愛媛県総合運動公園(松山市)で開催された、大学テニスの日本一を決める団体戦「2025年全日本大学対抗テニス王座決定試合(男子第79回/女子第61回)」。昨年覇者として臨んだ日本大学テニス部男子は、10月26日(日)からの決勝戦で第1シードの早稲田大と対戦し、2日間にわたる熱戦の末にポイント7-2で勝利。創部以来初の大会2連覇、通算5度目となる大学王座に就いた。それは、王者の誇りを胸に戦った選手たちと、彼らを支えるチームメイトたちの、チーム一丸の強い思い、熱いコミュニケーションの結実だと言えよう。

2年連続大学日本一という栄冠は、試合を戦った選手たちはもちろん、彼らを支えるサポートメンバーをはじめ、さまざまな役割を担ってきた部員やスタッフ、指導者など、全員が気持ちを1つにして一丸で戦ってきた成果にほかならない。
試合中、選手と二人三脚で戦っていたベンチコーチもその1人。1プレーごとに大きな声で選手を鼓舞し、レストタイムにはコーチングをしたり、叱咤激励して選手の気持ちを盛り上げる。その姿は、プレーヤーに勝るとも劣らないほど印象的だ。

主将としてチームを牽引してきた丹下選手を、ベンチコーチとして支えてきたのが、柴田昂樹選手(文理4・誠英)。「学部学科も同じで授業にいくのも一緒、寮の二段ベッドも上下の関係だし、入学当初からずっと仲がいい」(丹下選手)と、まさに気の置けない二人。「ベンチコーチを誰にするか提出しなければいけない時でも、柴田が勝手に僕のところに自分の名前を入れてました(笑)」

「元気と気合だけは自信がある」という柴田選手は、「選手に一番近いところで応援して勝たせるのがベンチコーチの大事な仕事。選手をファイトさせて勝たせるために、自分の声量や気合で盛り上げ、選手にも声を出させています」と胸を張る。
2年生のリーグ戦時から、試合に挑む丹下選手をサポートしてきたが、「彼は僕よりも技術的に上なので、細かい部分では言うことがない。『足を動かして』とか、常にやらなければいけない基本的ことを声掛けして、鼓舞していくのが役割」という。そうした柴田選手に対し、丹下選手も「いつも大きな声で応援してくれて、ミスをした際も励ましてくれる。柴田の応援に力をもらっていますし、応援のおかげで勝つ試合も多くあります」と感謝を口にした。
「自分で言うのはなんですけど…丹下には絶大な信頼を置かれていると感じます」と、はにかみながらも誇らしげに話す柴田選手の言葉に、二人の絆が垣間見えた。

また、プレーする選手たちにもひけをとらない存在感を見せていたのが、S3を戦う高選手のベンチコーチを務めていた原田和哉選手(スポーツ科4・鳳凰)
高選手がポイントを獲るたびにベンチから勢いよく立ち上がり、大きな声で「カモーン!」と叫びながら、拳をにぎりしめた両手に力を込めてのガッツポーズを見せる。180cmを超える高身長と相まって、そのアクションはとても力強く、他のチームメイトもそれに呼応するように湧き立ち、それが選手のメンタルにパワーとなって伝わっているように感じる。

「2年前、愛媛で開催された王座の時に、先輩たちが僕の好きなようにやらせてくれたのが始まり。その頃から、周りを巻き込んで応援していくスタイルでやってきました」という原田選手。応援される選手からもその “魂のガッツポーズ”は好評だという。
「高校時代、レギュラーとして団体戦を戦った経験もありますが、そこで感じるプレッシャーはけっこう大きかった。その経験から、日本大学を代表して戦ってくれている選手たちが、少しでも気持ちが楽になればいいし、緊張をほぐしてあげることができればいいなという思いで、周りを巻き込みながら選手を鼓舞していくようにと心掛けています」

王座連覇へ苦しいスタートになったが、それでも見事に目標達成を果たした日本大学テニス部。プレーする選手個々の力量だけではなく、その背中を後押しする仲間たちの存在と応援の力こそが、王座の称号を守るために欠くことのできないラストピースだった。

次回は連載最終話。11/11掲載予定

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