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N.研究プロジェクト 健やか未来の創造 日本大学 学術研究戦略プロジェクト | プロジェクトについて

学術研究戦略プロジェクトについて

 学術研究戦略会議は,学術研究面における理念や目標を具現化するため,本大学の総合力の象徴となる学術研究戦略プロジェクトを,大学内で募集・実施することとしました。同プロジェクトは,いわばパワーアップし躍動する日本大学を学内外に示す象徴であるといえます。そして,そのようなプロジェクトを各学部が協働し,かつ体系的に推進していくため,統一スローガンを「健やか未来の創造」といたしました。

  1. 健やか未来の創造について

     世界は今,グローバリゼーションの一層の進展とともに,知を基盤とする社会の時代にあるといわれ,新たな知の創造,継承,活用がさらなる発展のために必要不可欠となっています。そのような中にあって,大学には,広く社会の発展のために営々と保持してきた重厚な知的ストックを還元し,先人たちが築き上げてきた知の資産を礎にして,希望に満ち溢れた明るい社会を創り出していくための方策を提言していくことが求められます。

     日本大学は,大学の叡智を総合的に結集し,学術研究戦略プロジェクトでの学術研究活動の実践を通して,それら成熟した社会を造り出していくための目指すべきマイルストーンを,「健やか未来の創造」というキーワードに込めました。

  2. 統一スローガンの区分

     学術研究戦略プロジェクトは,学術研究戦略の理念・目標に記された,学際性,先進性,社会貢献,人材育成などを実現し得る,具体的な提案が求められています。計画にあたっては,いずれかの審査区分を選択し,提示されたそれぞれの概要をも踏まえ,学部連携を念頭において研究チームを編成することとしました。
     なお,今回,選定された大月准教授からの提案課題は,第2区分により申請された計画です。

    • 第1区分:健康で活力ある社会を目指して

       現代のような高度科学技術社会にあっても,一人ひとりの健やかな生活をいかにして実現するかは重大な問題である。近年における生命科学の著しい進歩に支えられ,疾病の理解が進み,診断や治療などの医療技術も飛躍的な進歩をとげている。しかしながら,いまだ克服されていない疾病も多く残されており,さらには,人口の高齢化に伴って疾病構造の変化も生じている。これらの問題の解決には,生命科学や医療に関する基礎・応用研究が大切な役割を果たす。また,病を予防するために,例えば食の機能性を活用するなど,新たなアプローチも考えられる。このように疾病の克服において医療面での対策は大切であるが,加えて,健康な日々を将来にわたって支えていくためには,政治,経済,社会,文化などに関わる様々なシステムを時代の変化の中で見直し,再構築することも求められる。このように,健康で活力ある社会の実現には様々な課題があるが,異なる研究分野の連携によって解決を目指す。

    • 第2区分:高度科学技術社会を目指して

       人口構造の変化の影響が次第に増加していく中,欧米やアジア諸国は科学技術力を備えるための重点的施策を講じ,その高度かつ知的競争は激化の一途を辿っている。そのような国際社会の中にあって資源の乏しい日本が未来を切り拓き存続していくためには,独自の優れた科学技術をいかに築いていくかが死活的な課題になっている。科学技術は,競争力と生産性の源であり,エネルギー,食糧など人類生存の隘路となりうる課題を克服し,経済社会の持続的な発展の実現を可能とするものである。このため,科学技術の各分野を礎とした従来からある学問体系は勿論のこと,既存の枠にとらわれない新領域を見据えた学問分野においても,革新的な技術を確立し,新しい産業や社会を拓くイノベーションの創出につなげていくことが必要である

    • 第3区分:地球主義社会を目指して

       今日,グローバリゼーションの下で地球規模の市場の一体化が進み,世界経済の活性化と人類史上かつて無い相互依存関係が進展した。しかしその一方で,市場の論理と競争原理が優先され,社会的紐帯関係の綻び,さらに国内外を問わず優勝劣敗による経済的社会的格差が深刻化している。また,資源消費の拡大や廃棄物資の増大などに伴う地球生態系の破壊といった問題が一層深刻化している。もし,こうした状況に対処し得なければ,経済的繁栄はおろか,世界の不安定化さらには人類の存続すら危ぶまれる危機を醸成させることになるだろう。それ故に,いまこそ我々は地球益の発想に基づく理念を創始し,そのための地球主義社会のあり方,さらには国境を越えた人類的な協調体制を構築するための検討を行い,国内外に対して具体的な提言を行いうる,人文科学,社会科学及び自然科学の総力を注ぐ複合的研究活動の推進が必要である。

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