2025年3月24日(月)、日本大学競技部に所属する34競技部の卒部式・表彰式が開催された。

林真理子理事長、大貫進一郎学長をはじめとする日本大学要職者と、各競技部の部長・監督ほか関係者および卒部生・在学生たちが一堂に会する中で始まった式典では、日本大学学長賞をはじめ競技および学業において秀でた成績を挙げた競技部の表彰・記念品贈呈などが行われ、それぞれの競技に4年間真摯に取り組んできた卒部生たちを労い、その門出を祝った。

始まる1時間ほど前から、会場となるホテルには各競技部のブレザーに身を包んだ学生たちが続々と集まってきた。受付から会場へのアプローチとなる廊下には、今年度の優勝部ほかの選手たちが躍動する姿を写したパネルが並べられ、会場内にもインカレ優勝を果たしたバスケットボール部の歓喜や、個人優勝者の大型パネル、集合写真などが飾られ、会場入りしてきた人々の目を惹きつけた。

学生および関係者500名以上が集う中、午後2時半に開式。主催者代表として登壇した鳥山正晴競技スポーツセンター長は、「いくつもの苦難を乗り越えてきたその貴重な経験を、今後の人生の糧として前に進んでいってほしい。歴史と伝統ある日本大学競技部の卒部生として、自信と誇りを持ってご活躍されることを期待しています」と式辞を述べた。さらに、競技部の運営に尽力してきた総務やマネージャーの学生たちに対しても「皆さんのお力添えのおかげで、競技者そして競技部が大きな成果を残すことができました」と感謝の言葉を添えた。

続いて、来賓の林真理子理事長と大貫進一郎学長が祝辞を述べた。

「4年間積み重ねてきた経験が必ず活きてくるので、自信を持って社会に飛び立ってほしい」と卒部生たちにエールを贈った林理事長は、「競技生活と学業の両立をサポートしていくことが私と学長の使命。皆さんの後輩が安心して学校生活を送ることができるよう努めます」と改めて決意を語った。

また、大貫学長は今年度の卒部生たちがコロナ禍での入学となったことに触れ、「困難の中で開催された東京五輪で8名、パリ五輪で4名のオリンピアンを競技部から排出したことは、大学にとって大きな誇りです」。そして卒部生たちに対し「本学で身に付けたリーダーシップ、協調性、忍耐力、継続力、挑戦力を思う存分に発揮し、後輩たちの模範となるような活躍を続けてほしい」と期待を込めるとともに、在学生に「引き続き勉学と競技を両立し、さらに上のステージをめざして頑張ってください」と語りかけた。

競技と学業を両立させた 真の勝者たち

令和6年度に日本大学競技部を卒部するのは34競技部495名。すでに新たな所属チームで活動、あるいは海外遠征中などの理由で欠席となった学生もいたが、この日出席した卒部生を代表して、テニス部主将の石垣秀悟さん(文理学部・4年)が鳥山センター長から表彰状と記念品を授与された。

 

その後は、個人および団体の表彰が続く。
年間のGPA(グレード・ポイント・アベレージ)に基づく学業優秀者として卒部生5名が表彰され、代表して女子サッカー部の井上美海さん(スポーツ科学部・4年)が表彰状と記念品を授与された。

学業優秀卒部生表彰

女子サッカー部 井上美海さん(スポーツ科学部)
陸上競技部 吉田順哉さん(スポーツ科学部)
スケート部 松井美陽さん(スポーツ科学部)
陸上競技部 高橋花瑠さん(スポーツ科学部)
バスケットボール部 大越早姫さん(文理学部)

また、各競技にて優秀な成績を残し、日本大学競技スポーツ宣言を体得した学生に与えられる日本大学学長賞(スポーツ部門)と優秀賞(スポーツ部門)の表彰が行われ、学長賞受賞23名の代表としてフェンシング部・松本龍さん(文理学部・4年)、優秀賞受賞11名の代表としてバレーボール部・畑葵さん(法学部・4年)が、それぞれ大貫学長から記念品を贈呈された。

