4月28日(日)に第13回関東大学春季交流大会Bグループ第2節がホームの日本大学アスレティックパーク稲城ラグビーフィールドにて行われ、日本大学ラグビー部が筑波大学と対戦し29-26で勝利。同校相手に5年ぶりの勝利を挙げ、白星スタートとなった。

新年度スタート後、東日本大学セブンズ・コンソレーション優勝、関東大学リーグ戦セブンズ・チャンピオンシップ優勝と7人制大会で好成績を残した日本大学ラグビー部がいよいよ15人制での春季大会開幕戦を迎えた。

初戦の相手は筑波大。近年ユース世代の日本代表クラスがメンバー表に並び、昨年の全国大学選手権はベスト8の強豪だ。日本大にとっても、2019年の春季大会での勝利を最後に負けが続いており、昨年は6月18日に対戦して19-69で大敗したチームである。

今年の四宮組が2月にスタートして以降、「努力は裏切らない」と信じて、フィジカル、フィットネスを徹底して強化してきたシーズンオフ期間だった。各学部キャンパスが各地に点在している日本大にとって、全員が必ず揃う朝練を着実に積み上げて、伝統のスクラム強化も一から基礎を鍛え直してきた。それ故、筑波大というタレント選手の集団に、雑草軍団・日本大学ラグビー部がチャレンジャーとして臨む新チームのスタートでもあった。

照りつける太陽の下、気合い十分で臨んだキックオフだったが、開始6分先制トライは筑波、ゴールも決まって0-7。日本大は硬さが残る気負いの状態。16分に日本大、24分に筑波大がそれぞれトライ・ゴールを決めて7-14。前半終盤33分にセコナイア・ブル(文理学部4年・大分東明)がパワーでゴールラインを割るも、コンバージョンは失敗。前半を12-14で終える。

ハーフタイムでは、選手一人ひとりが課題を確認。冬の期間に鍛えてきたストレングスの強さには自信があったので、後半40分間、とにかく走り負けず、出し切ろうとまとまった日本大。

後半先にトライをとったのは16分力強いランからのジョアペ・ナコ(スポーツ科学部4年・大分東明)。頼れる副将のトライで17-14とこの日初めて相手をリードした。その後も、22分には冬期間にU20代表候補合宿へ連続で招集され続けて成長著しい大宮碧海(文理学部2年・御所実業)のトライで22-14。しかし、連続トライもゴールが決まらずリードが広がらない。
むしろ、筑波大が猛反撃で29分、32分と連続トライで22-26と再逆転を許してしまう。

それでも、日頃の自分たちの練習に自信を持っている日本大は慌てる事はなかった。ピッチに立つ15人も、試合を見守る他の部員やスタッフも、ここが勝負どころと捉えたマイボールスクラム。上手くコントロールをしてスクラムを支配、そこから連続攻撃で、最後はSH福田涼平(商学部3年・京都成章)がラックサイドの一瞬の隙を突きトライ。最後は後半35分に入替出場した黒嵜柊希(文理学部2年・中部大学春日丘)がゴールを決めて29-26。その後は筑波大の猛攻を耐えてノーサイド、筑波大に5年ぶりの勝利となった。
昨年の苦しいシーズンを経て、地道に重ねた努力が実を結んだ瞬間であった。

次戦は、5月12日(日)12時から日本大学アスレティックパーク稲城ラグビーフィールドにて、昨年14-26で惜敗した立教大学と対戦予定。
筑波戦での課題を克服するため鍛錬を重ねてきた日大は、次戦も自分たちの強みを出し切れるか注目が集まっている。

なお、筑波大戦後には7人制日本代表の育成プログラムである男子セブンズシニアアカデミーに日本大学ラグビー部から久保大志郎(スポーツ科学部3年・國學院栃木)、後藤翔大(文理学部2年・佐賀工業)、徳永優太(文理学部4年・佐賀工業)、西山宏(経済学部4年・鹿児島実業)、用松寛伸(文理学部2年・石見智翠館)、筒井晴太郎(危機管理学部2年・中部大学春日丘)と一挙5名が招集された。前述の大宮も含めて、そのほとんどが高校時代から日本代表に縁がなかっただけに、大学入学後の成長が著しい。アスレティックパーク稲城パフォーマンスセンター等のトレーニング環境に加え、指導体制を見直すなどサポートの充実化を行ってきた。厳しい練習を選手と指導者が一体となって、積み重ねているのは間違いない。

また今年、チームが制定した「日本大学ラグビー5訓」の択友という項目で、ホームゲームでは必ずアフターマッチファンクションを行う事を定めた。ラグビーのノーサイドの精神で、筑波戦後には両チームが交流。このような場面からも、様々な事を吸収し、心身ともに成長していくのが今年の真骨頂である。

順調な滑り出しとなった日本大学ラグビー部。ハリケーンズの名のとおり、再び大学ラグビー界の台風の目となっている。

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