11月18日(土)、関東大学サッカーリーグ戦1部第22節の桐蔭横浜大学戦が行われた。日本大学サッカー部は、昨季インカレチャンピオン相手に、前橋育英高校出身のMF西山蓮平、FW熊倉弘達のゴールで前半を2-1で折り返すと、後半も桐蔭横浜大学の攻撃に耐えながらも3得点を奪い、5-2とリーグ最終節を勝利で飾った。順位を1つ上げ、4位フィニッシュ、インカレに弾みをつけた。(11月18日時点)

 

 前節で見事、全日本大学サッカー選手権(インカレ)出場を決めた日本大学サッカー部。第22節の相手は、昨シーズンのインカレチャンピオンである桐蔭横浜大学だ。勝てばインカレ出場が決まる一戦のため、果敢にゴールを狙ってくるであろう桐蔭横浜大学と、リーグ最終節を勝利で飾り、いい形でインカレに繋げたい日本大学。どちらも負けられない戦いとなる。

 日本大学ボールで前半が開始するも、強風で風下ということもあり開始早々、桐蔭横浜大学に主導権を握られてしまう。最初のゴールチャンスを得たのは、桐蔭横浜大学。桐蔭横浜大学・MF井出選手がミドルシュートを放つも、ゴール左。その後も、クロスや縦パスを入れられ、日本大学の耐える時間が続く。

 流れを変えたい日本大学は、何とかボールを奪い、ゴール前まで運びCKを獲得。FW熊倉弘達(法学部3年/前橋育英)からのボールをDF栗田悠巨(スポーツ科学部4年/川崎フロンターレU-18)が頭で合わせるも、相手GKに弾かれてしまう。日本大学はここから徐々に流れをつかみ、ボールを保持する時間を増やす。

 前半15分、試合が動く。DF小林佑熙(スポーツ科学部4年/横浜FCユース)が左サイドからクロスを上げ、FW五木田季晋(スポーツ科学部1年/川崎フロンターレU18)が右サイドに繋ぐ。最後はMF西山蓮平(経済学部4年/前橋育英)が左足で決め切り、先制することに成功(1-0)。MF西山は第4節と第5節でも先制点を決めており、どちらの試合も勝利に導いている。今節の先制点も、きっと勝利に導いてくれるに違いない。

 今節で勝点3を積み上げ、インカレ出場を決めたい桐蔭横浜大学は、日本大学に先制された後、MF井出選手や川崎フロンターレ加入予定のMF山内選手を中心にさらに攻撃を仕掛けてくる。しかし、今季抜群の安定感を見せてきたDF青木駿人(法学部4年/日大藤沢)を中心とした日本大学DF陣が躍動、相手に隙を与えない。

 前半28分、再び日本大学にチャンスが訪れる。桐蔭横浜大学のパスをカットし、FW丸山喬大(経済学部4年/帝京長岡)がセンターライン付近から右サイドにいるFW熊倉(達)にボールを送ると、ドリブルで切り込む。強引にシュートを打つと相手DFに当たったボールはそのままゴールに吸い込まれ、2-0に。

 桐蔭横浜大学に攻め込まれる場面が何度もあったが、GK木村凌也(スポーツ科学部2年/横浜F・マリノスユース)の好セーブで、得点を許さない。

 しかし前半41分、桐蔭横浜大学が右からクロスをあげると、それをブロックしようと反応したMF西山の腕にボールが当たってしまう。ペナルティエリア内だったため、痛恨のPKを献上。キッカーは、いわきFC加入予定のFW白輪地選手。右足でゴール中央に決められ、失点。(2-1)

 その後は両者共にいいプレーが見られるも、得点にはつながらないまま前半が終了。日本大学が1点のリードで折り返す。

今季「台風の目」となった日本大学サッカー部の勢いは最後まで衰えない。

 後半も桐蔭横浜大学のアグレッシブな攻撃に耐える日本大学。しかし、それを逆手に取り、日本大学も一瞬の隙をつき、カウンター攻撃を仕掛ける。
 後半9分、日本大学がボールを奪うと、FW五木田がドリブルで運び、敵陣に侵入。そのままゴール前でシュートを放つが、惜しくもポストに当たる。しかし、ゴール前に人数を掛けた日本大学。跳ね返ったこぼれ球を見逃さなかったMF平賀禎大(文理学部3年/佐野日大)が、すかさず右足でシュート。昨季インカレチャンピオン相手に点差を広げる。(3-1)
 

