2018年4月、保健体育審議会に新たに加わったアスリートは総勢651名。
その中には、既に世界の大舞台に挑んでいるトップアスリートたちも数多くいる。
一昨年のリオ・オリンピックに高校2年生で出場した水泳の長谷川涼香選手と持田早智選手もしかり。
共に競い、共に成長し、共に東京オリンピック出場を果たすべく、切磋琢磨している。

自分の中の伸びしろは、まだたくさんあると思う

競泳 バタフライ 長谷川 涼香

長谷川 涼香さん(スポーツ科学部 競技スポーツ学科1年)

リオ・オリンピックに出場して学んだことはたくさんありましたが、一番は世界の舞台でタイムを出す難しさを知ったことですね。周りの人の気合とかも、日本で感じるものとは全然違いました。

今まで世界の試合に出た時は、緊張感とか力みとかが後半にやって来て負けることが多かったので、そこをどう最後までリラックスしていき、ラストをしっかり追い上げていくのか。国内ではできても世界に出るとちゃんとできないので、そのあたりをしっかり練習していこうと思います。

小学生の頃から練習ノートを書き続けていて、昔は注意されたことを書き連ねていただけでしたが、注意されることが少なくなった今は、その練習に対してどう感じたのかなどを書くようにしています。練習でダメな時に「あきらめないで頑張る」といった単純なことや、同じようなことを書いたりしますが、それを読み返して反省したり、気持ちを奮い立たせたり…。気持ちが折れたら、そのままタイムにも影響するし、体の疲労感も感じる度合いが違ってくるので、やはり気持ちは大事だと思いますね。

長谷川 涼香さん(スポーツ科学部 競技スポーツ学科1年)

同世代の選手で一番刺激を受けているのは種目も同じで高校の後輩でもある池江璃花子選手。
チームメイトの持田選手とは「一緒にオリンピックに向けて頑張っていきたいという気持ちが強い」。

私の強みは50mのタイムを揃えられる持久力で、そこは崩したくないところですが、世界で戦うにはスタートやスピードの面で足りないことも多くあります。でもそれは、トータルで見れば自分の中の伸びしろはまだたくさんあるということだと思いますし、リオ後の2年弱で「最後まであきらめない」という気持ちの面での成長はできたと感じています。

2020年までに自分で日本新記録を作って、東京オリンピックでは自信を持って戦えるように、あと2年頑張ってやっていきたいと思います。そして、一番いい色のメダルが獲れたらいいなと思っています。

Profile

長谷川 涼香[はせがわ・すずか]

スポーツ科学部 競技スポーツ学科1年。
2000年生まれ。東京都出身。淑徳巣鴨高校卒。フィットネスクラブ東京ドーム所属。
3歳から本格的に水泳に取り組み、ジュニアの様々な大会のバタフライ種目で優勝。高校入学後もインターハイ、国体連覇を果たし、2年生の時にリオ・オリンピックに出場(200mバタフライ9位)。2017年の日本選手権200mバタフライは世界ジュニア新記録で初優勝し、世界選手権出場(200mバタフライ6位)。本学入学直後の日本選手権200mバタフライは2位に終わるが、ジャパンオープン(3位)で標準派遣記録を突破して、8月の東京パンパシフィック水泳および第18回アジア大会(ジャカルタ)の代表メンバー入りを果たす。昔から母に言われてきた「努力は必ず実る」という言葉を胸に、さらなる成長を目指す。

大舞台でも自分のパフォーマンスができるように

競泳 フリースタイル/バタフライ 持田 早智

持田 早智さん(法学部 経営法学科1年)

水泳が強い大学はたくさんありましたが、日大ならば他の競技の選手たちと関われるし、違う目線でのトレーニング方法とか情報交換しあえて、いい刺激になるかなと思って入学を決めました。

今のところはもともとのフリースタイルも続けていくつもりなんですけど、トレーニングの一環でバタフライを採り入れていったら、パワーがついてタイムがどんどん上がっていって…。去年はフリーのおまけという感じでバタフライのレースにも出ましたが、今年は日本選手権に合わせていったので、優勝できてホントにうれしかったですね。あきらめずに練習を頑張ってきた成果が出せたし、これをきっかけにもっと上に上がっていけたらいいなと思います。

リオ・オリンピックを経験して感じたのは、いくら実力があっても、この舞台では力を出せた人が勝つんだと…。それまでの過程ではなく、その場でどういうパフォーマンスをするかというのが一番大事なんだと思いました。私は結構緊張するタイプなので、オリンピックという舞台でもどんと構えていけるように、もっと経験を積んでいきたいと思います。ただ、重く考えるよりは、少し軽く考えて、学校は学校、遊びは遊び、水泳は水泳というように分けて生活した方が自分にはあっているかなと思います。

持田 早智さん(法学部 経営法学科1年)

これまでは種目が違うため「意識していなかった」という長谷川選手には、「レースで泳ぐ時はライバル意識がある」。しかし水を上がれば「5年ぐらい一緒にいるので、結構仲がいいです」。

同世代の選手たちのことも気になりますね。中学の頃からずっと一緒に遠征に行ったりして、自分より強い選手たちを間近に見てきましたし、いつもは一緒に練習できませんが、試合とかで年に数回会う度に刺激をもらっていて、それが大事だなと感じています。

東京オリンピックは日大在学中なので、涼香(長谷川選手)と一緒に代表になって、ダブル表彰台になったらすごくいいなと夢見ています。

Profile

持田 早智[もちだ・さち]

法学部 経営法学科1年。
1999年生まれ。奈良県出身。千葉商科大付属高校卒。ルネサンス幕張所属。
5歳から水泳を始め、2013年に全国中学水泳競技大会の50m・100m自由形で2冠を達成。翌年の同大会でも100m・200m自由形を制覇すると、国体では50m・100m自由形と400mメドレーリレー、400mフリーリレーで4冠。2015年の日本選手権で200m自由形2位となり、世界選手権800mフリーリレーのメンバーに選出(7位)。インターハイでは100m・200m自由形で優勝。2016年のリオ・オリンピックは800mフリーリレーのメンバーとして出場(8位入賞)。バタフライで試合に挑んだ今年4月の日本選手権は、200mを自己ベストのタイムで初優勝。5月のジャパンオープンでも優勝し、8月の東京パンパシフィック水泳および第18回アジア大会(ジャカルタ)代表に選出される。

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