愛媛県総合運動公園(松山市)で開催されている、大学テニスの日本一を決める団体戦「2025年全日本大学対抗テニス王座決定試合(男子第79回/女子第61回)」。日本大学テニス部男子は、10月26日(日)に前日サスペンデッドになった近畿大との準決勝S3を快勝して決勝進出が決定。休憩を挟んだ午後から、王座連覇を賭けて 早稲田大との決戦に挑んだ。

雨の影響で2日越しの戦いになった近畿大との準決勝。ポイント4-2とリードし、決勝進出に王手を掛けて迎えた中で、シングルス残り3試合が行われた。
アウトドアコートは前夜の雨が残り、試合実施に向けてコート整備を進めていく一方、インドアコートで午前10時からS3・髙悠亜選手(スポーツ科4・関西)の試合がスタート。「昨日、天気が怪しくなってきた時から、明日になりそうだなと思っていたので、モチベーション維持できたまま臨むことができました」というた髙選手は、立ち上がりから主導権を握り、2度のブレークを含む5ゲームを連取するなど第1セットを6-1で獲った。

続く第2セットも、3ゲーム目と5ゲーム目をブレークして6-2と完勝。中でも「今日はサービスがとても好調でした」という高選手の言葉通り、要所でサービスエースを10本以上決めて試合の流れを渡すことがなかった。
このS3の勝利でポイント5-2となり近畿大を撃破。関西大を破り決勝進出を果たした関東地区第1代表の早稲田大と、関東勢同士で優勝を争うことになった。
髙選手は「近畿大さんは強敵でしたが、しっかり5-2に抑えて勝つことができた。チームもいい状態にありますし、個人的にも絶好調です」と、午後の決勝戦に向けて自信をのぞかせた。

また、主将の丹下颯希選手(文理4・新田)は、「どこの大学もS4・5・6が強く、勝負はどうなるかわからないところありましたが、最後は髙選手がしっかり締めてくれました」と準決勝を振り返り、「決勝戦はまずダブルスを3-0で獲って、明日(27日)のシングルス6本にいい流れを持っていけるようにしたい」と話す。
丹下選手にとっては地元・愛媛で迎えた最後の王座決定戦。「小さい頃から王座決定戦を見てきたこの舞台で、最後の戦いをさせてもらっているので、しっかり勝って優勝して終わりたいと思います」と決意を口にした。

「昨日はシングルスで2つ負けてしまいましたが、S3の山田矢音選手(スポーツ科3・東海大菅生)が勝ったことが大きかった」と話す山田眞幹監督。決勝戦を前に「ここまでいい流れで来れたので、この勢いで決勝も戦っていきたい。早稲田大には関東リーグで負けているので、その雪辱を果たせるように、ダブルスを3-0か2-1でリードしてシングルスを迎えるようにしたいですね」と話した。

午後3時過ぎに始まった決勝戦のダブルスは、3試合とも白熱の戦いとなった。

D1の小泉熙毅選手(通信4・浦和麗明)・山田選手ペアは、第1セットを7−5で獲ると、第2セットも勢いに乗って2ゲームをブレークして6-2で獲り、幸先よく1勝を挙げた。
「ブレークしづらいビッグサーバーの相手でしたが、しっかりブレークできたのが大きかった。逆に自分たちのサービスゲームは1回しかブレークされなかったのが勝因だと思います」という山田選手。第1セットの相手の動きに対応して、第2セットは戦術を変えることを休憩中に話し合ったこともポイントだったと話す。
明日のシングルス戦に向けて小泉選手は、「丹下・高の強い2人に頼り過ぎないで、自分で決めるつもりで頑張っていきたいと思います」と勝利を誓い、山田選手も「今まで頑張ってきたことをしっかり発揮して、勝てるようにしたいと思います」とチームへの貢献を誓った。

D2の丹下選手・高畑里樹選手(文理3・相生学院)も第1セットを6-4で獲ると、第2セットも5-3として勝利まであと1ゲームとなった。しかし、ここから早稲田大ペアの反撃にあい、4ゲームを連取され5-7で失った。勝負のタイブレークも5―10で落とし、逆転負けを喫した。
丹下選手は、「勝ちを意識してしまいました。自分のミスが続いて流れを悪くてしまった」と唇を噛み、「明日はその分を取り返します」と前を向いた。

最後まで手に汗握る戦いとなったのが、D3の髙選手・木村一翔選手(スポーツ科1・関西)ペア。第1セットを3-2から逆転され5-7で落としてしまうが、トイレブレークの際に高選手が「楽しんで行こう」と、悔しがる木村選手に声を掛けた。すると第2セットを6-4で取り返し、決着はタイブレークへ。息詰まる攻防が続き、ポイントを獲るたびに両校の応援のボルテージが上がっていく。最後は相手のリターンがアウトになり15-13で本学ペアが勝利。両校のチームメイトはもちろん、激戦を見守ったスタンドの観客からも4人の選手に惜しみない拍手が贈られた。

想定していた通りの2-1でダブルスを終えた山田監督は、「明日のシングルスで何として3つ獲って、早稲田大にリベンジして部史上初の王座2連覇を果たし、新しい歴史を作っていきたいと思います」と、言葉に力を込めた。

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