スポーツ科学部競技スポーツ学科 河合一武 教授の研究成果が2023年10月2日に Neuroscience Research 誌に掲載されました。


 共同研究者は、東京都医学総合研究所の西村幸男氏と田添敏樹氏、早稲田大学の矢内利政氏と彼末一之氏です。


【概要】経皮的電気刺激技術の進歩にもかかわらず、磁気刺激は一般的に研究等に用いられていないため、ヒト脊髄への磁気刺激がどのような神経細胞要素を活性化するのかについては議論の余地がある。本研究では、経脊椎磁気刺激(TVMS)が末梢感覚求心性神経を介して腰髄の脊髄運動ニューロンプールの経シナプス性興奮を誘導することを実証した。健常成人において、第1腰椎と第2腰椎の間の椎間腔に対パルスTVMSをパルス間隔100msで与え、刺激誘発筋電図反応を下肢筋で記録した。その結果、2回目のTVMSパルス後の誘発筋電図応答は、1回目のTVMSパルス後の応答と比較して、下肢広筋において明らかに抑制された。これは、2回目のTVMSパルスによる脊髄運動ニューロンの経シナプス性興奮が、1回目のTVMSパルスによる抑制効果によって抑制されたことを示している。刺激強度に対する誘発反応抑制の変調が個人間で一貫していないことから、TVMS誘発EMG反応は、運動軸索の直接の興奮と感覚求心性神経を介した運動ニューロンプールの経シナプス性興奮を介する複合電位で構成され、TVMSによるこれらの線維のリクルート順序は個人間で非均一である可能性が示唆された。


*詳しい内容は下記論文をご参照ください。
論文タイトル:Transsynaptic activation of human lumbar spinal motoneurons by transvertebral magnetic stimulation
和文タイトル:経脊椎磁気刺激によるヒト腰髄運動ニューロンの経シナプス興奮

雑誌名:Neuroscience Research


URL:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168010223001918


KAKEN(河合一武教授):
https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000050214581/