
北海道釧路市での合宿模様 【日本大学】
最下位に終わった今年の箱根駅伝。巻き返しを図るべく、日本大学陸上競技部特別長距離部門は成長の鍵を握る夏合宿を8月上旬から北海道釧路市でスタートさせた。選手それぞれが、さまざまな想いを抱いてハードな練習に取り組む中、ケガが癒えた花輪琉太選手(文理2・鹿児島城西)の飛躍が期待されている。(取材日:8月15日
中学ではサッカー部で活躍していたが、最後の大会の後に声を掛けられて駅伝大会に参加。そこで走ることの楽しさを知った花輪選手は、進学した鹿児島城西高校では陸上競技に取り組むことにした。力をつけた2年生の頃から大きな大会で出走するようになり、高校3年の時には全国高校駅伝に出場して都大路を走った。
日本大学へは、高校で2学年上の先輩たちが在籍していることと、高校駅伝の名将として知られる新雅弘監督が就任したことで、「自分の成長につながるだろうと思って選びました」。
大学での練習は厳しいものであったが、それ以上にケガに悩ませられる日々が続いた。
「昨年は4ヶ月ほどしかまともに練習できませんでした。足首をねんざすることが多く、それがずっと長引いてしまいます。箱根予選会以降も、今年の6月ぐらいまで全く練習できずにいて、ようやくこの夏から走り始めるようになりました」
そうした苦しい状況の中でも、長距離ランナーとしての成長は確かに感じている。
「高校まではジョグでも距離を踏めていませんでしたが、大学ではジョグの距離が増えて、オフの日に1人で走る時もだいぶ距離を踏めるようになったので、スタミナはついてきているように思います」

花輪琉太選手(文理2・鹿児島城西) 【日本大学】
昨年の夏は2次合宿からの参加となり、「釧路は今回が初めて。涼しくて走りやすい」という。「結構きついですね」という練習では、「“ケガをしない体作り”を意識しています。かなり距離も踏んでいるので、ケガに気をつけながら取り組んでいきたい」と口元を引き締める。
また、一次合宿には6人の1年生が参加している一方、2年生は3人だけ。1年生の頑張りに危機感を持っていると言い、「同期(長澤選手、𣘺本選手)とは、自分たちが2年生を引っ張っていかないと、と話をしています」。
「僕たちの学年は人数が多くいますが、ケガなどで走れていない人の方が多い。ほかの2年生たちを “やらないといけないんだ”という気持ちにさせるために、まずは僕たちが結果を残していくことが大事だと思っています」
その意味でも、花輪選手が今年の夏に賭ける思いは強い。
「この夏、Aチームの合宿をしっかり乗り切れば、秋冬でのタイムも変わってくると思う。まずは10000mで28分台を出して、箱根予選会のメンバーに絡んでいきたい。そして来年以降は、上級生としてチームの中心になれるように成長していきたいと思っています」

闘志を燃やして走る花輪選手 【日本大学】