本学部競技スポーツ学科の小松 泰喜 教授の共同研究の成果が2023年11月3日Accepted 4 April 2023Medicine® 」誌に掲載されました。

 本論文は、日本ボクシング連盟スポーツ科学委員会が中心となり実施した研究です。

小松 泰喜 教授らの他、同委員会の泉副委員長(調査研究・統括)が中心となり、実施した調査研究がこの度オンラインジャールナルであるMedicine®acceptedされました。

 論文は、「Traumatic brain injuries caused by knockout in Japanese amateurboxers: A questionnaire-based surveyアマチュアボクシング選手のノックアウト(KO)による外傷・障害に関する調査研究」であり、日本ボクシング連盟所属の各都道府県連盟に加盟する高校、大学、ボクシングジム等を通じて、高校生(15歳)以上のアマチュアボクシング選手および元選手、練習生に対しWebアンケートを実施しました。特に現在までの外傷・障害の経験について、フェイスシート(性別、身長、体重、競技経験、競技歴、成績など)の他、外傷・障害に関する質問が10問(全身の各部位)、頭部(脳振盪)の外傷・障害に関する質問項目7問を行ったところ、男女663から有効回答を得ました。KO(ノックアウト)経験の有無を変数として、多重ロジスティック回帰の結果から、KOの経験の有る方々に対し、症候数に影響する因子をステップワイズ法による重回帰分析を行いました。

 結果としてKO経験と競技パフォーマンスの自己評価との関係性から自記式アンケート調査を実施したところ、以下のことを明らかにしました。年齢が高く、体重が重く、そしてディフェンス能力や打たれ強さが低いほど、KOされやすい傾向が認められました(p<0.05)。さらに、練習のまじめさ(取り組み姿勢)や試合での闘争心が低いほど、重症化しやすい傾向がありました。特に、国際大会になるほど、受ける打撃回数が少なく、国際大会になるほどオッズ比が0.669とKOされにくい傾向がありました。

 本研究は、広くコーチングを専門とされる方々にも有効な情報であり、スポーツ脳振盪Sports Related Concussion (SRC) の概念の普及に貢献する内容となっています。

[論文リンク先]

https://journals.lww.com/md-journal/subjects/sports%20and%20exercise%20medicine/fulltext/2023/11030/traumatic_brain_injuries_caused_by_knockout_in.91.aspx