ついに1巡目最終週を迎えた第99回関東大学バスケットボールリーグ戦。日本大学バスケットボール部は、第11節で戦績を並べて同率首位に君臨する(※対戦時点)日本体育大学と対戦。終始劣勢の戦況から終盤の追い上げで延長戦に持ち込むも、74-86で接戦を落とし、3連戦は黒星発進となった。
2日目の江戸川大学戦でも苦戦を強いられたが、焦ることなく落ち着いた試合運びで勝機を手繰り寄せた結果、最終スコア84-80で逆転勝利。第13節・専修大学戦には57-73で敗れたものの10勝3敗、堂々の第3位で上位リーグ進出を決めている。
(10月9日時点)
1年生ながら多くのプレータイムを獲得した山田哲汰 【日本大学バスケットボール部】
全学年での公式戦では、数年ぶりとなる大東文化大学から白星を奪うなど勢いそのままに連勝を重ねていた日本大。しかし、第10節終了後、相次いでケガ人が発生しロスター・スターティングメンバーともに変更を余儀なくされた。そして迎えた第11節、ついに9試合ぶりの敗戦を喫してしまう。
士気が落ちてもおかしくないこの状況を打開し翌日の勝利へと導いたのは、一人ひとりの『チームのために』という姿勢だった。「リーグ戦では、プレータイムをもらうことができず悔しい時期が続いていた」と語る山田哲汰(#20/文理学部1年/白樺学園)は、この3連戦でまとまった出場機会を得た。そんな山田に対して、ベンチからは「哲汰、勝負できるぞ!」という声が飛ぶ。すると、応えるかのように臆することなくリングへ向かってバスケットカウント。勢いのあるプレーは、活気と白星をもたらした。
初めてのリーグ戦にして、ここまで堂々たるプレーを見せてきたが「出場するタイミングで自分の役割は変わります。試合によって異なる状況に対応する難しさを感じています」と、慣れない途中出場に葛藤しているよう。それでも「リードしている場面ではさらにリードを広げ、ビハインドの場面では流れを変えるプレーを心がけています」とし、この3試合ではそれを体現するプレーを見せた。悔しさを抱きながらも、新たな課題と向き合い模索するこの期間は、確実にステップアップへと繋がっているだろう。
約40分間コートに立ち続けたクリバリ・ガウソウ 【日本大学バスケットボール部】
ラストイヤーのクリバリ・ガウソウ(#24/スポーツ科学部4年/成立学園)もまた、新たな挑戦をした1人だ。もう1人の留学生であるコンゴロー・デイビット(#12/スポーツ科学部3年/報徳学園)を欠いたこの3戦、彼はほとんど交代することなくゴール下を支え続けた。
「これまでの3年間、1試合でのプレータイムは15分程度だった」と本人も語るが、疲労の蓄積やさまざまな調整が必要な点を踏まえても、急遽約40分間を戦い抜くことは容易でない。しかし、クリバリはこれまで以上に磨きのかかったパフォーマンスを披露してくれた。日本体育大戦では試合中に少しずつアジャストし、19本のリバウンドと2回のダンクシュートに成功。「リムランやリバウンドショットはかなりできたので良かった。リバウンドの課題も改善された気がしました」と本人も手応えを感じているようだ。
ケガで長らくコートを去っていたクリバリにとって、この大会は復帰戦であり、大学最後のリーグ戦でもある。そんな彼に4年生として意識していることを尋ねると「率先してケアをしている」と真っ先に明かしてくれた。「この時期のケガは付きものですが、リーグ戦を通してケガをすることなく、試合に出続けたいと思います」という言葉には、今春のトーナメントを欠場した悔しさによる思いも含まれているだろう。
「あと7試合、どういうプレーをすればチームを支えることができるか考えています。チームに必要なプレーを増やしていきたいと思います」と上位リーグへの意気込みを語る。自分の課題と向き合うことも、ケアに取り組むこともすべてチームのため。日本大は試練のときを迎えているが、一人ひとりのチームに対する真摯な想いで、必ずや壁を乗り越えるに違いない。
次節は対戦校の筑波大学がホームコートで待ち構えるなか、17時より上位リーグ初戦が行われる。
米須玲音(右)のアシストから得点した新沼康生(左) 【日本大学バスケットボール部】
第11節で復帰した泉登翔は翌日から先発入り 【日本大学バスケットボール部】
文=田山穂香(文理学部4年/バスケットボール部広報)
第99回関東大学バスケットボールリーグ戦
■試合結果
【第11節】
日本大学 74-86 日本体育大学
日本大 |20|15|17|21| 1|=74
日本体育大|32| 9|19|13|13|=86
【第12節】
日本大学 84-80 江戸川大学
日本大 |19|18|21|26|=84
江戸川大|21|26|11|22|=80
【第13節】
日本大学 57-73 専修大学
日本大|12|13|16|16|=57
専修大|22|16|11|24|=73
■リーグ戦 今後の予定
【第14節】
日時 :2023年10月14日(土) 17時00分〜
会場 :筑波大学
対戦校:筑波大学
【第16節】
日時 :2023年10月21日(土) 15時30分〜
会場 :白鷗大学 大行寺キャンパス
対戦校:白鷗大学
【第17節】
日時 :2023年10月22日(日) 14時00分〜
会場 :白鷗大学 大行寺キャンパス
対戦校:大東文化大学
※第15節は、試合数調整のため本学の試合はございません。