第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の往路が2026年1月2日(金)に行われ、3年連続92回目の出場となった日本大学陸上競技部特別長距離部門は、往路において総合成績9位でフィニッシュした。往路における一桁順位でのゴールは、第93回大会以来9年ぶりだった。

1区 山口彰太選手(スポーツ科学部3年・佐野日大)がスタート 【共同通信社】
チームが掲げる目標は、「シード権争いに絡むこと」。
昨年12月、壮行会後に行われた合同取材で語った新雅弘監督の言葉通り、日本大学チームはそのシード権争いに絡む力走を往路で見せた。
1区を任されたのは、昨年は当日変更でアンカーを任され区間15位だった山口ツインズの兄・山口彰太選手(スポーツ科学部3年・佐野日大)。
持ち味のスピードを活かすことが出来ず集団から遅れてしまうも、単独になってからは粘りの走りを見せ、1時間2分8秒の17位で2区のシャドラック・キップケメイ選手(文理学部3年・イリギタティ/ケニア)に襷をつないだ。昨年とは打って変わってハイペースとなった1区において、1時間2分8秒は前回大会であれば2位相当、100回大会では15位相当となるタイムだった。
2区はチームのエース・シャドラック選手。8.2キロ地点の横浜駅前では14位に浮上。そのままペースを落とさず、15.2キロ地点の箱根駅伝の名所・権太坂で12位に。終盤一緒になった集団から抜け出し、9位まで順位を押し上げて3区・冨田悠晟選手(法学部4年・草津東)に襷をつないだ。
惜しくも区間賞には届かなかったものの、1時間5分42秒のタイムは、第95回大会でパトリック・マゼンゲ・ワンブィさん(文理学部卒・現 NTT西日本)が持つ日大記録(1時間6分18秒)を更新し、堂々の区間2位となった。
3区でエースから襷を受け取ったのは、昨年に続き当日変更でのエントリーとなった4年生・冨田選手。
今回は二度目であり最後の箱根路でもある。昨年は当日朝に急遽3区に出場することとなったが、自身も万全のコンディションでなく区間20位と悔しい結果となった。再起を誓って臨んだ昨年の箱根駅伝予選会では、レース終盤に脱水症状を起こし不本意な結果に。全日本大学駅伝でもエントリーされるも当日変更で出走できなかった。
しかし、その後の上尾シティハーフマラソンで62分18秒の自己ベストを記録、続いて日体大記録会でも10000mのセカンドベスト(PBとは約3秒差)を出して、復調を印象付けていた。
雪辱を果たすべく臨んだ今大会、シャドラック選手から受け取った襷をしっかりつなげ切り、総合順位こそ1つ落としたものの、1時間2分30秒と昨年のタイム(1時間5分00秒)を大幅に更新。前回大会で区間8位相当の力走を見せた。
4区でその4年生の想いが込められた襷を総合10位で受け取ったのは片桐禅太選手(法学部3年・中越)。
一昨年の第100回大会では、シャドラック選手をはじめ4名の1年生がチームエントリーに入り、片桐選手もその中の1人に名を連ねた。しかし、前回の第101回大会ではエントリーから漏れ、悔しい気持ちを抱えながら、チームのために4区の定点でタイム計測を行う係を務めていた。
昨年12月の取材では「来年こそ、絶対に箱根を走るんだという気持ちで、これからの1年間を頑張っていこうと思っていました」と話していた片桐選手。「今年は今までで一番練習ができています」と言い、11月の日体大記録会10000mでは、4月の同レースより約30秒タイムを縮めて自己ベストを記録。「箱根予選会、日体大記録会と、だんだん調子が上がってきて、今が一番いい状態なのかなと感じる。箱根本戦に向けて、しっかりと準備ができていると思います」と自信を込めていた。
その言葉通り、はじめから単独走の展開も粘りの走りを見せた片桐選手。区間14位の粘走で総合10位のまま同じ中越高校の先輩・鈴木孔士(法学部4年・中越)に襷をつないだ。マークした1時間2分41秒のタイムは日大記録を更新、調子の良さを結果で証明した。

4区 小田原市内を駆ける片桐選手 【日本大学】
総合10位で襷を受け取った鈴木選手は3回目の箱根路。山登りの5区は昨年に続き2度目であり、最後の山登りだ。5区の山登りを希望していた鈴木選手だが、学業との両立の中、なかなか登りのトレーニングが行うことは難しかった。しかし環境を言い訳にせずトレッドミルなどを使い、登りのトレーニングに励んでいた。
11月の全日本大学駅伝では8区のアンカーを務め、区間9位の好走でチームの総合10位に導いた。昨年12月の合同取材時、「4年間の集大成として、シード権争いにしっかり貢献していきたい」という鈴木選手の口からは、「まずは楽しんで走るということ。そして全日本大学駅伝の時のように、皆さんの心を熱くさせられるような走りを見せたい。個人としては区間で1桁順位を目標に頑張ります」と、力強い言葉があふれていた。
そして本番、その言葉通り、心を熱くさせる走りを見せてくれた。総合10位で襷を受け取った鈴木選手は淡々とペースを刻み、3.5キロ地点で9位に浮上。表情から苦しさが感じられるものの、崩れることなく順位を守り切り、総合9位のまま芦ノ湖に到着。10位とは1分10秒のタイム差をつけ、明日の復路につなぐ渾身の走りだった。
区間9位、1時間11分59秒は昨年のタイム(1時間13分3秒)を1分以上上回る力走。自身の持つ日大記録を更新し、最後の箱根路を終えた。
往路における一桁順位でのゴールは、第93回大会以来9年ぶり。5時間25分00秒もチーム史上最高のタイムとなった。
往路9位という結果を自信に変え、明日の復路では悲願のシード権獲得に挑む。
明日の復路出発時刻は8時6分52秒、熾烈なシード権争いが予想される。