新春の箱根路を、ピンクの襷が再び駆け抜ける−−2025年10月18日(土)、第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)予選会が東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地から国営昭和記念公園を回るコースで行われ、日本大学陸上競技部特別長距離部門はチーム一丸の力走を見せて総合4位(10時間32分57秒)に入賞。見事に3年連続92回目となる箱根駅伝本戦(2026年1月2日・3日)の出場権を獲得した。
予選会は、各校10〜12名がハーフマラソン(21.0975km)を走り、上位10名の合計タイムで順位を競う。
暑さ対策として例年よりスタートが約1時間早まった午前8時半、42チーム約500名のランナーとともに、本学の12名の選手たちが「3位以内での予選突破」というチーム目標を達成すべく力強く走り出した。
レース序盤から先頭集団を引っ張ったシャドラック・キップケメイ選手は、個人での大会3連覇を目指していたが、残り1km付近でスパートをかけた山梨学院大のキピエゴ選手に離され、2位でのフィニッシュとなった。
一方、後続は中澤星音主将をはじめとするグループと、長澤辰朗選手らのグループの2つに分かれ、集団走を展開。夏合宿で徹底的に培ってきた成果を見せ、7人が63分台を記録する好走でフィニッシュした。
レース後、控えテントの前では、手応えを感じながらも落ち着かない様子だった選手たち。運命の「結果発表」で4番目に大学名が読み上げられると、中澤主将の掛け声で一礼した後、一様に安堵した表情を浮かべ、静かに喜びを噛み締めていた。
レース後の選手たちのコメント
中澤星音主将(経済4・一関学院)【日本大学陸上競技部特別長距離部門】
ハーフの自己ベストでチーム内日本人トップ 主将・中澤 星音(経済4・一関学院)
予選会を4位で突破できたことは本当にうれしいです。個人としてはタイムを出せたので満足いくレースになりましたが、チームとして「3位以内」を目標としていた中で課題も残るレースになったので、その部分では全く満足していません。今年の箱根駅伝で最下位という結果に終わり、そのリベンジを何としても果たさないといけないという気持ちでやってきて、そのスタートラインに立てたので、あと2ヶ月、もう一度気を引き締めてやっていきたい。前回大会を確実に、そして遥かに超えていけるような箱根駅伝にしたいと思います。
また、2週間後の全日本大学駅伝は、今日のレースで見えた課題を修正しつつ、その中でどこまでいけるかというのを全員で挑戦していきたい。3年ぶりなので挑戦者の気持ちで走りたいと思っています。
残り1㎞付近を走るシャドラック・キップケメイ選手 【日本大学】
個人で全体2位 シャドラック・キップケメイ(文理3・イリギタティ[ケニア])
今日の走りは悪くなかったです。トップでゴールしたかったけれど、ラスト1kmはキピエゴ選手(山梨学院大)が速かった。(個人3連覇を逃し)悔しい気持ちはあるけれど、大事なのはタイムですし、3位以内だったからOK。箱根本戦では2区のラスト3kmを頑張りたい。戸塚の坂は考えないようにしています(笑)。
チーム内3番目の好走 山口 彰太(文理3・佐野日大)
昨年よりタイムが伸びていたし、もう少し上の順位に行きたいと思っていたのでレース的には30点くらい。チーム内日本人トップになれなかったのが悔しいです。チーム全体のレベルが上がってきているので、本戦でのシード権を目指して、これからさらに頑張っていきたいと思います。
セカンドベストを記録 天野 啓太(法3・岡崎城西)
公園内に入り15・16kmあたりは結構いっぱいいっぱいでしたが、粘ることができました。結果的に63分前半のセカンドベストで走ることができ、チームにも貢献できたので満足しています。ただ、走りとしてはもう少しというところであるので、ここからまたしっかり練習して、箱根駅伝を走れるようにしていきたいです。
全日本大学駅伝は、地元なので任された区間をしっかり走りたいと思っています。
チーム内5番目で昨年の雪辱 鈴木 孔士(法4・中越)
本来はもっと前の方で走らないといけなかったところでした。それでも、しっかり全体を見て、行けるところで後ろから上げていくというのができて良かった。途中きつくなるところもありましたが、いろんな方から声を掛けていただき頑張ることができました。
安定の走りで集団を牽引 副将・大仲 竜平(スポーツ科4・北山)
