開催日時
平成31年1月16日(水)13時〜14時30分
表題
「ジュニア世代の栄養と食生活」
講師
スポーツ科学部准教授 辰田和佳子
第4回公開講座

栄養や食生活に関する情報があふれる中,何が正しいのわからなくなってしまうという声を聴く。本講座では,食生活の基盤となるジュニア世代に焦点をあて,望ましい食生活とはなにか,大人との相違やスポーツ実施の有無で食生活に違いはあるか等,実践例を紹介しながら解説した。

まず,望ましい食生活について,①消費に見合うエネルギー摂取が大前提となること,その評価は日々の体重測定しかないことを示した。また,体重測定とその変動記録(モニタリング)は自分で数字の背景を考察し改善してこそ意味があることを確認した。②バランスのよい食事に関しては,具体例をあげながら,小学校や中学校で提供される給食こそがバランスの良い食事であり,ほとんどの方がその給食を媒体として,すでに栄養教育を受けてきていることを伝えた。この他に数十年後に影響が生じる骨の健康は,まさにジュニア期に作られること,意外にも貧血は中学生男子に多いことやその理由について受講者と一緒に考察した。特に女性において,中高生,なかには小学校高学年からダイエットを行う者もいることから,減量についても伝え,まず身体活動を増やすこと,食事量を減らすのではなく,その内容(あぶら,あまいもの,成人ではアルコール)をみつけ,そこから修正することの必要性を示した。実際に,量はあまり変わらずにエネルギーを減らした食事例を多数紹介した。

成人でもジュニア世代でも競技者でも糖尿病の食事療法でも,その食事バランスは同様であり,個々の消費に見合った量に変更させていくだけである。ジュニア世代の良好な食生活は,環境となりうる周囲の大人(保護者や支援者)自らが,良好な食生活を送ることで実現できることを確認した。