概要

プロジェクトの概要

 平成21年度指定研究の「N.研究プロジェクト」は,私達の独自のナノサイエンス,ナノテクノロジーを「情報」,「エネルギー」,「医療」の3分野で活用し,革新的な技術を開発し,社会に貢献することを目的としています。
 このプロジェクトには,代表である大月穣准教授が所属する理工学部をはじめ,文理学部,医学部,生物資源科学部,薬学部のほか量子科学研究所,大学院総合科学研究科が連携し,国際的な産学官連携の拠点をも目指しています。
 日本大学の多くの学部の研究者が参加する大学の叡智を結集したこのプロジェクトで研究,開発する最先端の科学技術によって,健やか未来の創造に貢献します。

ナノ技術を駆使した研究の目的

 このプロジェクトでは,1ナノメートルという小さな分子から,数100ナノメートルという比較的大きな高分子までの自己集合というボトムアップ法とナノリソグラフィー等のトップダウン法の両方を駆使したナノ構造作製法を開発します。作製したナノ物質,ナノ構造の性質を実験的,理論的に解明し,ナノ物質の科学を切り開きます。そして,これらの科学・技術を,「情報」,「エネルギー」,「医療」の各分野での極限追求を目指して応用をはかります.各分野での計画概要は,次のとおりです。

1. 情報分野

光誘起超高速磁化反転
光誘起超高速磁化反転

 情報分野では,ナノ技術を駆使することで,より多くの情報を高速,安全に記録できる技術などの開発を目指します。ディスク表面にある磁石を小さくすれば,より多くの情報を記録でき,光を当てるだけで磁石の向きを変える技術を応用すれば高速で記録できるようになります。また,量子暗号システムによる安全な通信方法も開発します。

2. エネルギー分野

太陽光利用サイクル
太陽光利用サイクル

 エネルギー分野では,次世代の太陽電池として期待される色素増感太陽電池の実用化などを目指します。光を閉じ込める性質をもつ「フォトニック結晶」というナノ構造を電極に組み込むことで,効率的な発電を目指します。また,水素エネルギーの利用に向けて,燃料電池や水素貯蔵材料の開発を進めます。

3. 医療分野

 医療分野では,がん治療の新薬開発などを行います。遺伝子を認識し,直接作用する人工分子を作成します。人工分子にがん遺伝子を認識する機能を持たせれば,がん遺伝子の発現を抑えることができます。また,人工分子に赤く発光する性質を持たせれば,体外からがん遺伝子の場所が分かり,早期発見が可能になります。

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