東日本学生相撲選手権大会が6月11日に両国国技館にて行われ、日本大学相撲部が決勝で東洋大学を破り8年ぶり38度目の団体優勝を飾った。個人戦は川渕一意選手(文理学部4年/金沢学院)と成田力道選手(文理学部1年/鳥取城北)が決勝に進み、日大対決となった決勝は川渕選手に軍配が上がった。

  東日本学生相撲選手権大会は鬼門だった。2017年大会以降3度インカレを制していた日本大学相撲部だったが、本大会での優勝は実に8年ぶりと優勝から遠ざかっていた。

 Aクラス予選では3戦3勝と危なげなく決勝トーナメントに進んだ日本大学。トーナメント1回戦(準々決勝)の相手は中央大学だ。予選では出場しなかった昨年同大会個人戦優勝の草野直哉選手(文理学部4年/文徳)と川渕選手を加え万全の体制で臨んだ。
 先鋒は草野選手、勝ってチームに勢いづけたいところだったが、立会いで相手に変化され送り出しでまさかの敗戦。実力者の敗戦に会場全体がどよめく。悪い流れだったが次鋒の山本剛瑠選手(文理学部3年/文徳)が低く当たって前みつを取ると最後は寄り倒して勝利、1勝1敗とする。中堅は花岡真生選手(文理学部3年/文徳)、予選で敗れた相手との再戦となったが、まわしをつかみきれず寄り切られ敗戦。
1勝2敗と後がない状況で迎えた副将戦、川渕選手が押し出しで勝利し2勝2敗とすると、大将戦で川上竜昌選手(スポーツ科学部3年/文徳)が吊り出しで試合を決め、3勝2敗で中央大学を下した。

 続く準決勝の相手は昨年のインカレ決勝でも対戦している最大のライバル日本体育大学。
先鋒の草野選手がはたき込みで勝利しチームに勢いをもたらせば、日本体育大学も次鋒戦で勝利し、一進一退の攻防となる。準決勝ながら会場のボルテージは最高潮に。
ここで中堅の花岡選手が1回戦の鬱憤を晴らすような取組みで勝利し2勝1敗、あと1勝で勝ちが決まる副将戦。川渕選手が体格差を活かした取組みで勝利(押し出し)、ここで決勝進出が確定した。大将戦は川上選手が敗れたものの3勝2敗で決勝に進んだ。

 決勝戦の相手は強豪・東洋大学だが、準決勝で最大のライバルを破った日本大学チームには実力に加え自信が付いている。先鋒戦では草野選手が危なげなく勝利、次鋒戦は山本選手が相手の圧力に押され敗れたものの、中堅・花岡選手が上手投げで勝利、2勝1敗とする。副将戦、川渕選手と同じ体格差の相手だったが、盤石の相撲で勝利。ここで日本大学が優勝を決めた。大将戦は川上選手が一回り大きい相手を吊り出して勝利、4勝1敗で試合を締め、見事鬼門を突破し8年ぶり38度目の優勝を果たした。

個人戦は日大対決に

   団体戦後に行われた個人戦は、ベスト8に日本大学から成田選手、川渕選手、花岡選手の3名が残り、成田選手と川渕選手が決勝に勝ち上がった。日大対決となった決勝戦、4年の川渕選手と1年の成田選手、日頃から稽古を共にし手の内を知り尽くす者同士の対決だ。
 低く当たった成田選手、悪くない立会いだ。しかし、川渕選手が圧力で押し返してまわしを掴ませない。一旦下がって再びまわしを取りにかかった成田選手だったが、それでも押し返される。回り込んで揺さぶりをかけるも川渕選手は動じない、最後は川渕選手が押し出して勝利。日大対決は先輩の威厳を見せた川渕選手に軍配が上がった。
 同大会個人戦では昨年優勝の草野選手に続いて2年連続で日本大学の選手の優勝となった。

選手のコメント

主将・草野直哉選手(文理学部4年/文徳)

どのような想いで準備し試合に入りましたか
試合での成績が徐々にあがってきていたので、東日本では必ず優勝するという気持ちで試合に臨みました。

団体戦で8年ぶりの優勝となった結果を振り返ってどのような試合でしたか
8年間も優勝できてなかったので、勝たなければいけないというプレッシャーの中緊張もありましたが、優勝できてホッとしています。

次戦への意気込みをお願いします
次の大会(全日本大学選抜相撲金沢大会)まで1ヶ月程あるので、全員でまたさらにレベルアップをして試合に臨みたいです。



副主将・川渕一意選手(文理学部4年/金沢学院)

8年ぶりの団体戦優勝の勝因はなんですか
東日本は長らく優勝していなかったので、自分達の代で優勝するという気持ちでみんなで練習してきたからだと思います。

今年二つ目の個人優勝となった試合を振り返ってどのような試合でしたか
団体、個人の優勝を目標としていたのでそれが成し遂げられたので嬉しいです。自分の相撲を取ることが出来た点が良かったです。

次戦への意気込みをお願いします
ここで満足せずにまた一から出直して頑張ります。

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