今季の山田選手には勢いがある、昨年11月にスイスで行われたエペW杯ベルン大会で、W杯個人戦で初めての銅メダルを獲得。今年2月のW杯ハイデンハイム大会(ドイツ)で個人戦初優勝を飾り、さらに5月のW杯サンモール大会(フランス)でも銀メダルを獲得し、今季3度目の表彰台に昇った。

 

一方、五輪出場権がかかるW杯団体戦でも主力として昨年12月のバンクーバー大会(カナダ)で優勝し、ハイデンハイム大会でも準優勝。五輪レース最終戦となる3月のトビリシ大会(ジョージア)で5位に入った日本チームは、初めて自力で五輪切符をつかんだ。

 

その後、パリ五輪出場選手が正式に決定し、団体の世界ランキング3位の日本代表は、山田選手をはじめ加納虹輝選手、見延和靖選手の東京五輪金メダルメンバーが選出された。

山田選手は記者会見で、「全力で楽しんで2連覇をめざす。しならせて突く戦術が得意なので、その動きから背中、太ももを突いていくところに注目してほしい」と意気込みを語った。

東京五輪のあと、「新たな挑戦」をするために環境を変えようと、自衛隊を退職して一般企業の所属となった山田選手。地元・鳥羽市でフェンシング普及のための大会やイベントを開催しているほか、SDGs活動にも興味を持つなど、競技以外にも活動の幅を広げている。

 

競技者としては、’26年に地元近くで開催されるアジア大会愛知・名古屋大会で引退することを決めている。最後となるパリ五輪、「個人よりも団体戦で優勝してみんなで喜ぶ方が好き」という山田選手が、3年前の夏と同じように、歓喜の輪の中で飛び跳ねる姿を見たい。

Profile

山田 優[やまだ・まさる]

1994年生まれ。三重県出身。県立鳥羽高卒。2016年度文理学部卒。山一商事所属。本学在学中の’14年に日本人初の世界ジュニア選手権優勝。卒業後は自衛隊体育学校に所属し、’19年のW杯エペ団体優勝、’20年のグランプリ大会では個人で金メダル。’21年の東京五輪ではエペ団体で史上初の金メダルの快挙。今季はW杯で個人初優勝を含む3度表彰台に昇るなど好調を維持している。