付属高のメリットを生かし進学相談会を開催 理工系学部の出張授業講義も初めて実施

日本大学櫻丘高等学校

付属校
2021年08月03日

本学の付属高ではそのメリットを生かし、高大連携の一環として学部の講義を履修して単位を認定したり、学部で授業や実験を体験したりするほかに、各高校を会場にして学部の入試担当者を招き、進学相談会を実施するなど関係を深めている。

コロナ禍で多くの進学相談会がオンラインに変更となるなか、櫻丘高等学校では、感染対策に十分配慮しながら、2021年7月19、20日の午前10時から午後4時まで同校の生徒会館1階生徒ホールで本学16学部を招き、進学相談会を対面で開催した(一部の学部はオンラインで参加)。

三者面談と並行して開催

両日ともに1~3年生までが先生、保護者、生徒による三者面談を並行開催しており、付属高であるメリットを生かして大学の内容を知る貴重な機会となる。会場は午前10時から、相談者でいっぱいになった。

大木校長自らも相談に応じる

大木校長自らも相談に応じる

同校の大木治久校長は、「本学の多彩な学部のなかで進路先とのミスマッチが起きないようにすること。そして、高校での勉強のモチベーションが上がるということが、この進学相談会の利点である」と話す。三者面談と並行して進学相談することで、1年生は日本大学にさまざまな学問分野があることを知る。また2年生は大学の入試担当者の話を直に聞くことで、大学での学びのイメージを掴む。3年生は、いよいよ自身の進む方向を定め、最終的な追い込みへと気持ちを高めていく。単に学問分野だけでなく、その後の就職にもどのように学部の学びが結びつくのか、各学部によってどんな資格試験に対応しているのかなどを知る絶好の機会だ。

保護者も生徒も満足

進学相談会

進学相談会の様子

3年の男子生徒は「パンフレットでは知ることができない詳しい話を聞くことができました。ホームページには研究室の情報が載っているそうで、それを読んだらもっと詳しい内容が分かるよ、と言われました。早速帰ったら探してみます」。

別の3年の男子生徒は「生物資源科学部の食品ビジネス学科か食品生命学科か迷っていましたが、食品ビジネス学科の方が文系的であり、食品生命学科は理系で、食品ができるまでのさまざまな勉強をするという、違いが分かりました。僕の興味は生命のようです。進学相談会に参加することで、とてもやる気がわきました」と刺激を受けたようだ。

オンラインでも実施

オンラインでも実施

ある保護者は「普段、息子と進路について語り合うことはないのですが、学部の先生との会話を通じて、子供の興味がどこにあるのか知ることもできますし、そうした利点もあるかと思います」。

生徒や保護者の相談にあたっていた生産工学部の入試担当教員は「高校での進学相談会はとてもありがたい。直に進学希望者の希望を聞くことができるし、生徒たちの学部に対するニーズを知ることができる。今後もこうした機会は積極的に参加していきたい」と話す。

芸術学部の入試担当職員は「一般入試も含め、櫻丘高生徒の芸術学部への入学は非常に多く、また優秀だ。専願だからモチベーションも高い。(選抜では)実技試験もあるので説明をきちんと聞いてもらうことができる」。

今回コロナ禍等の事情で残念ながらオンライン参加となった学部にも相談者が集まった。国際関係学部の入試担当者もこうした機会は貴重なものだと語る。

というように、それぞれの学年で大学に触れることによって、保護者も日本大学に対する理解を深め、生徒たちも自分の学びたいことや進路をクリアにする。学部の担当者も熱心な希望者を前に、自身の学部良さや、求められているものに気づく、いいきっかけになっている。

理工系学部の出張授業も初開催

櫻丘高校はさらに今年度から理工系学部の出張授業講義を7月29、30日の2日間、2年生の理系生徒の希望者を対象に同校の実験室や教室を使用して出張授業を初めて開催し、29日は114人、30日は111人の生徒が参加した。

1、2時限とありそれぞれ75分と高校の授業時間よりも少し長い。1日、2講座受講することも可能で、文理学部の地球科学科、化学科、理工学部の物理学科、生物資源科学部の動物資源科学科、応用生物科学科、食品生命学科が参加し、「光の性質」「超電導」「素粒子」「植物」「バイオ」「アレルギー」などさまざまな分野の講義が提供された。

今回の開催について、「本校で推進する櫻イノベーションセカンドステージの一環として、体験型高大連携教育×サイエンスリテラシ―をその柱の一つとして掲げているが、この取り組みはその第一弾として実施する。生徒の理科への興味を持ってもらうこと、課題に対する解決策を思考することで、これからの予測困難な時代を生きる力を養うひとつのきっかけとなることを期待する。」と同校の大木校長は語っている。