8月26日(土)、第99回関東大学バスケットボールリーグ戦が開幕。日本大学バスケットボール部は、第1節・筑波大学戦に62-44で快勝。続く、第2節の白鷗大学戦は61-65で黒星を喫し、初週を終えて戦績を1勝1敗としている。
(8月29日時点)
初戦の対戦校、筑波大はアンダー世代日本代表を数多く擁する名門だ。日本大は、立ち上がりこそ得点機会に恵まれなかったが、エース・米須玲音(#3/文理学部3年/東山)が約1年1カ月ぶりにコートに立つとその空気は一変。米須は、ビッグマンのコンゴロー・デイビット(#12/スポーツ科学部3年/報徳学園)へ華麗なアシストを成功させ、試合の流れを引き寄せた。29-17、日本大は12点リードで前半を終える。
ロースコアで終えた前半に対し、後半はトランジションオフェンスからスコアを伸ばしていく日本大。また、強固なディフェンスから第3クォーターの筑波大の得点を1ケタに抑え、完全に試合の主導権を握り62-44で白星発進に成功した。
第2節は、昨年のリーグ戦優勝校・白鷗大との対戦。試合序盤からアウトサイドシュートを決める白鷗大に対し、日本大のシュートはことごとくリングに嫌われてしまう。留学生擁する白鷗大インサイドの攻略にも苦戦し、前半を終え21-30と9点ビハインドで追いかける展開に。
逆転を狙うハーフタイム明け、要所での得点に成功し風向きが変わったように思える時間帯もあったが、簡単に攻撃の手を緩めてはもらえず。第3クォーター終了時点で、その差は15点に拡大した。しかし、迎えた最終クォーター、開始直後から一戸啓吾(#51/商学部3年/仙台大学附属明成)を筆頭に連続で3Pシュートを沈めると、一気に点差を1ケタに。その後も、気迫のこもったプレーで猛追した日本大だったが、一歩及ばず61-65で敗れた。
約1年1カ月ぶりに戦線復帰を果たした米須玲音 【日本大学バスケットボール部】
開幕2戦を終え「楽しかった」と語るのは米須。昨年1月の試合で負傷し、右肩関節脱臼と診断され約4カ月戦線から離脱した。一度は戦線復帰するも再びケガに悩まされ、1シーズン以上となる長いリハビリ期間を経て、今大会から復帰を果たしている。
米須は「試合に出られなかったことは悔しかったです」と想像を絶する1年間を振り返ったが「チームメイトやともに世代を代表して戦ってきた先輩が活躍しているのをみて、勉強にもなりました」とポジティブに捉えた。
また、活躍が際立ったのは井上水都(#4/経済学部3年/土浦日大)。これまでは、主力として活躍する同期をベンチで見守ることが多かったが、この2戦でプレータイムを伸ばした。流れが滞る場面でも積極的にドライブインし、筑波大戦で11得点、白鷗大戦で9得点をマーク。「自分は流れを変える役割を与えられています。どういう場面で出ても積極的に自分のプレーができた場面が多かったです」と語るとおり、プレーでチームを鼓舞した。
この2戦でプレータイムを伸ばした井上水都 【日本大学バスケットボール部】
同期・米須の復帰については「仲が良いので、彼の辛そうな様子も見てきました。復帰戦に一緒に出ることができて、彼のアシスト能力はずば抜けていると改めて思いました」と自分のことのように喜びを語る。また、プレーの相性については「オフェンスもディフェンスもアイコンタクトで合わせることが多いです。今まで一緒にプレーする機会は多くなかったんですけど、結構やりやすい印象です」と今後のコンビプレーを期待させた。
ともに3年生の井上水都、米須玲音(左から) 【日本大学バスケットボール部】
キャプテンの陳岡燈生(#8/文理学部4年/土浦日大)は「良いところと悪いところがかなり明確に出た」とこの2戦を振り返る。「日大のチーム方針は、ディフェンスからブレイクを出すこと。これができた場面とそうでない場面で試合が大きく変わってしまうと感じました。第3節に向けて一つひとつ課題を潰し、日大らしいディフェンスからのブレイクを体現できるように頑張っていきたいと思います」と次戦を見据えた。
年々チームとしての完成度を高め、近年は各大会での上位入賞が常連となってきた日本大。それでも陳岡は「大事なタイトルが獲れていない」と悔しさを滲ませる。「去年、あれだけやっていてもインカレのタイトルを獲ることができなかったということは、もっと突き詰めないといけない。その悔しさを2〜4年生のメンバー全員が痛感しているので、練習の雰囲気も良い意味で緊張感がありますし、個人練習、体のケア・食事一つとっても、より全員の意識が高まっています」と並々ならぬ思いで準備を重ねてきたことを明かした。
キャプテン陳岡燈生とコンゴロー・デイビット(左から) 【日本大学バスケットボール部】
「コート内外でリーダーシップをとったり、声でチームを引っ張ることはもちろん、ルーズボール、ディフェンスなどで背中を見せて『燈生さんがやってるから頑張ろう』とみんなに思ってもらえるようなプレーがしたいです」と語る陳岡。開幕直前、ともに先発として戦ってきた野口侑真(#6/文理学部4年/県立川内)が負傷し、ロスターに入る4年生は陳岡とクリバリー・ガウソウ(#24/スポーツ科学部4年/成立学園)の2人のみとなった。
多くの重責を抱えながら開幕を迎えたが「2巡目のことは考えず、この1巡目をとにかく全力で勝ち切って上位グループに入りたい」とキャプテンは冷静に目の前の戦いに照準を合わせる。切望する“タイトル獲得”に向けた戦いはまだ始まったばかりだ。
次週は、9月2日(土)15時00分より日本体育大学世田谷キャンパスにて明治大学との対戦、翌3日(日)は12時00分より専修大学生田キャンパスにて神奈川大学との対戦が予定されている。
文=田山穂香(文理学部4年/バスケットボール部広報)
第99回関東大学バスケットボールリーグ戦
■試合結果
【第1節】
日本大学 62-44 筑波大学
日本大|14|15|18|15|=62
筑波大| 5|12| 9|18|=44
【第2節】
日本大学 61-65 白鷗大学
日本大|14| 7|11|29|=61
白鷗大|15|15|17|18|=65
■リーグ戦 第2週の予定
【第3節】
日時 :2023年9月2日(土) 15時00分〜
会場 :日本体育大学 世田谷キャンパス
対戦校:明治大学
【第4節】
日 時:2023年9月3日(日) 12時00分〜
会 場:専修⼤学⽣⽥キャンパス
対戦校:神奈川大学