11月11日(土)、関東大学サッカーリーグ戦1部第21節の流通経済大学戦が行われた。日本大学サッカー部は、前期3-1で勝利を収めた流通経済大学を相手に、五木田季晋のゴールで先制すると、前半終了間際に再び五木田のゴールで2-0。後半も熊倉弘達のゴールで追加点を加えると、その後失点されることなく3-0で勝利、今季初のシーズンダブルを獲得。勝点3を積み上げ、20年ぶりの全日本大学サッカー選手権(インカレ)への出場が決定した。(11月11日時点)

 ここ4試合、敗戦やドローが続き、なかなか勝点を積み上げることができない日本大学サッカー部。第21節の相手は、前期にAGFフィールドにて3-1で勝利を収めたが、その後徐々に勝点を積み上げ、第19節終了時点で、既に全日本大学サッカー選手権出場が確定している流通経済大学だ。全日本大学サッカー選手権出場が確定した大学は4校、出場枠は残り2枠。日本大学サッカー部も勝利すれば、今節で出場が確定。何がなんでも勝って出場権を手にしたいところ。

 流通経済大学のキックオフで試合が始まり、なかなかボールを奪うことができない日本大学。その間最初チャンスメイクしたのは流通経済大学、MF中島選手がドリブルでペナルティエリアに侵入、倒されるもファウルの判定はない。その直後にもDF光廣選手がゴール前にボールを流し込むもタイミングが合わず。

 今度は日本大学、最初のシュートチャンスを得たのは、前期の流通経済大学戦で先制点を決めたMF西山蓮平(経済学部4年/前橋育英)。DF小林佑熙(スポーツ科学部4年/横浜FCユース)が上げた左サイドからのクロスに反応するも、流通経済大学のDF陣に阻まれる。その後、2回のCKを得るも、MF植木颯(経済学部2年/日大藤沢)のシュートは枠をとらえることができず。

 しかし、この攻撃を起点に日本大学は徐々に流れをつかみ、敵陣でプレーする時間が増える。前半12分FW五木田季晋(スポーツ科学部1年/川崎フロンターレU18)のシュートからCKを獲得。FW熊倉弘達(法学部3年/前橋育英)のボールをDF栗田悠巨(スポーツ科学部4年/川崎フロンターレU-18)が頭で合わせるも枠外。前半14分FW丸山喬大(経済学部4年/帝京長岡)のパスをMF平賀禎大(文理学部3年/佐野日大)がシュートで終わらせるが、こちらも枠外。なかなか得点には至らない。途中、流通経済大学から攻撃が仕掛けられる場面もあったが、DF青木駿人(法学部4年/日大藤沢)やGK木村凌也(スポーツ科学部2年/横浜F・マリノスユース)が冷静に対応し、なんとかその場をしのぐ。

 試合が動いたのは前半16分。MF橋田尚希(危機管理学部4年/JFAアカデミー福島U-18)が流通経済大学からボールを奪うと、ドリブルで運び、MF西山に。右サイドからカットインし、クロスを上げるとFW五木田が左足で反応。ゴール左上に突き刺さり、先制することに成功。

 この流れに乗って追加点を取りたい日本大学は、果敢に圧力をかける。FW丸山、MF西山と繋ぎ、FW五木田やDF栗田がクロスを上げようと試みるも、流通経済大学DF陣がそれを許してはくれない。
 その流通経済大学も負けじと一瞬の隙をつき、ボールを奪うとMF松永選手がドリブルで攻め込み、キャプテンのFW宮田選手がサイドに流す。DF田村選手がクロスボールを上げるもうまく合わず。日本大学としてはこのピンチをしのぎ切った。

 ピンチの後、日本大学に再びチャンスが訪れる。前半42分、アグレッシブな守備から前線でMF植木が相手GKのパスをカットし、FW五木田へ。今度は右足で冷静にゴール中央に決めきり2-0。貴重な追加点を得たところで前半が終了。

20年ぶりの大学選手権出場をかけた後半

 後半も前線からのハイプレスで積極的に得点のチャンスを狙う日本大学だったが、後半10分。流通経済大学DF根本選手からのロングボールをMF中島選手が繋ぎ、最後はDF西川選手がシュート。決定機かと思われたが、GK木村がビッグセーブ。こぼれ球を流通経済大学FW宮田選手が狙うも、これは枠外。この場面でも日本大学がピンチを凌ぎ切る。

