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スケートボード 平野 歩夢選手

冬季五輪2大会連続銀メダリストが目指すのは、二刀流で挑む日本史上初の夏冬五輪でのメダル。ブレない気持ちと覚悟を持って「誰もやっていないことへの挑戦」が始まる。

スケートボード 平野 歩夢選手

「スケートボートとスノーボード、どちらも簡単な戦いではありませんが、どちらかと言えば難しいのはスケートボードですかね」という平野選手。競技を“自分自身との勝負”と位置付けているというが「ただ単に勝ち負けという軸で判断はしていません。これからも両方続けていくので、瞬間的な勝った、負けたという話ではないと思っています」。

4月のスノーボード全日本選手権を戦うために、スケートから離れる期間があったので、感覚を取り戻すのに時間も掛かりましたし、Dew Tourは十分な練習時間を取れずに臨んだ大会だったので、不安がある中での挑戦でした。しかし、東京五輪出場が決まり、スノーボード、スケートボードの両方を表現する上で、そのスタートまでは来れたと感じています。今はそこから先の調整を続けていこうという段階です。


スケートボードの難しい点は、毎回パークの設計が違うのでセクションのアイテムが変わる点です。既にできる技でも、会場のアイテムによってはできないということが発生しますが、そうした難しい状況もパフォーマンスの中でプラスに働いているという感覚を持てるのは、自分自身進歩したと感じます。


東京五輪のパークコースは、今までで一番大きいセクションではないかと思っています。パフォーマンスのイメージはしていますが、イメージ通りにいくかどうかはとても難しくて分からないですね。それでも、スノーボーダーとして五輪のスケートボードで戦う姿を多くの人に見てもらいたいし、限られた時間の中で積み上げてきたものをしっかり表現できれば良いなと思っています。

Profile

Ayumu HIRANO ​[ひらの・あゆむ]

1998年生まれ。新潟県出身。開志国際高卒。2020年スポーツ科学部卒。TOKIOインカラミ所属。'14年ソチ五輪、'18年平昌五輪でハーフパイプ2大会連続銀メダルを獲得。以降はスケートボードでの東京五輪出場を目指して活動し、スノボ同様の高い空中技などを武器に'19年日本選手権優勝。国際大会でも着実にポイントを積み重ね、'21年5月の「デュー・ツアー」の結果で世界ランキング日本勢トップとなり、史上5人目となる夏冬五輪出場を決めた。