最下位に終わった今年の箱根駅伝。巻き返しを図るべく、日本大学陸上競技部特別長距離部門は成長の鍵を握る夏合宿を8月上旬から北海道釧路市でスタートさせた。選手それぞれが、さまざまな想いを抱いてハードな練習に取り組む中、主将として2年目を迎えた中澤星音選手(経済4・一関学院)は、「箱根を戦えるチームを作り、走りでも貢献したい」と意気込みを見せる。2度の箱根駅伝で喜びと悔しさの両方を味わった中澤主将は、静かに闘志を燃やしている。

昨年、初めての箱根駅伝で9区を走り、繰り上げスタートまであと33秒というところで、伝統のピンクのタスキを繋ぎ切った。新チームとなる際に4年生から指名され、3年生ながら主将に就任。試行錯誤しながらチームをまとめてきた。

しかし、怪我の影響で昨秋の箱根駅伝予選会は走ることができず、本戦もエントリーから外れた。チームは9区で無念の繰り上げスタートになるなど周囲の期待に応えることができず、主将としての責任も感じている。
「自分たちのやってきたことにまだ甘さがあったと思います。前回は最後までタスキを繋げただけに、今回つなげられなかったことがなおさら悔しい。次回は何としてもタスキを繋ぎ切らないといけないという思いがより強くなったし、予選会を確実に勝ち上がって、箱根でしっかり戦えるチームを作っていこうという意識が高まりました」

そうした中、新チームの学生幹部で話し合って、今季のチームスローガンを『古櫻(こおう)復活』に決めた。前々から「古豪復活」という言葉は意識していたが、「予選会突破とその先を考えた時に、そのままではちょっと味気ないなと。せっかくなら、桜色のタスキもあるので『櫻にしよう』ということになりました」

しかし、主将としての2年目が始まった矢先の1月末、今度は肺気胸を発症し絶対安静。その後、運動できるようになるまでに約2ヶ月を要した。

「昨年、故障で満足に走ることができず、今年こそはと意気込んでいたところだったので、何をやっているんだという思いでした」と言い、「今は主将という肩書きだけではなく、一選手としてもチームに貢献できる走りで引っ張っていきたいと強く思っています」


チームの成長には選手個々の考え方・取り組み方が重要だと話す中澤主将。
「どういう走りをしたいのか、選手一人ひとりがプランをしっかり持たないといけない。監督や周囲に言われてではなく、自分たちでこういう走りをしたいと考えられるようになることが必要だと思います」
同時に、「昨年の失敗は、何より体調不良者が出てしまったこと。体調管理やチューニングをしっかり行っていきたい」と課題も口にした。

個人として「10000mならば28分50秒を切りたいし、ハーフマラソンなら62分台から63分前半」とタイム目標を持っているものの、「箱根予選会ではタイムより、チーム内でどれだけ上位で走り切るかを目指したい」と言い切る。
3年ぶりの出場権を獲得した全日本大学駅伝についても、「意識はするけれど、予選会の延長線上に全日本があって、その先に箱根駅伝があるという道筋を間違えたらいけない。まずは予選会に集中して取り組み、箱根駅伝出場を勝ち取ること。チームをそこへ導くためにどうすればいいかを意識してやっていきたい」と、静かに決意を語った。

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