 その直後、後半12分。相手GKからボールを奪うと、MF橋田がスルーパスを送る。抜け出したFW熊倉(達)が最後は決め切り、追加点を奪い3-0。

 得点後も主導権を握り、ボールを保持する時間を増やす日本大学。当日は気温14℃と、11月に入り急激に気温が下がっていたが、それとは逆に熱い試合展開が続く。日本大学の応援団からは“みんなでインカレ行こうぜ”との声援が聞こえてくる。試合時間も残り10分。インカレ出場が現実味を帯びてきた。ここで、日本大学はFW佐藤誠也(文理学部4年/関東第一)を投入し、更なる追加点を狙う。

 互いにいいプレーが見られるも得点にはつながらず。日本大学はさらに選手を投入、DF津田向陽(スポーツ科学部3年/久御山)、FW平尾勇人(文理学部1年/四日市中央工業)、そして今シーズンのチームを支え続けた日大の主将MF阿部夏己(法学部4年/徳島市立)だ。DF青木からMF阿部にキャプテンマークがわたり、右腕に巻かれる。

 試合が再開し、アディショナルタイムに突入。最後まで日本大学の攻撃は止まらない。後半45+1分、MF阿部からのスルーパスにFW佐藤が追いつき、切り返してシュートを狙うが流通経済大学MF松永選手にブロックされてしまう。その2分後、後半45+3分、MF佐藤がゴール前にボールを上げると、MF西山が頭で合わせる。決定的なシーンは枠を捉えたかと思われたが、惜しくも枠をとらえることができず、そのまま試合終了のホイッスルが鳴り響いた。
 最後まで果敢に相手ゴールを目指し、自陣ゴールを守り抜いて無失点の3-0で勝利。この結果により、日本大学は20年ぶりに全日本大学サッカー選手権への出場を決めた。

 次節は11月18日(土)14時から神奈川県立保土ヶ谷公園サッカー場にて、最終節の第22節、桐蔭横浜大学戦が行われる。昨シーズンの全日本大学サッカー選手権チャンピオン相手に、リーグ最終節を勝利で飾れるようチーム一丸となり全力で戦う。是非とも会場に足を運んでいただき、ホーム最終節を応援部員と共に盛り上げていただきたい。

 今シーズン、日本大学サッカー部は関東1部リーグにチャレンジの場を移すと同時にチーム作りに注力した。Iリーグチーム(1・2年生)は2位通過で全国大会出場を決めた。また、社会人チーム(3・4年生)は東京都社会人リーグを3位通過し、関東社会人サッカー大会に出場。準決勝まで勝ち進んでおり、次の勝利で関東2部リーグ昇格が決まる。全部員に出場機会を与えたいというスタッフの想いと、各カテゴリーで結果を残してトップチームに昇格したいという選手達の想いが全カテゴリーの結果に表れた形となった。

 まだまだ発展途上のチームである。今シーズンの残された時間、2部リーグでの残留争い、1部リーグへの昇格と、様々な経験を積んだ4年生達が後輩達にどのようにつないで行くのか。日本大学サッカー部の今後の躍進から目が離せない。

選手のコメント

第9節ぶりにスタートでの出場&先制点に貢献したMF西山蓮平(経済学部4年/前橋育英)

どのような想いで試合に入ったか
 チームとして、インカレを決めると言う気持ちは大いにありましたが、まずは流通経済大学さんに勝つと言う気持ちであったり、日大への愛を表現する。そう言った思いでチーム全体が気持ちを入れて試合に入りました。
 個人的には、久しぶりのスタートでの出場で緊張もありましたが、欲を出すと言うより、チームのためにと言う気持ちが強かったです。

結果を振り返って
 前半いい形でボールを受けることができて、結果的にアシストをすることができたのはすごく嬉しかったですが、決められるチャンスも多々あったので、決め切らないといけないと思います。
 チームとしては90分間を通して日大らしいサッカーを続けることができ、全員が集中を切らさず最後まで走り続けたことが結果に繋がったと思います。

次節に向けて
 次節は最終節ということで、4年生は最後のリーグ戦となります。今まで積み重ねてきたことを存分に発揮し、いい形でインカレに繋げたいと思います。




文責:土井優七(法学部新聞学科2年)
画像:日本大学サッカー部 広報班

ニュース一覧へ