昨年に続き2度目の出場となった全日本大学女子サッカー選手権大会。昨年、一昨年の準優勝チーム、静岡産業大学をラウンド16で破って迎えたベスト8。相手は、昨年の同大会でもベスト8でぶつかり、0-3で敗れた早稲田大学だった。試合は、前半に先制されるも、後半開始早々に久保華恩選手のゴールで同点に追い付いたが、その後は1人退場者を出す厳しい展開となる。それでも粘り強い守備で失点を防ぎ、PK戦に持ち込むと、GK山田桜音選手の活躍もあり、見事、勝利。本学女子サッカー部として新たな歴史を刻む、インカレベスト4進出を果たした。

立ち上がりから一進一退の攻防が展開された中、11分、相手の右ウィングに左サイドを突破され、クロスから失点。早い時間に先制を許す難しい展開となる。19分にもネットを揺らされたが、ここはオフサイドでノーゴールに。何とか2失点目はしのぐと、徐々に押し返し、セットプレーからチャンスを作る。すると、40分には流れの中から中央を崩し、間庭遥香選手に決定機。ただし、シュートは惜しくもGKに止められた。

 

後半、リズムを変えて反撃に出るべく、頭から3選手を交代。すると、開始1分も経たないうちに同点に追い付く。ロングボールを敵陣に入れ、相手を押し込んだところでボールを奪った久保華恩選手が思い切ったミドルシュート。GKの手を弾き、ボールがゴールに吸い込まれた。ここから一気に逆転に持ち込みたいところだったが、52分にアクシデント。自陣ペナルティーエリア内で、CBの大沼歩加選手が相手を倒してPKを与え、自身もレッドカードで退場に。この窮地を救ったのが、GK山田桜音選手。コースを読み切り、相手のキックをストップした。ここから守勢に回る時間が続いたが、選手全員が声を掛け合いながら、体を張った守備を披露。山田選手の好セーブに、ポストやクロスバーに救われる場面もあり、後半は無失点のまま1-1で、90分を終えた。

 

迎えたPK戦でもGK山田選手が大活躍。2本のシュートを止め、見事、勝利に導いた。早稲田大学に昨年のリベンジを果たし、本学女子サッカー部の歴史を塗り替えたベスト4進出。監督、選手、スタッフは一様に喜びの声を挙げ、さらなる高みへ向かうべく、気持ちを新たにした。準決勝の舞台は1月4日、味の素フィールド西が丘。相手は山梨学院大学、14時キックオフとなる。

 

 

<試合後のコメント>

山田桜音選手
「(ベスト4進出について)素直に嬉しいです。実感はまだ湧かないです(笑)。(自身のプレーは)出し切れる力は全て出し切りました。(後半のPKストップは)対策もバッチリできていたので、止める気しかしなかったです。(10人での時間帯は)ひたすらマークの受け渡しをして、全員で声を掛け合って、技術というより、気持ちで戦い抜きました。(PK戦について)シュートを止めた選手は、対策ができていた選手でした。スタッフみんなの力もあってのセーブでした。ここまで来たからには失うモノはないので、チャレンジ精神で、全員で日本一を目指していきたいです」

 

久保華恩選手
「(早稲田大学には)関東リーグでは前期も後期も勝てなくて、昨年のインカレでも負けていたので、『絶対にリベンジしよう』とみんなで話していました。全員が『絶対、勝つ』という気持ちがあったから、勝てたと思います。昨年のベスト8を超えて、ベスト4という新たな歴史を作れて嬉しいです。(後半、出場してすぐ点を決めたが?)後半から入るということで、絶対にシュートを打ち切ろうという気持ちで入りました。思い切り良く打ったことが、得点につながったと思います。(10人での時間帯は)『PK戦になってもいいから守り切ろう』という話をして、戦っていました。(PK戦では1人目だったが?)練習からメンバーは決められていました。決めることができるか不安でしたが、気持ち良く打って終ろうと思って、打ちました(笑)」

 

大沼歩加キャプテン
「(歴史を塗り替えたベスト4進出について)シーズンの最初に、『インカレ・ベスト4』と、『早稲田を倒す』という目標を掲げていました。今日の勝利で一気に2つとも達成できたのは凄く嬉しいです。1年間やってきて良かったと思いました。(退場になったシーンは)どうにかファウルしないで止めなかったのですが、ああいう形になってしまい、チームには申し訳なかったです。ただ、涙とかは出てこなくて。10人でも勝ってくれると仲間を信じていました。ピッチを出る時も、声をかけ続けて出ました。その後は、(ピッチから離れた)控室に戻らないといけなかったので、試合を見ることはできず、祈るだけでした。みんなが勝ってくれて、本当に助けられました。この1年、自信を持ってやってきたサッカーがあるので、このままの勢いで、優勝まで突き進みたいです」

 

持田紀与美監督
「新しい景色を見ることができました。最高です!素晴らしい選手たちです。前半、相手にキープされる時間もありましたが、ウチのチャンスもありました。2トップは最初から飛ばして、前半で終わってもいいと。0-1は想定内でした。2点目は与えず、後半、フレッシュなメンバーを入れて、立ち上がりから点を取りにいくという狙いでした。もう1点、チャンスで取れればベストでした。(10人になった後は)耐えて、耐えて、GKも含め、みんなの根性で守りました。その頑張りが伝わったのか、ポスト、クロスバーと連続で当たった時は、こっちに流れが来たと思いましたね。(退場した)キャプテンをここでラストにさせたくなかったので、良かったです。ここまで来たら、一番上まで行きたいです。昨年の準優勝、優勝チームを倒したので、自分たちが優勝するしかないですね」

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