して1点でも1setでも多く取れるように頑張ります。また学生として出場できる最後の大会となるので学生らしいフレッシュさを忘れずにプレーします。

天皇杯に向けて意気込み 主将・森垣陸

「初出場ですが、自分たちが1年間取り組んできたバレーの集大成としてこの環境で試合ができることに感謝して、上のカテゴリー相手に対して1点でも1setでも多く取れるように頑張ります。また学生として出場できる最後の大会となるので学生らしいフレッシュさを忘れずにプレーします。 」


写真・文責:日本大学バレーボール部広報担当

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