
史上初の大学柔道男女混合団体に臨んだメンバー 【日本大学】
2025年12月20日(土)から12月21日(日)、香陵アリーナ(沼津市総合体育館)において「第一回全日本学生柔道男女混合団体大会」が開催された。
本学男子柔道部、女子柔道部は合同でチームを組み本大会に参加、3位入賞を果たした。
国内初開催の全日本学生柔道男女混同団体戦開催
クリスマスを目前にした12月20日(土)から12月21日(日)にかけてIKAI Christmas CUP「第一回全日本学生柔道男女混合団体大会」が開催された。柔道男女混合団体戦は柔道世界選手権やオリンピックで採用されている競技。本大会は男女混合団体戦の知名度向上と大学柔道界の男女の強化や柔道競技普及を目的に開催され、全国から24大学が参加した。
混合団体戦は男女3名ずつ、計6人でチームが構成される。今大会は女子3階級(57kg以下、70kg以下、無差別)、男子3階級(73kg以下、90kg以下、90kg超)の選手が出場して勝敗数を競う。6試合が終了して3勝ずつの場合はサイコロを振って対戦カード(階級)が決定、1試合を行って勝敗を決める。試合時間は4分間、勝敗がつかない場合は時間無制限のゴールデンスコアとなる。
今大会の予選ラウンドは3チームずつのリーグ戦、決勝ラウンドはトーナメント戦で実施された。これまで学生の団体戦は男女別の団体戦のみが行われており、混合団体戦は初めての開催だ。会場となった香陵アリーナでは国際大会のような照明の演出や進行役のMCによるアナウンス、入場ゲートでのパフォーマンスなど観客を魅せるエンターテイメント性を織り交ぜた大会となっており、柔道の試合を会場全体で楽しもうという空気が流れていたのがとても印象的だった。

初めて男女合同のチームで試合に出場したチーム日大 【日本大学】

入場ゲートでパフォーマンスする金野、北田両監督と選手達 【日本大学】

照明で演出されたエンターテイメント性が溢れる会場 【日本大学】
「日本大学」という一つのチーム
今大会で選手、監督、コーチから共通して聞かれた言葉が「チーム力」だった。
男女混合チームは選手だけでなく、監督やコーチにとっても初めての体験。本学柔道部は男子柔道部と女子柔道部で活動拠点が異なるため合同練習はなく、普段の交流がとても少ない。今大会で初めてチームを組む選手達は合流直後こそ距離があったが時間が経過するにつれてチームとしての結束力が強くなっていったようだ。女子柔道部の近松麻耶(危機管理学部3年)は言う、「初めて男子と団体戦を組むので最初は不安がありましたが、2日間が終わって振り返ると、お互いのチーム力が合わさることで相乗効果が生まれてより強い一つのチームとして力を発揮出来たと思います。畳の上以外でも男子の練習内容を参考にしたり、アドバイスをもらったりして段々とチーム力が強くなっていきました」。

決勝トーナメント2回戦 内股と大内刈の合わせ技1本で勝利した近松麻耶 【日本大学】

決勝トーナメント3回戦 背負い投げで1本勝ちした濵田哲太 【日本大学】

決勝トーナメント2回戦 内股で技ありを奪った櫻井毬 【日本大学】
観客席に目を向けると大きな声で選手に声援を送る応援団の姿があった。男女別の団体戦ではそれぞれの応援団になると言うが、今回は男女合同の応援団が出場する選手達を後押しする。これはとても大きな力になったようだ。
「日大柔道チーム」は予選ラウンド2連勝で決勝トーナメントに進出した。

観客席には男女合同の応援団が声援を送った 【日本大学】
柔道は試合が始まれば1対1で対戦する個人戦だ。サッカーやバスケットボールのようにチームを編成して試合に臨む競技ではない。しかし団体戦となると話が変わってくる。畳の上で試合をするのは一人だが、チームとして勝敗を分ける団体戦は個人では得られない力が選手の中に芽生えたようだ。「自分のためだけではなくチームのために」。そんな想いが彼らの体を突き動かしているように感じる場面が多くあった。女子柔道部の坂東コーチは「男子柔道部と女子柔道部は普段は別々の活動になるので応援もそれぞれですが、今大会は日本大学という一つのチームとして出場する選手も応援も一体になれたと思います」と語る。

決勝トーナメント3回戦 勝利した濵田(右)が試合に向かう中田(左)に声をかける 【日本大学】
真剣勝負である以上試合結果を求めていくが今大会ではそれ以上に得られたものがある。女子柔道部の北田典子監督は試合後のインタビューで「選手は真面目に競技に取り組んでいるので試合結果を一番にこだわっていきますが、今大会ではそれ以外に普段別々に活動している男女チームの垣根を超えて力を合わせて一つのチームを作り上げる経験がとても大きな財産になったと思います。卒業後もチームメイトとしてお互いで助け合っていけるきっかけになると思います。」と言う。

男子の金野監督と女子の北田監督が同じベンチから選手にアドバイスを送る 【日本大学】
全日本学生男女混合団体戦が残したもの
今大会において「とても大きな柱」になってくれたと北田監督から名前が挙がったのが4年生の濵﨑龍真主将(スポーツ科学部4年)だ。「引退を考える選手が多い中で寡黙に引っ張ってくれてチーム全体をまとめてくれたのは嬉しい」と語る。とても楽しい大会だったと振り返る濵﨑選手は特に印象に残ったシーンはとの問いに、「男子が取られたら女子が取り返す、女子が取られたら男子が取り返す、その攻防がとても印象に残っています。チーム戦の楽しさを感じました」と答えた。

チームの支柱になった4年生の濵﨑龍真主将 【日本大学】
準決勝開始前、全選手が円陣を組むとそこに両監督、コーチも加わり、大きな掛け声が上がった。肩を組み、笑顔で声を掛け合う「チーム日大」は他の公式戦では見ることが出来ない光景かもしれない。私達は張り詰めた空気の中で勝負にこだわる姿を通して試合結果だけに注目してしまいがちだが、スポーツが持つ力はその一部分だけでは表現出来ない。仲間との絆や応援したいと思う気持ち、何よりもスポーツを楽しむことが競技力、人間力の向上に大きな影響を与えるはずだ。今大会はそのようなスポーツが持つ一面を改めて教えてくれたように思う。

準決勝直前に全員で円陣を組んで声を掛け合う 【日本大学】
「学生が楽しいと思える大会という新しいコンセプトで作った大会、今までの大会は勝てば嬉しい、負ければ悔しいという2軸でしたが、みんなで協力して勝っても負けてもみんなでエンジョイできる大会になったと思います。試合を乗り越えるごとに学生達の仲間意識が強くなり、チーム力が強くなった」。試合を終えてそう振り返える男子柔道部金野潤監督の笑顔がこの大会が持つ意味を物語っていた。

試合終了後に選手、スタッフ全員で写真に収まる「チーム日大」 【日本大学】