学長賞(スポーツ部門)表彰

水泳部 寺門弦輝さん(スポーツ科学部)
端艇部 田辺翔万さん(文理学部)
宮口大誠さん(スポーツ科学部)
女子柔道部 素根輝さん(スポーツ科学部)
相撲部 石川乃愛さん(文理学部)
大蔵紫音さん(文理学部)
卓球部 小林広夢さん(スポーツ科学部)
自転車部 岡本勝哉さん(文理学部)
吉川敬介さん(経済学部)
重量挙部 花城瑞樹さん(スポーツ科学部)
スキー部 本田陽菜さん(文理学部)
平野海祝さん(スポーツ科学部)
バスケットボール部 米須玲音さん(文理学部)
コンゴロー・デイビッドさん(スポーツ科学部)
バレーボール部 長谷部奈香さん(文理学部)
サッカー部 熊倉弘貴さん(法学部)
熊倉弘達さん(法学部)
フェンシング部 松本龍さん(文理学部)
樋渡怜大さん(法学部)
菊地心和さん(スポーツ科学部)
高橋栄利佳さん(法学部)
竹澤志緒里さん(スポーツ科学部)
高橋ひかりさん(文理学部)

優秀賞(スポーツ部門)表彰

自転車部 北嶋桂大さん(文理学部)
体操部 壁谷日陽さん(スポーツ科学部)
重量挙部 佐藤駿太郎さん(文理学部)
バスケットボール部 井上水都さん(経済学部)
新山岬さん(スポーツ科学部)
バレーボール部 畑葵さん(法学部)
レスリング部 硎屋亮太郎さん(商学部)
体操部 德田大生さん(文理学部)
重量挙部 小林スィナさん(スポーツ科学部)
ヨット部 福田拓斗さん(危機管理学部)
田中瑠衣さん(スポーツ科学部)

令和6年度も、多くの競技部および個人が関東大会以上の大会で優勝を飾り、個人優勝は89名(国際・全日本56名、東日本・関東33名)、団体優勝は16競技部(全日本13部・関東3部)を数えた。

個人優勝では、第98回全日本学生スキー選手権大会のスラローム競技で3年ぶりの優勝を果たしたスキー部・本田陽菜さん(文理学部・4年)、優勝競技部は、第75回全日本学生バドミントン大学対抗戦(男子)で11年ぶり8回目の栄冠に輝いたバドミントン部から主将の花田彬さん(文理学部・4年)と見城忠昭監督が、それぞれの代表として表彰状と記念品を受領した。

令和6年度 優勝競技部(◎全日本 13部・○関東 3部)

水泳部 ◎日本学生選手権大会(OWS競技男子総合)
端艇部 ◎全日本大学選手権大会(男子総合)
相撲部 ◎全国学生女子選手権大会
◎全日本女子岐阜大会
馬術部 ◎全日本学生三大大会(総合団体・賞典馬場競技・賞典総合競技)
○関東学生三大大会(総合団体・賞典馬場競技・賞典総合競技)
○関東学生大会(総合団体・男子障害競技・女子障害競技)
○東都学生大会(総合団体・新人馬場・学生賞典馬場競技・複合馬術競技・一般障害競技)
自転車部 ◎全日本大学対抗選手権大会(男子総合・ロード・トラック)
テニス部 ◎全日本大学対抗王座決定試合(男子団体)
○関東学生リーグ戦(男子団体)
空手部 ◎和道国際大会及び全国大会(女子一般・大学団体組手)
射撃部 ○関東学生選手権大会春季大会(男子総合団体・FR3×20)
重量挙部 ◎全日本大学対抗選手権大会(男子総合)
○東日本大学対抗選手権大会(男子総合)
ラグビー部 ○関東大学SEVEN A SIDE大会
スキー部 ◎全日本学生選手権大会(男子総合・男子アルペン・女子アルペン)
バスケットボール部 ◎全日本大学選手権大会(男子)
ヨット部 ○関東学生春季選手権大会(470級・女子スナイプ級)
○関東学生選手権大会女子レース(総合団体・スナイプ級)
フェンシング部 ◎全日本学生王座決定戦(女子サーブル)
◎全日本大学対抗選手権大会(男子サーブル・女子フルーレ・女子サーブル)
◎全日本選手権大会(女子フルーレ)
○関東学生リーグ戦(女子総合団体・女子フルーレ・女子サーブル)
○関東学生選手権大会(女子フルーレ・女子サーブル)
ゴルフ部 ◎パンパシフィック大学スーパーリーグ(男子団体)
◎全国大学対抗戦(女子団体)
◎全日本大学スーパーリーグ2024(女子団体)
バドミ ントン部 ◎全日本学生大学対抗戦(男子団体)

