「面倒見の良い愛情基本の教育」が最大の特色だ

長崎日本大学中学校の校舎は、一貫教育を行う高等学校とともに、諫早湾を望む高台に位置する。
「当校の最大の特色は『面倒見の良い愛情基本の教育』。これをベースに『世界と未来社会に貢献できる若者』『真の国際人』の育成を目指しています」と口を開くのは池内一郎校長。実現に向けて常に教育内容を進化させているという。

英語重視の教育

同校を語る上で欠かせないのが、英語重視の教育だ。「地方の私立学校は尖った特徴がないと埋没してしまう。英語教育はその切り札」と池内校長は語る。

現在、英語は公立中の倍にあたる週8時間の授業を行い、うち2時間は外国人教師による英会話に当てている。

英語重視の象徴が、総合的な学習の時間を当てて取り組んでいる「GEP(グローバル エデュケーション プロジェクト)」と呼ばれる独自の教育プログラムだ。段階的に生きた英語力を育成するのが狙いで、例えば1年生では、1日英語だけを使用する「イングリッシュワンデイ」や、3月の発表に向けて台本はもちろん衣装、道具も自分たちで作る英語創作劇に取り組む。

今井愼一郎教頭は「単なる英語力だけでなく、コミュニケーションやディスカッション等を通して世界とのつながりを築く土台を創ることを目指しています」と狙いを語る。

一方、英語に力を入れる中で再認識したのが、日本語力と論理的思考の重要性だ。「ベースの日本語がきちんとしていないと英語も伸びていかない」(池内校長)。そこで導入したのが日本語の読解力や表現力を高める「言語技術」の授業だ。言語技術の研修を受けた教員が担当。同授業を取り入れている中学校は九州で唯一という。


九州の中学で唯一という「言語技術」の授業

確かな成果

こうしたGEPを中心にしたプログラムをさらに完成度の高いものにするために始めたのが「CAT(コミュニケイティブ・アビリティ・トゥ・テイクオフ)プロジェクト」だ。旗振り役の副嶋直美教諭は「一言でいうと『伝える力』を付ける取り組み。的確な発信力がないと、せっかくの英語力や論理的思考が十分に生かされない」と語る。

授業のほか、高校の探究につながる中学課程修了研究発表会や学術成果を発表するスーパーサイエンスレクチャー等、日常の学びや生活の中に発信する機会を数多く提供、生徒自身が伝える力を意識することに心を砕いている。

これら独自の教育プログラムは生徒たちに確かな成果をもたらしている。「卒業生たちは大学で他校出身の生徒が苦戦するようなプレゼンや研究発表をスムースにこなしている」(池内校長)。単なる学力だけでなくコミュニケーション能力やICTスキル、そして物おじしない姿勢が身についているため、大学で高い評価を得ているという。

入学希望者の増加にも直結している。かつては1学年60人に満たない時期もあったが、今では100人超。きょうだい、親子2代のほか、他校教員の子息が入学するケースも増えているという。

海外留学拡充も

池内校長はさらなる進化の構想を胸に温めている。現在、ターム留学と呼ばれる2カ月間程度の海外留学を3年生の希望者に行っているが、さらに多くの生徒を海外留学させ、将来的には1年間の海外留学を可能にしたいという。「多様な経験を通して生徒に『自分もできる』という自信を付けてもらいたい。生徒が輝ける機会を創出することが我々学校の最大の務めと思っています」と話している。

(日本大学広報 令和7年10月号)