コンペ受賞経験を経て、イメージの具現化と自分らしさの表現を考える
建築への思いが強まった作品づくり
2年次生の今期は多数の建築設計コンペに参加しました。中でも思い出深いのが、東京都台東区谷中の住宅を設計する課題で制作した「屋中荘」です。谷中は下町情緒の残る街で、近隣にはギャラリーやアトリエが点在する美術文化の発信地でもあるため、アートと街の魅力を融合させた住宅を構想しました。現地を訪れ、街の空気感やアートがどう街に寄与しているのかを調査。街や人とつながるパブリックアートの空間と、自分中心のプライベートアートの空間の2面性を持たせる設計をしました。この作品で「建築学縁祭~Rookie選」において審査員賞(山﨑健太郎賞)、学内の総合講評会(スーパージュリー)でも最優秀賞をいただいています。同じ作品でも人によって評価はさまざまで、感性やニーズの多様さを再認識しました。いろいろな意見がある中でも、偉大な建築家から「審査員賞」という評価いただけたことがとても嬉しく、今後もさらに頑張りたいと気持ちを新たにしました。

人との関わりを通して着想の幅を広げる
作品作りにおいて意識しているのは、イメージの具体化と自分らしさの理解です。まずは頭の中の考えを形にするため、ドローイングやCGを使って繰り返し自分のイメージを描き出し、精度を高めるようにしています。また、地域で開催されているイベントや建築家の方の講演会に参加して、人の意見を聞くことも大切にしています。建築だけでなく、まちづくりや都市開発など、幅広く人々の営みに目を向けていると、会話の中から困りごとやニーズを拾うことができ、それがアイデアにつながることも。人とのつながりを大切にし、一人ひとりと寄り向き合って考えることを心がけています。
自分らしさを強みに、誰もが知る代表作を生み出したい
作品作りを支えてくれる最適な環境
日本大学では、課題ごとに設定された講評会や学年をまたいだ総合講評会など、制作段階から評価を受ける機会があり、創意工夫をする上で非常に役立っています。施設設備の良さは制作活動をする上で重要な要素です。学内の清潔で快適なトイレはイメージをリセットしたい時に使用すると、新たなアイデアがひらめくこともある重要な空間=『インスピレーションの泉』だと考えています。建築物において、誰もが日々利用するトイレは意外と重要な役割を果たしていると感じ、どんな施設に行ってもその快適性を注視するようになりました。そしてもちろん、日々ともに切磋琢磨してくれる仲間や、親身に指導してくださる講師の方々の影響も大きいと感じています。

建築を通して自分にしかできない課題解決を目指す
これまでの作品作りを通して、強みと弱みは表裏一体であると日々実感しています。自分の作りたいものにフォーカスするだけでなく、課題やニーズに対して自分らしさが強みになるような表現ができるよう精進しています。最終的な目標は、「丸山礼人といえば『この建築』」といわれる象徴的な作品を作ることです。歴史に名を残す有名な建築家のひとりとして数えられるような、存在感のある建築家を目指しています。

自主創造の歩み
建築模型を通した“自分らしい表現”に興味が湧く
幼少期はスポーツ少年だった一方、風景画を描くのが好きという一面も。高校2年生の頃に建築模型の美しさに惹かれ、自分なら建築を通してどんな表現ができるだろうと興味を持つ。
「建築学縁祭2024 Rookie選」で審査員賞を受賞
授業で制作した設計課題「屋中荘」が、首都圏の建築を学ぶ学生を対象とした設計課題コンペで山﨑健太郎賞を受賞。誰かに選んでもらえたという喜びから、建築学への意欲がさらに強まる。
スーパージュリー総合講評会にて最優秀賞受賞
学内の学年を超えた課題講評会で最優秀賞に選ばれる。学外の建築家の方から直接講評を受けられたり、受賞をきっかけに先輩が話しかけてくれたりと、自らの知識にはない見解をたくさん吸収する。
将来は「丸山作品といえばこれ」といわれる建築物を作りたい
今後もいろいろな作品作りに挑戦し、その一つひとつと向き合いながら、オリジナリティを表現できる作風を確立させていきたいと意気込む。