このほか、校友会スポーツ振興褒賞では、個人受賞6名を代表して、東京五輪およびパリ五輪の女子柔道78kg超級代表の女子柔道部・素根輝さん(スポーツ科学部・4年)、団体受賞16競技部を代表して15年ぶり13回目の大学日本一をつかんだバスケットボール部の主将・井上水都さんに、 日本大学校友会の石本浩二事務局長から褒賞金を贈呈。さらに、全競技部の中で部員GPA平均が最も高かった学業優秀競技部として女子サッカー部と女子柔道部(同点)、WEB投稿を通じた積極的な広報活動などを評価する競技部PR賞をサッカー部が受賞したほか、地域の子どもたちのスポーツ体験プロジェクトや野球ふれあいイベントのサポートを継続的に行なっている準硬式野球部が社会貢献活動賞に選出され、いずれも鳥山センター長から表彰状と記念品が授与された。

功労指導者表彰を代表受領した水泳部・上野広治監督

功労指導者表彰を代表受領した水泳部・上野広治監督

式典はさらに、各競技部で学生の指導に長年たずさわってきた指導者(指導者歴15年以上)の功労表彰へと進み、5名の監督・前監督を代表して、水泳部の上野広治監督へ感謝状と記念品を贈呈。司会者から予定外のスピーチを求められた上野監督は、25年にわたり水泳部の学生とともに歩んできたことを振り返りつつ、「日本大学のスポーツの歴史と伝統の灯を絶やすことのないよう、これからも頑張ってほしいと思います」と、会場の学生たちに言葉を投げかけた。

卒部生を代表して感謝と決意を語ったテニス部・石垣主将

卒部生を代表して感謝と決意を語ったテニス部・石垣主将

式典の最後には、テニス部・石垣主将が卒部生代表として謝辞を述べた。入学当初からコロナ禍で制約の多い日々を過ごしつつも、「物事に意図をもって行動するようになり、多面的な考えを学ぶことができた」と振り返った。「苦楽をともにした仲間たちと泣き、笑い、頑張り続けた日々はとても有意義で、この上なく贅沢な4年間となりました。日本大学で学び得た強い意志と信念を持って自分らしさを胸に、さらなる努力で挑戦と成長を続けていきます」と力強く決意を語り、卒部式・表彰式を締め括った。

卒部式・表彰式の閉式後には、「皆さんの活躍を本当に期待しています」と挨拶した小堂俊孝副学長(競技スポーツ担当)による乾杯の発声で懇親会がスタート。学生たちは用意されたビュッフェメニューに舌鼓を打ちながら歓談し、指導者や関係者に感謝を伝えたり、他競技部の学生と談笑し、記念写真を撮り合うなど、思い思いに交流する姿が見られた。各競技部の1年間の活動の様子をまとめたビデオ映像がスクリーンに映し出されると、あちらこちらから歓声や笑い声が沸き起こり、終始和やかな雰囲気につつまれていた

卒業後も競技を継続する者、競技から離れて進学・就職する者、新たな挑戦を始めようとする者。これから歩んでいく道は違えども、日本大学競技部で仲間と共有した時間、培った人間力こそが、それぞれの未来を拓く確かな力になるに違いない。

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