世界の舞台では小柄な方だが、「粘り強いプレーが得意」と言うとおり、軽快なフットワークと豊富なスタミナ、さらに抜群のシャトルコントロールを活かしたラリーで勝負する。

 

昨年の世界選手権は、足の怪我を抱えながらも銀メダルを獲得する快挙を成し遂げ、一躍、男子シングルスの次世代エースと目されるようになる。1年以上に及んだ代表選考レースも独走して、「特別な舞台だと思っている」というパリ五輪に初選出された。

 

「試合ではあまり勝とうという意識はしていなくて、楽しもうっていう感じでやっています」という奈良岡選手。日本勢はこれまで、五輪の男子シングルスでメダルを獲得したことがないため、周囲の期待は高まっている。自身でもそれを感じているが、代表内定発表会見では「獲れたらいいけど、そんなに甘くはない」ときっぱり。

 

「まずは自分のベストを尽くせるようにやっていきたい。最初からメダルをめざすと言うと、プレッシャーがかかるし、力も入ってしまうので、目の前の試合を一戦一戦頑張っていきたい」と言い、「五輪で勝てばヒーローになる。男子シングルスの思いを背負って挑んでいく」と、決意を語った。

奈良岡 功大 選手

奈良岡 功大 選手

会見翌日には都内から拠点とする地元・青森市浪岡に戻り、次の試合に備えての練習をマスコミに公開。「ここで強くなってきた。地元での練習で最高の調整ができる。自分の試合で皆さんを勇気づけたい」と語り、子どもの頃から慣れ親しんだ体育館で、実戦形式の練習に汗を流した。

 

その後、3カ国を転戦した海外遠征では、3戦目のオーストラリアオープンで準優勝。「感覚は良かった」と手応えを語った奈良岡選手は、帰国後の6月28日には地元での壮行式に出席。母校の中高生や小学生など約500人からのエールに対し、「自分のプレーができれば結果はついてくる」と話し、「青森県に元気と勇気を届けられるよう頑張ります」と健闘を誓った。

 

奈良岡選手が次に郷里に帰る時のお土産は、きっと、日本男子シングルス初の五輪メダルになるに相違ない。

Profile

奈良岡 功大[ならおか・こうだい]

2001年生まれ。青森県出身。県立浪岡高卒。NTT東日本所属。小中学生の頃から全国大会で優勝し、’14年の全日本総合選手権に史上最年少の13歳で出場し、最年少勝利記録を更新。’18年ユース五輪で銅メダルを獲得。本学入学後は個人で世界を転戦。’23年8月の世界選手権では銀メダルを獲得、11月の中国オープンで優勝。今年6月のオーストラリアオープンでも優勝を飾った。BWF世界ランキング最高位は2位。