日本大は、5月30日、東都大学野球春季リーグ戦、国学院大との第4週第3回戦の未消化試合で今季最終戦に臨み、惜しくも敗れ勝ち点を落とし6勝7敗で今季を終了。勝ち点2で亜大と並んだが、勝率で及ばず、4位が確定した。
チームとして悲願の優勝にあと1歩だったが、個人成績は輝かしい足跡を残した。
この試合、先発のエース、市川祐投手(法3年・関東第一)は2回に崩れ2失点すると、3回にも1失点し3回2/3を投げ4安打3失点。今季8試合を投げ4勝3敗で終了した。2点を追う3回裏、2点を追う3回、1死一塁から谷端将伍内野手(経済3年・星稜)は右越え適時三塁打で1点差に詰め寄った。谷端は9回にも中前打を放ち4打数2安打で打率を上げ、中大の繁永晟内野手と並ぶ3割2分7厘で、リーグトップの4本塁打で首位打者。市川は青学大の児玉悠紀投手と同票で最優秀投手を獲得。それぞれベストナインも獲得した。谷端は「リーグ戦が始まる前から1つの目標だった。うれしいけど、チームが優勝できなかったことが悔しい。秋は自分が打って勝ちゲームにできる試合が多く作りたい」と、前を向いた。

2カード終了後、1週間の空き週にチームを見直し。ミーティングで深めたチーム力

1度は優勝争いにも食い込んだ今季。その原動力は2カード後、1週間の空き週にあった。チームは開幕の亜大戦で勝ち点を落としたが、その反省を生かし、立て直した。橘田陸斗主将(経済4年・山梨学院)は「守り勝つ野球を目指してるのに、守備、走塁の課題が多かった。昨秋から取り組んできたことを思い出して、空き週は練習をしました」。亜大との2試合で5失策で走塁死2、けん制死は1。攻撃も、打つべき球を絞りきれずに、ここというところで得点ができなかった。
選手たちはミーティングで徹底的に話し合った。「どこがダメだったかを、まずはメンバーに1人ずつ聞いていき、他の選手たちにも、意見してもらいました。全員で解決したかった。みんなで作るチームを作りたかったので」。練習してきたことが、発揮できない。その根底にあるのは、チーム力。ここで1度、お互いの気持ちを通い合わせた。「1人のミスも、チームの課題として取り上げ、話し合いました」。後輩たちの声にも耳を傾けた。誰もが感じていたことを本音で話し合った。
プレーの内容にもこだわった。「何となく、打てていたので、チームの中には『打てればいいや』という感覚があったんです。でもそれは違う。やはり目指すは『守り勝つチーム』。最後に1点勝っていればいい。そのためには、もう1度、原点に帰り、走塁、守備を徹底しよう、と。空き週は走塁、守備の意識を高めました」。派手なプレーはいらない。ワンバンでいいから確実なアウトをとる。正確なプレーを徹底した。
攻撃も見直した。「チャンスで得点できないのはなぜかをみんなで話しあって。ボール球を振らされているよね、と。その修正をしました」。チャンスのときの狙い球、傾向を分析し、1本で仕留める力を見極めた。空き週後の4月30日から5連勝。首位を走る青学大から勝ち点を奪い、戦国東都の厳しさを演じた。片岡監督は「去年からガラッと変わった中でよく頑張ったと思う。そこはチームとして自信にしたい」と、振り返った。

成長を続ける選手たちとともに、来季こそは優勝へ

タイトル獲得の選手を2人擁し、あとはこれを勝利につなげる。片岡監督は「力を上積みするには練習しかない。走塁の状況判断、状況に応じてどんなバッティングをするのか。もう1度チームとしてやるべきことをしっかり見直し、課題を克服していきたい」と、今季を総括した。
来季こそは優勝へ。成長を続ける選手たちの力が、実を結ぶ。

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