 その後も日本大学の勢いは止まらず、FW五木田やFW丸山がゴールを狙うが桐蔭横浜大・GK西澤選手がそれを許してはくれない。

 後半17分、日本大学が選手の交代を行う。FW丸山、MF西山、MF阿部夏己(法学部4年/徳島市立)と日本大学サッカー部を支えてきた4年生勢に代わり、MF植木颯(経済学部2年/日大藤沢)、MF田中慶汰(経済学部2年/川崎フロンターレU-18)、MF永田亮輔(経済学部2年/横浜FCユース)を投入。更なる追加点を狙う。

 インカレ出場がかかっているため、これ以上点差を広げられるわけにもいかない桐蔭横浜大学はスルーパスからシュートを放つ。決定機かと思われたが、これをGK木村がビッグセーブ。リーグ最終節でも日大の守護神のビッグセーブが止まらない。ここで桐蔭横浜大学も交代カードも使い、攻撃の層をさらに厚くする。

 日本大学は継続してアグレッシブなプレッシャーをかけ、前線でプレーする時間を増やしていく。すると、またも日本大学に攻撃のチャンス。後半38分、右サイドからMF橋田尚希(危機管理学部4年/JFAアカデミー福島U-18)がドルブルで中央まで運び、スルーパスを送る。長いリハビリ生活から戻り、今シーズン初出場のFW堀越拓馬(経済学部3年/横浜FCユース)が抜け出すと右足で決め切り4-1に。

その2分後、桐蔭横浜大学のCKからのボールをGK木村がキャッチすると、前線のMF永田に正確なパントキック。それを受けたMF永田が相手を引き連れドリブルで運ぶとペナルティエリア内で倒され、PKを獲得。FW熊倉(達)がボールを拾いキッカーかと思われたが、出場機会を得るも得点出来ていなかった4年生であるMF佐藤誠也(文理学部4年/関東第一)の手にボールが渡る。緊迫した空気が流れ、静まり返る会場の中、MF佐藤は右足で冷静に決め、日本大学が5点目を獲得。(5-1)
 ベンチからも控えのメンバーが駆け寄り、応援部員のもとで全員で喜びをかみしめる。

 アディショナルタイムは5分。両者譲らず、競り合いの時間が続き、このまま試合終了かと思われた後半51分。
 最後まで諦めないプレーを見せる桐蔭横浜大学からカウンター攻撃を受ける。ゴール前で混戦の末、最後は桐蔭横浜大学のキャプテンMF山内選手に押し込まれ失点。(5-2)

 その後、後半終了のホイッスルが鳴り、試合は5-2で終了となった。

  今節で関東大学サッカーリーグ戦、全22試合が終了し、日本大学は18年ぶりの関東1部リーグを4位でフィニッシュ、全日本大学サッカー選手権(インカレ)へ出場する。全国の舞台は12月7日(木)から始まる。

 同日11月18日(土)、社会人チーム(3、4年生)は関東社会人サッカー大会準決勝に出場し、MF千葉剛大(文理学部4年/前橋育英)、MF宮原輝(生物資源科学部4年/横浜FCユース)のゴールで関東社会人リーグ2部昇格を決めた。その翌日11月19日(日)には決勝戦が行われ、MF宮原の2ゴールで逆転勝ちを収め、歴史的な勝利および初優勝を飾った。

 また、新人戦は11月23日(木・祝)11時からAGFフィールドにて全国大会出場をかける大事な一戦、Iリーグチーム(1、2年生)も11月28日(火)から全国大会を控えている。
 TOPチーム以外にも、全カテゴリーにおいて結果を残し、常に進化をし続ける日本大学サッカー部の活躍を是非とも現地で観戦し、声援を送っていただきたい。

選手のコメント

どのような想いで試合に入ったか
まず、自分にできることを100%やろうと決めていました。
今日も必死に声を出して応援してくれているメンバーに少しでも何か感じてもらえるようなプレーをしようと心がけていました。また別の会場で社会人リーグの参入戦を闘っている仲間ともお互い良い報告をしようと約束をしていたので、チーム全員で掴んだ勝利だと思います。社会人チームも昇格を決めてくれて本当に良かったです。

結果を振り返って
前半から相手にボールを握られて守備に回る時間が増えたのですが、全員で粘り強く守り、狙いであったショートカウンターから得点を重ねることができてよかったです。
個人としては、もう少し冷静に闘うことができれば色々整理してプレーできたかなと思うので、反省点の方が多いです。
勝利に少しでも貢献できていれば良いなって感じです。

全日本大学サッカー選手権(インカレ)に向けて
チームとしては何十年ぶりのインカレ出場となるので、一戦必勝で一つ一つ闘っていきたいです。
トーナメントの闘い方などまたリーグとは違った難しさがあると思いますがインカレ初戦までの約3週間の期間で更にチームとしても完成度を高めていきたいと思います。


文責:土井優七(法学部新聞学科2年)
画像:日本大学サッカー部 広報班
 

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