留学・国際交流

高麗大学校 高山愛之さん(経済学部)

高麗大学校交換留学報告書

留学の目的

私には【世界中にニッポンファンを作る】という夢があり、ドラマなどのエンタメを通して日本の魅力を世界中に発信することで、その夢を実現させたいと考えている。そのために私は、ドラマや映画、K-popで世界的ヒットを連発する韓国への留学を決意し、韓国エンタメコンテンツの国際競争力の高さの秘訣や世界中にファンダムを形成する戦略を研究した。実際、高麗大学校では主にメディア学部の授業を履修し、自らのメディアやエンタメに関する知識を深めた。

留学中に学んだこと

私が1年間の留学で特に注力した分野は、NetflixなどのグローバルOTTサービスと韓国のドラマ制作会社の関係やIP(知的財産権)の所有権問題についてである。世界的ヒットを量産している韓国でさえも、NetflixとのIPを巡る権利の問題や国内マーケット小ささ故の課題に直面している現状を知り、それらの問題にどのように対処し、コンテンツの魅力とドラマビジネスを両立させているのかを紐解いた。具体的には、制作会社とテレビ局がIPを保持しつつ世界的ヒットを実現させた、韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」などの分析や様々な論文を通し、これから韓国のドラマ業界がどのようにして人材や収益の国外流出を防ぎながら世界で勝つコンテンツを制作していこうとしているのかを探っていった。またwebtoonを活用したドラマ制作など、新たなエンタメビジネスのモデルも学び、日本のドラマ業界、エンタメ業界でも活用できる手法を学んだ。

課外活動

また、講義以外の課外活動にも積極的に取り組んだ。留学生が自国の文化を発信し、国際交流を図るイベント「International Student Festival」では、我々日本チームは当時、韓国の若者の間で流行していたJ-popを使用したダンスショーやたこ焼き、輪投げなどの露店の出典を行い、見事、最優秀賞を受賞した。聯合ニュースなどの韓国の主要メディアに取材されたり、大学のHPのトップにも掲載されたりするなど、有終の美を飾ることができた。

人との繋がりを実感した経験

留学では人との繋がりを意識する場面が非常に多かった。韓国の大学の授業では、팀플(ティンプル)と呼ばれる、いわゆるプレゼンなどのチームプロジェクトが多く、4、5人に学生と長い期間をかけて1つのプロジェクトや課題に向けて取り組む。そこでは必然的に外国語(私の場合は英語と韓国語)を使って意見を交換し、作業を進める必要があった。留学当初は自分の意見を相手に伝えるどころか、意見を持つことすら難しかった。しかし発言しないとあたかも自分がそこに存在していないような扱いをされてしまうこともあり、自分の考えを言葉にして共有することの大切さを学んだ。そして私はこの팀플を通じて、現地の韓国人の学生や同じく海外から来た留学生と交流を深めることができた。レクチャー型の授業ではなかなか授業内で友人を作ることが難しいため、この팀플の良さは、同じような志を持った学生と親しくなれるところにあると思う。
また学外の繋がりといった意味では、私は現地でしか築くことのできない人脈は積極的に築くべきだと実感した。私は留学当初から多くの人と会うこと、仲良くなることを心がけており、特にメディア業界や在韓日本人との繋がりを大切にしてきた。日本のキー局のソウル支局長の方や韓国支社の代表の方、日韓交流会を主催されている方など、多くの優秀な方とお会いすることができた。中でも、偶然同じ会食に居合わせたソウルの大学で教授をなさっている男性は、日本大学のOBで、現在も本学のためにご尽力くださっている大先輩で、その奇跡的な出会いに感動すると同時に、この世界の小ささ、繋がりを持つことの大切さを実感した。

留学中の困難

留学期間中は韓国特有の困難にも多く遭遇した。まず私は留学当初、韓国語が堪能ではなかったため、レストランでの注文やお店でのお会計が上手くできず、また韓国の飲食店は基本的に二人以上で行くことが普通で、1人での入店は厳しいところも多いため、暫くはキオスク端末で注文できるファストフード店やコンビニの食事ばかり食べていた。語学留学ではなかったものの、生きるための韓国語の必要性に気づき、必死に勉強を開始した。 また、当時は宗教関連で日韓の間で様々な摩擦や軋轢が起きている時期だったため、デモに巻き込まれそうになったことや、日本人差別を受けるようなことも稀にあった。基本的に韓国の方々は非常に暖かく、特に学生にはお店でサービスをしてくれるなど、心温まるエピソードが多かったため、日韓関係の良し悪しに学生レベルで敏感になる必要はないが、政治的、歴史的な側面を垣間見ることもあり、非常に良い経験になった。 そして2022年10月29日の夜中に発生した梨泰院の雑踏事故は、家からそこまで遠くない場所で発生し、実際に現場を訪れるとその事故の悲惨さを目の当たりにし、命の尊さと危うさを痛感し、危機管理などについて深く考えさせられた。

韓国留学の魅力

どうしても留学と聞くと、アメリカやカナダ、欧州をイメージすることが多いが、私は韓国留学の素晴らしさをここに記したい。①まず、地理的に近く文化の面でも近いことから、カルチャーショックやホームシックになりにくいことが挙げられる。繁華街には日本人観光客も非常に多く、万が一孤独感を感じた場合でも,明洞や東大門などに出向けばある程度は緩和されるはずである。②また時差がないため、韓国にいながら就活を簡単に行うこともできる。実際私も、4月頃から就活を韓国で本格的にスタートさせたが、面接やグループディスカッションは基本的にオンラインで行われるため、日本にいる学生と対等な環境で選考を受けることができていた。実際、韓国にいながらいくつかの企業はインターン等に内定しており、韓国にいることが不利に感じたことは一切なかった。③そして韓国には世界中から本当に多くの学生が集まるため、多様な国際交流が可能だ。中国人や日本人などのアジア人の多くはアジアの外に留学に行くことが多いため、比率としてはアジア人よりも圧倒的に欧米からの学生の比率が高い。さらに近年はK-popや韓国ドラマの影響で、アジア文化に興味を持った欧米の学生が多く集まるため、日本やアジアの文化を紹介することによって一気に交友関係を広げることができるのも韓国留学ならではの魅力だと考える。まさに灯台元暗し、の韓国留学。この先留学を考えている方々にはぜひ、留学先の1つとして韓国留学も視野に入れて欲しいと思う。

これからの展望

最後になるが、私は【世界中にニッポンファンを作る】という夢の実現のために韓国で1年間、自分の知識の経験値の向上と視野の拡大に努めてきた。そのため将来は、私が韓国で学んだ、世界で勝つ作品の生み出し方を日本のエンタメ業界、特にテレビ業界で実践し、コンテンツの魅力と、利益の双方を最大化し、世界中にファンを作ることを実現したい。また私のドラマやその他の作品がその枠を超え、日本のエンタメ業界を活性化させる起爆剤となり、日本のソフトパワーの強化に貢献できることを希望する。

大学の学園祭にて、同じコースを受講していた友人と。

大学の学園祭にて、同じコースを受講していた友人と。
世界的K-popアイドルが多く出演する韓国の大学の学園祭は大人気イベントの一つで、学生は自分の大学のカラー(赤)のシャツやタトゥーシールを身に纏い、歌とダンスで盛り上がります。