リニューアルした新校舎のコンセプトは「児童にやさしい、歴史にやさしい、環境にやさしい」
「6歳から12歳の子どもたちに『学校は楽しい』と感じてもらう教育が第一と考えています。この思いを形にした新校舎が、いよいよ完成しました」。今年で就任7年目を迎える寺山光雄校長はこう切り出す。
創立40周年事業
創立40周年記念事業の目玉として、昨年初頭から着手していた校舎の大規模リニューアル工事が終了し、9月から新校舎での授業が始まった。新校舎のコンセプトは「児童にやさしい、歴史にやさしい、環境にやさしい」で、何より驚くのは、広くて明るい空間を実現している点だ。
小中学校の通常教室の面積は平均64平方㍍だが、新校舎の教室は4割近く広い88平方㍍を確保。ゆったりとした開放的な空間なので、授業に応じて机や椅子のレイアウト等もフレキシブルに変更できる。新設部分としてウッドデッキやテラス等を設けたほか、ホールなどの共用部分にはベンチを多く設置し、学年を問わずにコミュニケーションが取れるような工夫も随所に取り入れた。
また、各教室には86㌅の大型電子黒板を導入し、児童の持つタブレット端末とリンクさせて図表や動画等を使った授業も実現。その一方でデジタル一辺倒ではなく、黒板とチョークを使った従来のアナログ学習も重視する。坂田光章教頭は「先進技術をふんだんに取り入れながら、従来の黒板を使った授業とのハイブリッド型で、児童の可能性を伸ばす挑戦を続けています」と話す。

各教室には86㌅の大型電子黒板を導入し、黒板とのハイブリッド体制を構築
不登校・長期欠席ゼロ
寺山校長は「もっとも『学校が楽しい』背景には、日本大学の付属校として中高大に安定して進学できる環境があります。子供たちは将来の進路を長期的に見通すことができ、日々の学校生活をのびのび安心して楽しめます」と語る。現在、同校には約400人の児童がいるが、不登校や長期欠席の児童が一人もいないという。教員たちが児童一人一人に丁寧に向き合っている証左と言っていいかもしれない。
付属校の強みを最大限生かした連携教育も見逃せない。近隣の日大各学部(理工学部、生産工学部、薬学部、松戸歯学部)と連携し、多彩な教育プログラムを実施している。
例えば、理工学部では実験教室やプラズマなどの設備見学、薬学部では珍しい草花に触れられる薬草園見学、松戸歯学部とは顎の力を鍛えるための研究協力など、専門的な学問に触れる機会が豊富に用意されている。寺山校長は「驚きや発見、そこから生まれる知的好奇心をますます伸長させ、進学を含めた未来の扉を大きく開く取り組みです。可能なら他の学部とも連携したい」と強調する。
校長発案の発表会
子どもたちの可能性を伸ばす最近の動きとして特筆すべきなのは、毎月の全校朝礼時に始めた「コミュニケーション&プレゼンテーション・チャレンジ(CPC)」と呼ばれる取り組みだ。これは、ステージ上でマイクを使い、全校児童の前で自分の考えを1分間発表するというもので、事前にテーマを設定したり、当日に突然テーマを振ったりやり方はさまざま。当初、戸惑っていた子どもたちも今では積極的に手を挙げるようになり、1年間に約100人の児童が発言したという。
発案した寺山校長は 「コミュニケーション能力とプレゼン能力は社会で必須の能力になっています。子どもたちには自己主張する勇気や発信力を養ってもらいたい」と狙いを語る。
(日本大学広報 令和7年9月号)