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重量挙 糸数 陽一選手

リオ五輪では表彰台まであと3kg届かなかった。その悔しさを糧に過ごした5年間、量より質の練習に取り組んできた糸数選手。自信を身につけ2度目の舞台に立つ。

 

 

リオ五輪は初めての五輪だったので「楽しもう」「8位入賞できたら良いな」という気持ちで大会に挑み、すべての試技に成功しましたがメダルを獲得できませんでした。その悔しさは日に日に強くなっていき、さらなる高みを目指して以前にも増してトレーニングに励みました。身体が悲鳴をあげていてもいじめ抜いてやった結果、世界選手権やアジア選手権などでメダルを獲得できましたが、今思えばもっと考えてトレーニングを行っていたら、怪我もなく記録をさらに伸ばせていたかもしれないと思います。


新型コロナウイルスの影響で、初めてバーベルから離れる日々を経験しましたが、自重トレーニングや体幹トレーニングなどで筋力を落とさないように心掛けました。また、トレーニングも限られた時間の中で“量より質"を重視し、短い時間で今まで以上に頭を使ってトレーニングを行い、より洗練された動きを求めてきました。


人生の半分をウエイトリフティングと共に歩んできましたが、その中でたくさんの方に出会い、応援やサポートをしていただきました。その方々への恩返しの場として、東京五輪は最高の舞台だと思います。「楽しむ」ことを忘れずに「メダル獲得」という新たな目標を持って臨み、自分自身の最高のパフォーマンスを届けられるように頑張ります。

Profile

Yoichi ITOKAZU ​[いとかず・よういち]

1991年生まれ。沖縄県出身。沖縄県立豊見城高卒。2013年文理学部卒。警視庁所属。高校2年・3年時に国体、全国高校選抜、高校総体の3冠。大学3年時は1kg差でʼ12年ロンドン五輪出場を逃す。ʼ16年リオ五輪は62kg級代表をつかみ、スナッチ、クリーン&ジャーク、トータルで日本記録を更新するも3kg差で4位。ʼ17年世界選手権で2位となり日本男子36年ぶりのメダルを獲得。'21年4月のアジア選手権は3位。五輪ランキング条件を満たして2大会連続の五輪代表に選出された。