5月11日(土)天皇杯東京都予選決勝戦が味の素フィールド西が丘で行われた。日本大学サッカー部は、48年ぶり3回目の本大会出場を賭けて、社会人代表の横河武蔵野FCと対戦した。後半、コーナーキックから失点し1点リードされたまま後半ロスタイムに突入。誰もが力尽きたかと思われたラスト1プレーで劇的な同点弾。勢いそのままに延長戦も主導権を握るものの得点を奪い切れず、PK戦の末に敗戦。48年ぶり3回目の本大会出場を逃した。

 準決勝で社会人代表のエリース東京との打ち合いを制し3−2で勝利し決勝に駒を進めた日本大学は、同じく準決勝で学生代表の早稲田大学に3−1で勝利した横河武蔵野FCと天皇杯本大会出場を賭けて決勝戦を戦った。

横河武蔵野FCのキックオフで前半が始まると互いにロングボールを利用して相手陣内でのプレーを選択する流れとなり、トーナメント戦ならではの戦い方となった序盤。前線からのアグレッシブな守備でペースを握りたい日本大学であったがシンプルにロングボールを入れてくる相手に対して前線からの守備が上手く機能しない。一方の横河武蔵野FCは大学生を相手に要所要所で仕掛けてくる経験値を生かした社会人チームらしい戦い方で日本大学にボールを握られても決して慌てず、一瞬の隙に狙いを定めているかのような戦い方であった。

最初のチャンスは横河武蔵野FC。得意とするコーナーキックを獲得し日本大学ゴールに迫るも風に流されノーチャンスに。
一方の日本大学は前線からのプレスでボールを奪うとテンポ良くつなぎ、最後はFW熊倉弘達(法学部4年/前橋育英高校)がミドルシュートを放つが大きく外れた。その後も熊倉は小刻みなステップから相手DFを翻弄しシュートを放つも相手GKのビッグセーブでゴールネットを揺らすことは出来ない。互いにチャンスを作るものの得点につながらず0−0で前半を折り返す。

 後半は日本大学のキックオフ。後半開始から互いに仕掛ける展開になると、横河武蔵野FCのビッグチャンス、左サイドからのクロスに反応した石原選手のシュートはわずかに枠を外れる。一方の日本大学は中盤でボールを奪うと一気にゴール前へ。MF熊倉弘貴(法学部4年/前橋育英高校)の左からのクロスにMF植木颯(経済学部3年/日大藤沢高校)が反応、ワンタッチで折り返すとゴール前に走り込んだFW熊倉がフィニッシュ、正面からのシュートは上手くミートせず枠を捉えられなかった。

 後半14分、試合が動く。横河武蔵野F のコーナーキック、新関選手に上手くヘティングで合わされ失点を許す。
1点を奪った横河武蔵野FCは、このまま逃げ切りたいことから、守備をベースからカウンターを仕掛ける意識となったが、同点に追い付きたい日本大学にとっては、それが脅威となり、幾度とゴール前でビックチャンスを作られた。
後半の残り時間も少なくなってくると徐々に日本大学ペースとなり、横河武蔵野FCゴールに迫るが得点は奪えない。
ロングボールやコーナーキープなど、時計の針を進めたい横河武蔵野FCに対し、何としても同点にしたい日本大学は前線に圧力を掛ける。

キッカーはMF猪ノ毛日向(文理学部4年/町田FCユース)、GK岡本亜鶴(経済学部2年/日大藤沢高校)もゴール前に送り込み、最後の一瞬に望みを賭ける。蹴り込まれたボールは右に流れてしまったものの、MF植木が反応し、MF大久保帆人(法学部2年/前橋育英高校)とつなぎクロス、コーナーキックを蹴ったMF猪ノ毛が逆サイドで反応し再び折り返す。それに反応したのは國枝蒼空(スポーツ科学部1年/横浜FCユース)がゴール正面で豪快に蹴り込み土壇場で同点に追いついた日本大学。
会場のボルテージは一気に上がり、このまま後半戦が終了、延長戦に突入となった。

 勢いそのままに延長戦を制したい日本大学であったが、僅かな休みでリセットしてきた横河武蔵野FCを畳み掛けることが出来ない。互いにチャンスを作るも延長戦では得点は生まれずPK戦へ。
PK戦は互いに1人ずつ外す展開となり6人目のキッカー。横河武蔵野の平野選手が決めると、後攻の日本大学のキッカーは平尾勇人(文理学部2年/四日市中央工業高校)、右足から放たれたキックはGKに阻まれ、試合終了となった。

 48年ぶりの天皇杯出場を掴み取れなかった日本大学サッカー部。しかし、この一戦でチーム目標の中に「天皇杯出場」という一つとして加わったことだろう。
惜しくも敗れたがピッチに立つ学生、ベンチの学生、応援をするスタンドの学生、大学生代表として相応しい戦い・立ち振る舞いに敬意を表したい。

 

 関東大学サッカーリーグは次節5月18日(土)18時30分からアウェイの関東学院大学金沢八景キャンパスグラウンドにて第5節の関東学院大学戦が行われる。2023年度関東大学サッカーリーグ2部を準優勝し、昇格組として挑んでいるチームである。
敗戦を引きずることなく、チーム一丸となって準備します。社会人リーグ・Iリーグ・新人戦も含めて、引き続きご支援とご声援のほどよろしくお願いいたします。


文責:髙森望(生物資源科学部3年/横浜隼人)

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