予定通り10km過ぎから、落ち着いて周りを見ながら集団を引っ張ることができました。タイム的にはあまり良くありませんが、最低限のレースができて良かったと思います。来年1月の箱根本戦では、強い日本大学を見せられるように頑張ります。
2週間後の全日本大学駅伝でも、走る区間を任されたらしっかり自分の役割を果たしたいと思います。
反省を次のレースに活かす 山口 聡太(文理3・佐野日大)
チーム内で日本人トップを目指していましたが、後半思うようにペースアップできず、ずるずる行ってしまったので、練習不足を感じました。本来だったら先頭で勝負しなきゃいけないと思っていましたが、それができなかったので、まだまだ頑張らないといけないと思います。
昨年から大幅にタイム短縮 長澤 辰朗(文理2・中越)
今日は第2グループで序盤は楽に行って、公園に入って16kmからしっかりスピードアップしていこうという作戦でしたが、自分としてはやりたいことが最低限できたと思っています。去年(チーム内10番目)よりはいい位置で帰ってこられた(チーム内8番目)ので良かったのですが、課題も見つかりましたし、まだまだ自分はできると思っているので、本戦に向けてさらに成長していきたいと思います。
初めての予選会で奮闘 𣘺本 櫂知(スポーツ科2・学法石川)
この夏の練習を通じて自信を持って予選会に挑めたのが良かったと思っています。ただ、13kmくらいまでは余裕を持っていましたが、そこから足がきつくなってしまい、後半の公園内での勝負所で上げることができなかったことが反省点です。
全日本大学駅伝に向けて、チームとしての目標に貢献できるように、さらに練習を積んでいきたいと思います。
チーム10番目でフィニッシュ 片桐 禅太(法3・中越)
初めて予選会を走るメンバーに選ばれ、3位以内というチーム目標にしっかり貢献したいと思って臨みました。目標タイムには届きませんでしたが、チームで10番目に入り、予選通過に貢献できる走りができたと思います。全日本大学駅伝、箱根本戦に向けても、主力として定着していけるように、これからの練習や調整を通じて、監督やチームから信頼される選手になっていきたいと思っています。
予選会メンバー入りも欠場 小路 翔琉(法4・鹿児島城西)
自分が走って予選会突破を決めたかったので残念ですが、チームのみんなに助けられたという感じです。本戦に向けて、またしっかり調整していきたいと思います。
1年生で唯一のエントリーメンバー入り 奥村 櫂陸(文理1・大牟田)
予選会は走れませんでしたが、先輩方が箱根本戦や全日本大学駅伝を走るチャンスをつないでくれたので、そこに合わせていって今日の悔しさをぶつけていきたい。1年目からこの雰囲気を味わえているのは自分だけなので、この経験を同期にも伝えていき、来年4年生が抜けるところを自分たちが補っていきたいと思っています。
チームを支える荒木日成主務(法4年・学法石川)
チーム目標が3位以内だったので、そこはちょっと悔しさもありますが、予選突破できたことは良かったと思います。チームの現状をしっかり確認して、次の全日本大学駅伝に向けてもう一回気を引き締めて、頑張っていきたいと思います。
今後の復調に期待 山口月暉選手(法3・鳥取城北)
ケガで予選会を走れなかったのは残念でしたが、最大の目標は箱根駅伝本戦なので、そこに向けてしっかり調整していきたいと思います。
新雅弘監督 (1983年・経済学部卒)
予選会クリアを第一目標として、夏は集団走ばかり去年よりレベルを上げてやってきたので、今回はそれが上手くいきました。ただ、選手は3位以内を目標にしていたところで、それを達成できなかったというのは、まだ力が足りないということ。本戦に向けては、一人で走れるような練習をスピードアップしてやっていきます。今のままでは本戦でシード権を獲るのは難しいけれど、シード争いに関わっていけるように頑張っていきたいと思います。
応援に駆けつけた2年前の主将 下尾悠真選手(2024年・文理学部卒、現NTN陸上競技部)
2つの地点で選手たちの走り見ましたが、集団走もしっかりできていましたし、余裕を持って走っているように見えたのでいけると思っていました。予選会をしっかり突破してくれたので、本戦もどこかで応援しながら結果を見届けたいと思います。箱根駅伝前日にニューイヤー駅伝がありますが、学生たちからも刺激をもらっています。

4位通過で3年連続の出場を決めた。 【日本大学】

「第4位 日本大学」がアナウンスされ、一礼した選手たちは、その後も落ち着いた様子で成績発表を聞いていた。 【日本大学】

日本大学校友会がまとめ役となり、応援リーダー部Dippersと吹奏楽研究会が選手たちを応援。 【日本大学】