日本のお家芸であるリレー競技、その日本一を決定する大会で本学チームが再び躍動。10月16日(金)~18日(日)に横浜・日産スタジアムで行われた第104回日本陸上競技選手権大会リレー競技の男子4×400mリレーにおいて、9月の日本インカレでも同種目を制した4人が、息のあったバトンリレーと激走により大会新記録での優勝を果たした。

 

大会2日目の17日(土)、降りしきる雨の中で始まった予選レースの第2組に本学チームが登場。第1走者・鵜池優至選手(スポーツ科学・4年)が終始リードして先頭でバトンを渡すと、第2走者・荘司晃佑選手(スポーツ科学・2年)、第3走者・陰山彩大選手(文理・2年)が後続との差を広げ、第4走者・黒田佳祐選手(大学院・1年)がリードを守りきってゴール。予選全体1位のタイム(3分9秒98)で、危なげなく翌日の決勝へ駒を進めた。

翌18日(日)の決勝は、後半の2人が変更となり、第1走者・鵜池選手、第2走者・荘司選手に続いて、先の日本インカレでアンカーを務めた山本竜大選手(大学院・1年)を第3走者、同3走だった井上大地選手(スポーツ科学・3年)をアンカーに起用。日本インカレ優勝メンバー4人で、今大会の勝利はもちろん、「エース区間の4走を今年急成長した井上に走らせることで記録更新を狙った」(山本)と、日本インカレ(3分4秒32)で1秒以内に迫っていた学生記録3分03秒71*(2000年に本学チームが記録)を破ることを目標としていた。
*学生混成チームの記録は3分03秒20。

静寂のスタジアムにピストル音が響き、4レーンからスタートした鵜池選手が序盤から力強い走りを見せる。200m過ぎに早稲田大に先行され、「少し離されすぎたかと後半焦ってしまい、満足のいく走りではなかった」と言うが、僅差の2番手で荘司選手にバトンを渡した。
「前半は自分のペースで」と考えていた荘司選手は、序盤から突っ込んできた実業団チームの富士通にかわされ3番手に後退したが、オープンレーンになってからも早稲田大・富士通にくらいついていく。第4コーナーを回って前の2チームが失速してくる一方、荘司選手は逆にグングンと加速。「2人に追いついた時、自分のペースより遅かったので直線で抜けると思った」と、残り30mで富士通、残り15mでは早稲田大も抜き去り、トップで第3走者の山本選手につないだ。

「前半に抜かれなかった時点で1番で渡せると確信した」という山本選手。日本インカレの400mハードル王者から400m王者へとバトンがわたり、ラスト1周へ。

「前半に抜かれなかった時点で1番で渡せると確信した」という山本選手。日本インカレの400mハードル王者から400m王者へとバトンがわたり、ラスト1周へ。

「前半はレースの主導権を握るために自分のペースを守った」と先頭を走る山本選手に、スピードに乗った富士通・豊田選手がバックストレートで一気に追いついてきた。一瞬並びかけたが「絶妙に抜かさせない作戦だった」と山本選手が先頭を譲らず、腕を大きく振り加速してコーナーを回り切ると豊田選手はついて来れなかった。そして「いつもより早めにスパートを仕掛けた」とギアを入れると、再び2位に浮上してきた早稲田大に大きな差をつけて井上選手へバトンを託した。

ゴールを目指して激走するアンカーの井上選手。4走を任され「エースとしてしっかり勝ち切りたいと思っていた。後半でしっかり差を広げられたのが良かった」と振り返った。

ゴールを目指して激走するアンカーの井上選手。4走を任され「エースとしてしっかり勝ち切りたいと思っていた。後半でしっかり差を広げられたのが良かった」と振り返った。

アンカー勝負は、スピードに乗った走りで逃げる井上選手を、インカレ400mでも勝利を争った早稲田大・伊東選手が猛追する展開。バトンパス時の約5mのリードを一時10m近くまで広げたが、次第に差を詰められて第3コーナー手前でついに後ろにつかれてしまう。しかし、井上選手が先行を許さずコーナーを抜け、最後の直線でラストスパートをかけると、もはや伊東選手に余力は残っていなかった。井上選手が2mの差をつけてフィニッシュラインを駆け抜け、インカレに続き早稲田大を下しての優勝を決めた。タイムは3分04秒68。目標としていた学生記録には届かなかったが、従来の大会記録を9年ぶりに0秒34更新する大会新記録で優勝に花を添えた。

特集一覧へ